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〇ビリー・ホリデイ物語~ダイアナ・ロス・主演

〇ビリー・ホリデイ物語~ダイアナ・ロス・主演

【Lady Sings the Blues – Diana Ross Movie 】

(本作・本文は約2000字。「黙読」ゆっくり1分500字、「速読」1分1000字で読むと、およそ4分から2分。いわゆる「音読」(アナウンサー1分300字)だと7分くらいの至福のひと時です。ただしリンク記事を読んだり、音源などを聴きますと、もう少しさらに長いお時間楽しめます。お楽しみください)

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〇ビリー・ホリデイ物語~ダイアナ・ロス・主演

【Lady Sings the Blues – Diana Ross Movie 】

ビリー。

映画『ユナイテッド・ステイツvs(ヴァーサス)ビリー・ホリデイ』を見たので、その昔のダイアナ・ロス主演の『ビリー・ホリデイ物語(Lady Sings The Blues)』(1973年)ブルーレイを取り寄せ見た。

ダイアナのビリーは、映画館で見た記憶がないので、これもおそらくテレビの深夜劇場的なところで流れているのを見たかくらいで、事実上の初見。もちろん、2枚組サントラは当時入手して聞いていたが、当時はビリー・ホリデイがジャズ・シンガーということで興味がほとんどなかったので、アルバム自体にはそれほど反応しなかった。

しかし、時が流れ、時代が変わると興味の主体もどんどん変化していくものだ。ドキュメンタリーや様々な文献などでビリー・ホリデイの苦悩などを知るようになると、がぜん興味を持つようになった。

この映画は、ベリー・ゴーディー・ジュニアが満を持して自身の恋人でもあるダイアナ・ロスを映画スターにしようと映画を製作したもの。

Lady sings Blueray ジャケ写

ここでは、ビリー・ホリデイがカーネギー・ホールという栄誉ある会場でライヴをやる成功物語で幕を閉じる。

この映画は第45回アカデミー賞(1973年3月27日発表)でダイアナ・ロスが主演女優賞にノミネートされるが『キャバレー』のライザ・ミネリに奪われる。ちなみに、この年は主演男優賞に『ゴッドファーザー』のマーロン・ブランドが選ばれるが、ブランドが受賞をボイコットして話題となった。

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さて、このブルー・レイ、なんと副音声でベリー・ゴーディーや監督のシドニー・フューリー、ダイアナのマネージャーでモータウンの重役シェリー・バーガーが、この映画の裏側について自由自在に語っているのがはいっていて、これがおもしろかった。

この作品は当初の製作スタジオが予算がかかりすぎて、ギヴアップし、ベリー・ゴーディーに製作費を買い取れと迫り、結局、ゴーディーがそれまでの製作費と残りの製作費を支払った。このあたりの経緯は、ゴーディーの自伝『モータウン、わが愛と夢(原題To Be Loved)』(ベリー・ゴーディー著、東京FM出版)にも書かれているのだが、そのあたりをゴーディー独特のおもしろおかしくしてしまう語りで十分に楽しめる。

また、このころいわゆる「ブラック・ムーヴィー」などほとんど実績がなく、『シャフト』が1971年暮れに出てヒットしたくらいの頃。そのあたりのスタジオ側の「ブラック映画は、売れない、ヒットしない」というステレオ・タイプにおおいに苦労させられたと愚痴をこぼしている。

ちなみに時系列で言うと、『シャフト』が1971年10月全米公開、『スーパーフライ』が1972年8月、そしてこの『レディ―・シングス・ザ・ブルーズ』が1972年10月全米公開だ。だから、『レディー~』製作時点ではまだまだハリウッドの映画スタジオは、ブラック映画には懐疑的だったわけだ。

そんな中、「モータウンはブラックのレコード会社としては初めてブラック映画に投資し、初めてレコード(サントラ)を出し、それを初めてヒットさせた」とその成功を自慢げに語る。確かにその通りで、立派な開拓者だ。

当初は、映画公開にあわせて、ダイアナ・ロスのワールド・ツアーをして、映画をプロモート(宣伝)しようというスケールの大きな考えだったが、やはり予算がかかりすぎるために、実現はしなかったという。

それにしても、同じ題材を取り上げても、あたりまえかもしれないが、2021年版と1972年版ではこうもちがうのか、と思わせられた。

(ベリー・ゴーディーらのメイキング話については改めて追記するかもしれない)



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Diana Ross - Lady Sings The Blues


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