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祝文庫化、百年の孤独
雨が降り続くと思いだすのは、百年の孤独。
もう、半世紀ほど前に読んだ本なのに、あまりに強烈で、あまりの面白さに、目がぐるぐる回ってしまうほどの魔法にかかり、いまだとけていない。
行ったこともない南米の国。
コロンビアのガブリエル・ガルシア・マルケスが書いたのが
「百年の孤独」
どんなあらすじなのかと聞かれても、説明不可能。
ともかく、ブエンディア一族が作った蜃気楼の村、「マコンド」が滅亡するまでの百年間に起きた、信じられないような出来事が次々と起こる、回り舞台で映画を上映しながら、マジックが行われているかの如くの小説。
その、ありえないような出来事の一つが、4年11カ月と2日に渡って降り続く雨。
ああ、もう湿度を含んだ空気は重く、体さえも重くなりそう。
私は本を読んだり、映画を見たりするときに、あらすじを追うというよりは、その作品の世界を味わうというような体験をしている。
作品の世界に入り込んでいるというような感じである。
「百年の孤独」は私にとっては、それまでにないミラクル体験だったのだ。
映画を見たあと、本を読んだ後、口もきけないくらいに、うわーとなってしまうような作品はそういくつもない。
その数少ない本の一つ。
私にとっては、「地球」くらいの大きさの小説なのだが、なんと、それが、文庫化されたのだ。
ええっ。
地球サイズの作品が掌に乗るほどの大きさになって、手にとりやすくなったなんて。
なんて素敵。
なんてミラクル。
なんて宇宙。
うれしい。
フェデリコ・フェリーニも、クリストファー・ノーランも大好きだけど、
ガブリエル・ガルシア・マルケスもやっぱり好き。
ついでに、ガエル・ガルシア・ベルナルも好き。
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