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「呪文」の専門家、密教僧の空海と陰陽師の安倍晴明

御神籤の前には「呪文」を唱えるってホント?

神社に参拝した後はいよいよおみくじがひける。御手水を使い、清めてから、鈴を鳴らして、お賽銭をして、お参りを終えてから「御神籤」を引いても良し!という準備ができるの。


神様仏様が降りてきて「お告げを頂けるのですから、作法があって当然と思うけれど・・・


江戸時代に広まっていた和歌みくじの本「天満宮六十四種歌占御籤抄」宝暦四年(1754)には、神様に降りてきていただくための「和歌占い」の前に「呪文」を唱える作法が描かれています。


この時、唱える歌を「呪文歌」といいます。


この呪文歌は


「岐塞 夕占の神に 物問はば 道往く人よ 占正にせよ」

「ふなとさえ、ゆけのかみに、ものとはば、みちゆくひとよ、うらまさにせよ」

というもので、

「岐の神や塞の神といった夕占の神に、尋ねたいことがあるときには、往来を通る人よ、よい結果が占われるようにしてくれ」


という意味の歌です。


この一首は、何かの吉凶を占うために使われる呪文であった。


つまり、御神籤の前にお唱えする「呪文」なの!


岐神については以前に書きました・・・2月、3,4,5の記事

ちょっと恐ろしげな言葉遣いですが神様と交信するための「呪文」和歌なのですね。

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和歌の呪文としての「スゴサ」がわかるのは。


『平安時代の和歌と呪術』繁田 信一の論文


平安時代の中期から後期にかけてであった。『古今和歌集』『新古今和歌集』を含む八つの重要な勅撰和歌集(「八代集」と総称される)が誕生したのも、その頃のことである。
「平安時代」という言葉から即座に「和歌」という言葉を連想するのも、われわれ日本人には普通のことであろう。
 その一方で、現代の日本人がイメージする平安時代は、呪術の時代でもあるように思われる。というのも、平安時代の人物として現代人の関心の対象となるのが、往々にして
密教僧の空海や陰陽師の安倍晴明といった呪術の専門家たちだからである。
しかも、平安時代というのは、拙著『平安貴族と陰陽師』(吉川弘文館 2005年)においてもその具体的な様相の一端に触れたように、実際に密教僧や陰陽師による呪術が隆盛を迎えた時代であった。
 そして、一見しただけでは全く関係のなさそうな和歌と呪術とが、平安時代においては、非常に深い関係を持つことがあった。実は、平安時代の人々は、和歌を以て呪術を行うことがあったのである。それは、平安時代には呪術のために和歌が使われたということに他ならない。


和歌っていうのは「雅」で「ロマンティック」なものと思っていた私、認識がコロっと反転しました。


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バーバラ・マルカワ
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