神よ、超現実よ、危うさよ

ジョニー・ロットンことジョン・ライドンが
I could be wrong, I could be rightと歌う時
私は涙を止めることが出来なかった。
Riseというその曲で繰り広げられる
シンプルなコード進行と反響音の中で
これまでの彼の全ての苦悩が
解放されていると感じたからだ。
フィル・メイはミック・ジャガーを
絶賛したがあなたはあなたで
絶賛されるべきボーカリストであり
未だに私はあなたにヤられっぱなしである。
Honey, I Needで展開される
セクシーでワイルドな歌いっぷりは
100年先の人間でさえ
持っていかれてしまうだろう。
トム・ヴァーレインがMarquee Moon
陶酔のギターを弾き鳴らす時
全世界が静寂な月夜に様変わりし
孤独に炸裂していく精神が
あちらこちらに発生するのが見える。
アンディ・パートリッジはDear God
神に対する疑念をぶちまけた。
「我々があなたを創造した後
あなたが我々を創造したのですか?
そして悪魔も!」と歌った時は
多神教にまみれた私でさえ言葉を失った。
「私が唯一信じられないものは
神よ、あなたです」と。
最後に苦悩の一言を言い放つ。
悲劇は続くのか?
続くのだろう。
時にダダイスティックに
世界は変わっていく。
それでもそれでもそれでもなお
超現実世界にいた大江慎也の脳内では
とんでもなく美しい旋律が
鳴り響いていたのだ!
嗚呼、Case Of Insanity
危うさよ。
私もまたソレである。

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