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100円から参戦できるW杯 日の丸ハチマキ

ワールドカップ をテレビ観戦して気がついた方も多いだろう。ロシアの観客は日本代表に対して好意的だ。日本代表のチャンスに大声援が起き、大音量の日本コールが起きる。日本代表はロシア人を味方につけている。実は、ロシア人が日本代表を応援してしまう仕掛けがあった。それが日の丸ハチマキ大作戦だ。

ロシア人を味方につける方法は簡単。

スタジアム内に入場した日本サポーターは、自分の周辺の席のロシア人に、日本から持参した日の丸ハチマキを配布する。すると「せっかく日の丸を身につけたのだから」と、日本代表を応援してくれるという算段だ。

日の丸ハチマキの配布が応援の作戦として展開されたのはコンフェレデーションズカップ・ブラジル大会から。

以前から日本サポーターは各自が日本らしい品をスタジアム内で配布して友好の輪を広げてきた。それを初めて本格的に応援の作戦として展開したのは2013年にブラジルで開催されたコンフェレデーションズカップだ。約300本を持ち込み、ブラジル人に大好評。イタリア代表戦では「ジャーパオ・コール」がスタジアムにこだました。

ワールドカップで、日の丸ハチマキ大作戦が展開されたのは前回のブラジル大会から。

コンフェレデーションズカップの成功を経て、翌年のワールドカップでは、初めて組織的に展開された。日本国内でテレビ観戦する多くのサポーターが、現地に乗り込むサポーターに日の丸ハチマキを託した。大量の日の丸ハチマキがスタジアムで配布された。

日の丸ハチマキ大作戦は100円からできる新しいワールドカップでの応援方法だ。

時間と金の制約があり、ワールドカップのスタジアムに乗り込むことができるサポーターは極一部だ。彼らは現地で応援し、開催国の人々との交流を深める。だが、日の丸ハチマキ大作戦は革命的だ。新しい応援の効果を生み出したのだ。主な効果は3種類。

1 100円からワールドカップの現地に参戦できる。

100円(消費税別)で購入した日の丸ハチマキは現地に乗り込むサポーターに運ばれスタジアム入りする。日本にいながらにして、サポーターの分身はスタジアムへ。これまでのテレビの向こうのワールドカップから、自分が参加したワールドカップに変わる。

2 応援パワーが限界を超越する。

日本から乗り込めるサポーターの人数には限界がある。いかに気合いを入れて応援しても応援パワーは人数に比例してしまうのはやむを得ない。そこに地元のサッカーファンの人数が味方として加われば応援パワーはこれまでの限界を超越する。「私の分も応援してきたください。」「ハイわかりました。」という会話は過去にもされてきた。でも、応援に行かれない人の思いを背負うことはできても声量まで運ぶことが出来なかった。日の丸ハチマキ大作戦のイノベーションは「私の分も応援してきたください。」「ハイわかりました。」→『代わりに開催国のサッカーファンが応援する』という、応援パワーが限界を超越するところにある。

3 現地のファンと日本サポーターの交流が生まれる。

日の丸ハチマキを手渡す際に会話が生まれる。意味を説明する、漢字の読み方を節目する。応援方法を説明する。会話が生まれれば心がつながる。さらには、日の丸ハチマキにメッセージやTwitterやinstaのアカウントを書いておくとメッセージが返って来たりする。

日の丸ハチマキが日本と世界を結ぶ。

さあ次の試合からはワールドカップに参戦しよう。日の丸ハチマキは100円ショップ、ディカウントショップ、外国人向けの土産物店、東急ハンズ等で販売されている。

「サポーター3年生からの日本のサポ論」では、日本のサポーター独自の面白さ、行動様式や応援の考え方について解説しています。kindle端末がなくてもiPhoneやPCで読むことができます。



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