降格した方が良いサポートをできると感じるのはなぜか?サポーターが感じやすい一体感。
残留争いが本格化するとサポーターは冷静さを失う。ポジティブを強く訴える者がいれば、逆にクラブへの不満を絶えず言い出す人も現われる。特に、過剰なサポーター論の強要などでサポーターの内輪揉めが始まると「『降格してやり直そう』と言い出す人」も現われる。
人は多くの錯覚を起こす。「人は現実のすべてが見えるわけではなく、多くの人は見たいと思う 現実しか見ない。」これは古代ローマ帝国の皇帝カエサルの言葉として知られる格言。Jサポーターも多くの錯覚を起こす。
「降格した方が良い。こうなったら降格してサポートを立て直そう」「下部リーグ時代の方が昇格後よりも良い応援をできていた」という声を聞くことがある。これも、錯覚に陥って発せられる声にしか過ぎないだろう。理由は単純だ。「下部リーグではサポーターの人数が少ないために当事者が一体感を感じる」というだけのことなのだ。J1は観客数が多い。そのため、多種多様な考えを持つ人がスタンドに集まる。ゴール裏のコアサポーターが集まるエリアにも、初観戦の人が多く参加する。価値観は多種多様なので応援に対する意見を一本化しにくい。それだけJ1が魅力的でファン層に広がりを有しているのだが、それゆえに、サポーターが一体感を掴みにくいと感じることがある。一方、下部リーグとなると観客数が少ない。ゴール裏のコアサポーターが集まるエリアは顔見知りの常連サポーターがほとんどとなる。J1からJ2に降格すると観客数が減少する。すると、コアサポーターが集まるエリアは常連サポーター率が高まる。だから降格するとコミュニケーションが良好で一体感を感じやすい。
果たして「限られた人数での一体感のある応援」はクラブ経営やプレーする選手の立場から見ると歓迎されるものなのか?その一体感はコアサポーターの中のさらに一部の内輪の楽しみの範囲を出ないと考えられる。「降格してやり直そう」は「小さな満足」を優先した意見といえるだろう。
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