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「あの、ジョー・ペシ」

ある時は凄みのきいたイタリアンマフィア。
ある時は、子どもにやっつけられてしまう泥棒さん。
沢山の映画で、いろいろな役を演じて、主役を盛り立てる役者さん。
それが、ジョー・ペシ。

そのジョー・ペシの若いころ、役者さんになる前は、ボウリング場で倒れたピンを立てる仕事をしていたそうだ。
昔は、ボウリングのピンは人力で立てていた。
機械がなかったから。
裏方中の裏方である。

クリント・イーストウッド監督の「ジャージー・ボーイズ」に、
「あのジョー・ペシ」というセリフが出てくる。
「ジャージー・ボーイス」は、フォー・シーズンズを描いた作品で、サントラもいいし、大好きな映画の一つだ。

まだ、フォーシーズンズが結成される前の話。
川を渡れば、ニューヨークなんだけどの「ニュージャージー」。
ニュージャージーの田舎で、刑務所を行ったり来たりしていたトミー・デビートやニック・マッシ。
マフィアのボスに目をかけられていた歌のうまいフランキー・バリ。
バンドを組んでいた彼らに、作曲の才能のあるボブ・ゴーディオを紹介したのが、なんと「あのジョー・ペシ」だったのである。

フォー・シーズンズが結成されたのは、「あのジョー・ペシ」がいたからなのだ。
彼らのヒット曲は、ボブ・ゴーディオの作曲によるもの。
「シェリー」は、日本でも大ヒットして、若かりし頃の九重佑三子が歌っていた。
当時フランキー・バリの高音で歌える男性歌手はいなかったのかも。

そしてなんといっても、いつでもだれでもが歌う
「君の瞳に恋している」
盛り上がり最高の歌である。

映画では、ジョン・ロイド・ヤングが張りのある歌声を聞かせてくれている。
最近は日本でもミュージカル公演が行われて、中川晃教や花村想太がフランキー・バリを演じている。

つまりは、「あのジョー・ペシ」がいなかったら、フォー・シーズンズは結成されていなかっただろうし、
ボブ・ゴーディオの名曲を、フランキー・バリが歌うこともなかっただろうし、
クリント・イーストウッドが、「ジャージー・ボーイズ」の映画を作ることもなかっただろうし、
映画のエンドロールで、凄みをきかせたマフィアの親分の
「クリストファー・ウォーケン」が他の出演者と一緒に、楽しそうに軽やかなステップを踏んでダンスをすることはなかっただろう。

ジョー・ペシは最高の名脇役なのだ。


ジャージー・ボーイズ クリント・イーストウッド監督 2014

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ
          セルジオ・レオーネ監督 1984

グッドフェローズ  マーティン・スコセッシ監督   1990

ホーム・アローン  クリス・コロンバス監督   1990

その他たくさん

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