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#3日目: 「〜でも」に続く言葉


黒胡椒を丸ごと噛んだことがあるだろうか。

子供の頃に祖母が作ってくれたシチューは、ブラウンでもホワイトでもなく、透明だった。黒胡椒がホールで入っていて、丸ごと噛んでしまう。
苦い。辛いよりまず、苦い。苦くて辛い味が、舌と鼻腔に広がる。その表情を見て、祖母がなぜか嬉しそうに「あたりだ。」と言う。

今年、組織開発界隈で大いに話題になった「TEAL組織」に出てくる1要素に「ホールネス」という言葉がある。(本記事はその推薦文ではない)

「ホールネス」とは、「個人としての全体性の発揮」とある。
何がなんだかわからない・・・。すごく雑に言えば、「会社の自分も、プライベートの自分も、得意なことも苦手なことも、丸ごとの自分を持ち込み、周りも受け入れる」という思想。本当にそんなことが可能なのか?と思うが、その話になると推薦図書の話まで行き着かないので、割愛する。


"母さんは、美しくて、そしていつもちょっとかわいそうでした"

こちらが本題の推薦図書。コミックエッセイだ。著者は小説家でブロガーの歌川たいじさん。
いわゆるネグレクトを受けて育った著者が、大人になってから人とのつながりの中で徐々に自分の人生を取り戻していくお話。その過程で「欠陥も含めて周りに受け入れられる」という経験をする。
育ちは人格形成の大きく影響するが、環境によって自らを変えることが出来る。こともある。大事なのは、人とのつながりなのだという。
周りにホールネスで受け入れてもらう経験をした著者は、自らの闇の根源である母親をホールネスで見るようになる。本のタイトル「母さんがどんなに僕を嫌いでも」の後に続く言葉が変わる瞬間だ。

映画化しているらしいので代わりに見てきて

今まさに上映中らしい。映画が嫌いな私の為に誰か見てきて、感想を教えてほしい。

読んでほしい(ないしは映画を見てきてほしい)人
・自己肯定感って大人になってからどうやってあげるんだろう?という人
・共感性が高くて、とにかく泣きたいという人


ホールネスの味

ホールネスを思う時、いつもシチューの黒胡椒を思い出す。
丸ごとは苦い。しかし、おそらくそのホールの黒胡椒がそのシチューの大事な要素なのだろう。幼児が食べるというのに別段よけられもせず、毎回噛んでは「あたりだ」と嬉しそうにされた。
そして因果はわからないが、大人になって一番好きな調味料もまた黒胡椒である。

ebt

アドベントってなんだ
快諾してみたもののアドベントもnoteの使い方もわからないので、思いのほか苦戦している。アドベントってキリストの降誕を待ち望む期間なんですって。語源を同じくしている言葉がadventure[アドベンチャー]。静かキリストが来るのを待っているイメージとはちょっと違う。能動的。アドベントをカレンダーにして、一日ずつメリークリスマス&ハッピーニューイヤーを迎えにくのかな。

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