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クチコミを書くと1,500円分のクーポンがもらえる、と書かれた鍼灸整骨院は今
この記事を書く約3ヶ月前(2021年11月26日)にTwitterでこんな投稿をしました。
Googleビジネスプロフィールのガイドライン違反行為である「クチコミを記入すると1500円分のクーポンがもらえる」と投稿されたこの店舗さん。
— えびすい::Googleマップ&ビジネスプロフィールが大好きなおっさんです。 (@ebyan2013) November 26, 2021
さて、何か沙汰があるのかないのか注目です。
3ヶ月後、ビジネス情報に変化があるか予想してみましょう。https://t.co/XOq4DHc3g5
東京都目黒区のぷらす鍼灸整骨院 学芸大学駅前院さん(以下P整骨さんとします)のGoogleマップ(ビジネスプロフィール、以下GBP)へのクチコミに「クチコミを記入すると1500円分のクーポンがもらえる」と投稿されているのをみつけました。
ご存知の方も多いと思いますが、お客さんにGBPへクチコミを書いてもらうために、なにかしらの対価を払うことは、GBPのガイドラインで明確に禁止されています。
・クチコミの謝礼としてお金を渡したり、受け取ったりしないでください。
GBPのヘルプコミュニティでの個別の質問に対しても、ダイヤモンドプロダクトエキスパートのTak Nag (Takuya Nagayama) さんが直接Googleに問い合わせて、返答として以下のように回答してらっしゃいます。
こちらはGoogle側に確認を取りました。
金銭に関わらず、報酬、特典など、ユーザー側に店側から得るものを用意してはいけない との事です。
クチコミに書かれたことが事実であったならば、P整骨さんはガイドライン違反の施策をされている、ということです。
前置きが長くなりました。
偶然、GBPのP整骨さんのクチコミを読んだぼくが、Googleにこのクチコミを報告した場合、Googleさんからどんなご沙汰が下されるのか下されないのか、もしくはP整骨さん、あるいはP整骨の関係者の方々がなにかしら対応されるのか、3ヶ月後に答え合わせをしたのがこの文章です。
読むのが面倒な人のためにどうなったのか結論を先に書くと、何も変わらななかった、です。
「クチコミの対価にクーポン」の投稿を見つけた経緯
Web担当者Forumというimpressさんのウェブメディアでこちらの記事を見かけたからです。
GBPを活用した成功事例ということで、Web担当者Forumさん主催の「デジタルマーケターズサミット2021 Summer」に登壇され、その際発表された内容がレポートされているということで記事を拝見しました。
このイベントに、ぷらす鍼灸整骨院を運営されている株式会社SYNERGY JAPANのマーケティング本部部長吉田拓矢氏と、SYNERGY JAPANを支援されている株式会社Faber Company のローカルミエルカ事業部事業責任者中本俊一氏のお二人が登壇されたようです。
内容は、論理的にウェブ施策を実施されてらっしゃることを丁寧に説明されており、他の事業者さんにも十分参考になる内容であると思いました。
また、GBPのクチコミを増やす施策として6つのTipsがまとめられており、わかりやすく良い内容だと思いました。
もちろん、クチコミを集める際の注意点にも言及されています。
特典と交換に「口コミを書いてほしい」や「具体的に〇〇と書いてください」とは言わない。Googleマイビジネスのガイドラインでこれらは禁止されている。
「新規顧客獲得に欠かせない「口コミ獲得」の6つのTips」
④顧客に「口コミ」の記載を促す より
「ぷらす鍼灸整骨院」のマーケティング戦略
成功事例ということで、実際にP整骨さんのGBPの店舗情報がどのようになっているのかを拝見しに行ったところ、「クーポンがもらえる」と書かれたクチコミを見つけたのでした。
クチコミを書くと1,500円のクーポンがもらえるというのは本当だろうか?
