見出し画像

肩身は狭くないけれど

一昨日は、電車を3回乗り継いで、水泳カウンセリングに行きました。
知的障害や発達障害の人たちを対象にした、水泳のレッスンを受けて、カレーライスを食べての帰り道。
プールから上がるとほかろんは、とてもおだやかで、すっきりした表情になります。
きっと、気持ちがよくなるのでしょう。
私も、プールに行くと、体が軽くなって、気持ちがリフレッシュされるので、よくわかります。

帰りも、電車を3本乗り継ぎます。
井の頭線吉祥寺駅に、競馬場の広告が出ているのを、ほかろんは楽しみに見ています。
競馬場の広告はいつもダイナミックです。
等身大の馬が、本物みたいに、ホームの壁に描かれているのです。
反対側ホームから見ると、もはや本物の馬がホームに立っている感じの立体感です。

ほかろんは言います。
「これはほんもののうまだよ。
ポストからでてきたうまじゃない。」

ポストから出てきた馬ってなんだろう。
まあ、貞子が井戸から出てきたようなものかな。
それくらい、競馬場の広告に感心するほかろん。
広告は大成功です。

そして、井の頭線の次は、中央線に乗ります。
井の頭線はゆうゆう座れますが、中央線はいつも満員です。
優先席が一つ空いていたので、76歳の母が座りました。
向い側の優先席には二人座っていて、真ん中の微妙な隙間に、ほかろんがおそるおそる座りました。
泳いだ後なので疲れていたのでしょう。

浅く腰を掛けると、もうそれ以上は無理。
なぜかというと、ほかろんの右側ヘルプマークのおそらく自閉症男子は、座席の間の手すりに両手をしっかりつかまっている。
ひょっこりはんが、顔を出す前みたいなポーズ。
手すりはほかろんとの境。

だから、自閉症男子の三人掛け椅子に占める割合は、1.1。

ほかろんの左側、スマホ青年は、体格がよく足はほかろんの2倍の太さ。
スマホ青年の座席に占める割合は、1.3。
三人掛けの席で、両サイドが占める割合が、2.4
ほかろんは3ー2.4=0.6
のスペースに肩身を狭めて苦しそうな表情で腰掛けています。

だからといって、いったん座ってしまったら、かたまってしまうのがほかろん。
耐えている、耐えている。
難しい顔で耐えている。

私の隣の20代男性もスマホ。
隣の車両の優先席では、元気な体育会系男子たちが楽しそうに談笑していました。
というわけで、馬の広告を見て上機嫌だったほかろん。
隙間があったので、座ってしまったために、苦しい思いをしてしまいました。


よろしければ、サポートお願いします。老障介護の活動費、障害学の研究費に使わせていただきます。