クラブを強くする「サポーターの3つの価値サイクル」とは何か?(1)実践的価値、(2)創造的価値、(3)経済的価値
サポーターはスタジアムを盛り上げ、選手に声援を送り、ホームスタジアムのみならずアウェイ遠征にも駆けつけてスタンドから応援パフォーマンスを展開している。サポーターの様々な活動や応援パフォーマンスは大半が「勝利」を目指して行なわれている。しかし、プレーをするのはフィールド上の選手だ。稀に(誤審などの)外的要因で明確に勝負がつく場合はあるが、基本的には選手のパフォーマンスによって試合の勝ち負けは決まる。
「サポーターの勝利」とは何か?
サポーターは応援パフォーマンスでクラブに貢献することはできるのだろうか?まったく貢献がないのであれば応援パフォーマンスは自己満足。サポーターになれるのは「自己満足に自己のモチベーションを高め続けることができる人」だけということになる。しかし、どうやら、そういうわけではないようだ。「試合での勝利」という側面だけではなく、プロスポーツ興行という視点でサポーターを考えると、サポーターの価値とは以下のようになる。
「選手のモチベーションを向上させ、観客の連帯感を高め、試合を勝利に近づける。応援の結果が観客数の増加に作用しクラブの収益向上に貢献する。」
これを大きく分けると3つの価値に分けられる。
(1)実践的価値 音声やビジュアル等に応援パフォーマンスによる選手への直接的な応援の効果を指す。
(2)創造的価値 音声やビジュアル等の創造による価値向上・帰属意識の醸成に繋がる効果を指す。
(3)経済的価値 チケット購入やグッズ購入等による売り上げの向上等、クラブの収益貢献に直結する効果を指す。
「サポーターの勝利」とは何か?「サポーター論」は視点合わせが難しい。コアサポーター同士で「サポーター論」を交わすとき、語るその意味の大半は(1)実践的価値に費やされる。また、一部、応援パフォーマンス内容を語る際に(2)創造的価値が会話に登場してくる。しかし、クラブの立場ではサポーターの価値を(3)経済的価値でしか認めていない場合も多くあり、視点の違いに気がつかないまま行われたサポーターとクラブとの話し合いの場では、サポーターの価値について論点が噛み合ないことが往々にして見受けられる。この視点のギャップを埋めるファシリテーターが不在だと、なかなか話し合いは上手く進まない。
3つの価値は独立しているのではなく、密接に関係性を持っている。
(1)実践的価値と(2)創造的価値が(3)経済的価値を生み出す。そして、経済的価値による効果から選手獲得予算を生みだし、戦力向上することでサポーターは新規の仲間を加えて応援のパワーを増す。
「サポーターの3つの価値サイクル」を理解すれば、明確に「サポーターの勝利」は浮かび上がってくるのだ。
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