長く肩身の狭い思いをした女性サポーター。男性からの偏見は2011年に解消に向かった。
Jリーグ開幕の頃から21世紀に入っても、一部のサポーターの中には「ゴール裏は男の場所」といった偏見が根強く残っていた。「流行に流されブームが終わると去っていくミーハー」「女声は応援にそぐわない」「ノリが違う」「選手の顔が好きなだけでクラブを応援しているわけではない」「選手に負担をかける」などの理由をつけて、女性サポーターを毛嫌いするサポーターがゴール裏のコアサポーターには多く存在してきた。
しかし、20年の月日を経て時代は変わった。男性が女性に対する理解を進めたから・・・ではない。
女性サポーターへの偏見が解消に向かう契機になったのは2011年のなでしこブームだ。
なでしこジャパンがFIFA女子ワールドカップ2011ドイツ大会で優勝。女子サッカー選手たちはメディアの寵児となった。女子サッカーがメジャーな存在になるにつれて、Jリーグのゴール裏コアサポーターの中にも「女子サッカー選手ならば鮫島彩が好き」「川澄奈穂美は美人だ」「岩渕真奈は可愛い」といった女子サッカー選手のビジュアルに関する感想を口にする者が増えてきたのだ。
「顔サポ(プレーよりも顔を重視して応援するサポーター)」は女性サポーターだけではなく、男性サポーターにも存在することが分かったのだ。
これまで女性サポーターを毛嫌いしてきたが、実は、男性サポーターも女子サッカー選手を同様に見ているのではないか、という見解が広がり、女性サポーターへの偏見は少なくなっていった。そして、アイドル顔負けのビジュアルと高度なプレーを兼ね備えた選手をメンバーに含むヤングなでしこの人気に火がつく(2012年)ことで女性サポーターは遂に偏見から解放される。
女性サポーターを解放したのは、やはり女性の力だった。女子サッカーの躍進が女性サポーターへの偏見を解消したのだ。
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