本当かどうか、に関しては当事者に確認したわけでもなく、第三者のぼくがクチコミ投稿を読んだだけでは断定できません。あくまで、「クチコミを記入すると1500円分のクーポンがもらえる」というクチコミを見ただけです。
1件だけだとタチの悪いいたずらかも知れないし、もしかしたら、一部の店舗の担当者がGBPのガイドラインを知らずにクーポン配布を実施したからかも知れません。
そこで、都内と神奈川県内の系列店舗のクチコミを確認してみました。
その結果、複数店舗で複数の利用者から同様のクチコミが投稿されていました。
こちらです。
やけにクチコミが多いと思ったら、クチコミで1,500円割引をしていました。
評価が高いのは、Googleの評価を投稿すると割引があるからです。
こちらの口コミは全てを信じないほうがいいです。口コミを投稿すると1500円割引になるのでそれ目当てに投稿される方が多数いると思われます。しかも投稿前に店の人がチェックします。ですので、ネガティブな投稿はできません。
「クチコミを記入すると1500円分のクーポンがもらえる」これでクチコミ評価の内容や件数は察せられると思います。
他の方が施術している時に聞こえてきた話ですが、「クチコミを書いてください、そしたら次回1500円の割引も適用できますよ」的な事が聞こえてきました。
口コミ投稿は店で書かされスタッフに確認されるため実際のところが書きづらいので、投稿します。
最後に引用したクチコミはクーポンの件ではないですが、ガイドラインの趣旨に照らし合わせればグレーな運用方法ですね。
さて、ここでぼくが言えることは、複数店舗のクチコミに「クチコミを書くと割引される」という投稿がされているのを確認した、ということです。
再度確認ですが、ぼくは『ぷらす鍼灸整骨院さんではクチコミ投稿の見返りに割引をしている』とは一言も主張していません。当事者に確認していないし、明確な証拠がないので、当然です。
また、上にあげたクチコミは2年前(2020年の年初くらいでしょうか)に集中しているので、「当時は」という事なのかも知れません。
「クチコミを記入すると1500円分のクーポンがもらえる」という投稿をGoogleに報告した結果‥
ガイドラインに違反する行為をしている、とクチコミに投稿されているのを第三者のぼくが見つけたので、Googleに報告したらどうなるか、というのが元々のツイートの趣旨でした。
該当するクチコミの右上にある「︙」をクリックすると「レビューを報告」もしくは「違反コンテンツを報告」とボタンが表示されます。こちらをクリックすると、問題点を選択する画面が表示され、いずれかを選択して報告します。
これで終わりです。
今のところ、クチコミに対価を与えているという今回のケースにぴったりな選択肢はないので「利害に関する問題」を選びました。
一応本日、「レビューを報告」から、このクチコミを「利害に関する問題」として報告しました。 pic.twitter.com/mzYZW4I0iF
— えびすい::Googleマップ&ビジネスプロフィールが大好きなおっさんです。 (@ebyan2013) November 26, 2021
結果は、何も起こりませんでした。
GBPのヘルプコミュニティでの質問の回答に、ガイドライン違反をしたら「最悪の場合、店舗情報が削除される」と言われることもあるのですが、店舗情報は削除されていません。
また、「検索結果の順位に影響する」とも言われますが、クチコミを報告した店舗に関して「整骨院+地域名」で検索すると、同じ地域に20店舗ほど同業者があるなかで、検索結果の店舗情報トップ3の店舗(3PACKといいます)に入っています。
検索結果の順位への影響も見えません。
この結果から導き出されることは、
クチコミ投稿への対価として費用から割引を実施し、その事がクチコミに書かれたとしても、そしてそのクチコミがGoogleに通知されたとしても、何もペナルティーはなさそうだ、ということです。
Q.E.D.
クチコミを書いてもらうために対価を払ってると書かれた場合の対処方法は?
第三者から報告してもなにも起こらないことは分かりましたが、事業者側からの対処方法を考えてみました。
この場合、実施していないのにも関わらず、「良いクチコミを書いてもらうのに割引している」と書かれた場合と、事業者が本当に実施していた場合の2つのケースに分かれますね。
ガイドラインでやってはいけないことと書かれているのを知らずに実施しているケースも当然あるでしょう。
していないのにクチコミの対価を払っていると書かれた場合
いわゆるデマ、嫌がらせ、もしくは利用者の勘違いの場合もあると思います。この場合、クチコミへの返信で、実施していないと明確に否定しておきましょう。そして、投稿した利用者に、その点を修正して貰うか、クチコミ自体を削除して貰うように返信しましょう。
例え2年前のクチコミであっても、明確な返信をしておいたほうがよいです。名誉のために。
あまりに明確なデマ、いやがらせの類いの場合は、店舗情報の管理権限を持っていればこちらのリンクからGoogleへ削除の依頼ができます。
こちらの選択肢から、報告の理由を選びます。実施していないことを書かれているので、強いて言えば「利害に関する問題」になるでしょうか。
このクチコミはこの場所と無関係です
利害に関する問題
侮辱的または露骨な性的コンテンツ
プライバシーに関する懸念
法的問題
クチコミを書いてもらうために対価を払っていた場合
この場合、対価というのは費用の割引、値引きだけでなく、例えば飲食店だと一品サービス、ドリンクサービス、その他のご商売の店舗ならノベルティなどの○○プレゼントも該当します。その時のサービスだけでなく、次回来店時サービスも該当します。
多店舗展開している場合は、該当店舗の店長が独断で実施していることもあるかもしれません、まず、事実確認をしましょう。
そして、実施していたならば、間違っていたこと、今後は実施しないことを、該当するクチコミへ返信するとともに、GBPの投稿機能や公式ホームページがあるなら、お知らせとして、GBPのガイドライン違反であることを実施していた旨を発表し、お詫び文を掲載するのもよいと思います。
それが一番まともな経営者・管理者としてのやり方だと思います。
私は人を雇う際、三つの条件で判断する。第一が人間としての誠実さ、第二が知性、そして第三が行動力だ。ただし、第一の条件が欠けると、他の二つはその人を滅ぼす凶器と化す。
誠実であることが一番です。
指摘しておきたいこと・まとめとして
今回のケースで気になるのはやはり、Web担当者フォーラムのイベントにて成功事例として登壇している方が管理しているぷらす鍼灸整骨院のクチコミに、「クチコミを書くとクーポンがもらえる」と投稿されていることです。
一緒に登壇されているのは、複数店舗のGBP情報を管理するツール「ローカルミエルカ」をリリースされているFaber Company(ファベルカンパニー)の方です。ローカルミエルカには、無料で利用できる機能として、GBPのデータをまとめて分析する機能があるようです。
複数店舗のデータをまとめて分析
インサイトやクチコミのデータをまとめて表示、比較・分析できます
疑問に思うのは、「クチコミを書くとクーポンがもらえる」という利用者からのクチコミを、ぷらす鍼灸整骨院のスタッフレベル、SYNERGY JAPANのWebマーケティング担当レベル、支援しているローカルミエルカ側のスタッフレベルで誰も気がつかないのか、ということです。
ローカルミエルカを利用していると、クチコミデータをまとめて表示、比較、分析できるというのに…。
最後に付け加えておきたいのは、ローカルミエルカを提供するファベルカンパニーは、Googleビジネスプロフィールのプロダクトエキスパートを積極的に評価、活用されている会社です。(注:「プロダクト エキスパート」とは、公式ヘルプコミュニティでユーザーのサポートに積極的に取り組んだ、経験豊富なエキスパートのことを言います。)
プレスリリースも出していらっしゃいます。
Googleビジネスプロフィールのプロダクトエキスパートの名誉の為にも、なにかしらの対応をされてはいかがかと切に思います。
追記(2022年3月24日)
こちらの記述に関して「伊藤さんが(ガイドライン違反に)関わっているような見せ方をされております」と指摘を頂きました。
えびすいとしてはそのような意図は全くありません。
ガイドライン違反を放置しているととられておかしくない状況でありながら、伊藤亜津佐さんと牛丸晋太郎さん、お二人のGoogleビジネスプロフィールプロダクトエキスパートが関わっている会社でもあるので、プロダクトエキスパートの名誉のためにも、投稿されたクチコミに対してなんらかの対応をしていただきたいということがこの部分の文意です。
「クチコミした人に割引している」というクチコミが書かれた時期は2年前(2020年3月?)、伊藤さんがローカルミエルカ顧問に就任したのは2021年11月、牛丸さんがプロダクトエキスパートに認定されたのは2021年10月頃なので、お二人がプロダクトエキスパートとして本件のガイドライン違反に関わっていないのは明白です。
誤解が無いように追記いたしました。
そして、ほんとうに、最後の最後に一言、
Googleさんがなにも対応しないからって、クチコミ書いてもらうのに対価を払ったらダメだからね。
絶対にやってはダメだからね。
絶対にやっちゃいけんよ。
絶対に!!
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