【Aponte取材日記②】Aponte総支配人の素顔(松村 雄太)Ep.1
(前回のエピソードはこちら)
あの人に違いない。
周りを見る視線が1人だけ鋭い・・・
出てくるお料理に毎度感動しながらも見晴らしの良い(良すぎる)オープンキッチンを観察をすること2時間、鋭い視線で仲間の仕事を見守る人物を発見した。店長の松村 雄太だ。
帰り間際に松村に声をかけ、後日ぜひお話をさせてもらいたいと依頼すると快く応じてくれた。
パスタを作るのが楽しかった
松村は1985年生まれ。
一般人の我々でも耳にしたことのある服部栄養専門学校の出身だ。
学校の卒業後は、ファミレス時代の知人に紹介してもらい、青山のレストランで働き始めたが、わずか10か月で会社が倒産。
その後は場所を変え代官山で再スタートを切り、2年間勤めた後、最終的に知人の伝手でAponteを運営する現在の務め先に入社。今は閉店してしまった六本木のL-gardenで働いた後、Aponteに配属された。
Aponteで腕を振るい始めたのが2011年。そこから8年後の2019年には料理長としてお店の舵取りを任されることになった松村。
厨房に立つときの鋭い視線はどこにいったのか、マスク越しに笑顔を見せながら松村はこう語った。
時折挟んでくる無邪気な小ネタに笑いながら、松村の親しみやすさに少し驚いた。
料理人と言えば熱い気持ちを持っていて、お客さんでなければ近寄り難いぐらいのオーラが出ているものと思ったが、松村は気さくで話していて楽しい。
店長としてお店は取り仕切りつつも会社に所属しているので、サラリーマンである我々と変わらないのかもしれない。そう感じ始めつつ、会話を進めていった。
レストランは空間を提供するもの
松村は引続き軽快な小ネタを挟みつつ、お店が目指す姿についてこう語った。
初めて来店した際に、シェフの皆さんが髪をワックスでしっかりと整髪していたことに触れたが、やはりそういった方針があったのかと納得した。
また、空間という意味ではお店の雰囲気は本当に素晴らしく、松村の目指すお店が体現されている。Aponteの良さはそういった松村の方向性がしっかりと反映された結果なのかと思いつつ、3代目TENCHOU(店長)に就任した心持ちを聞いた。
厨房で見た厳しい姿はどこにいったのか、松村の表情が赤子を見るかのごとく柔らかくなる。
この時から、私は先ほど自分が感じたことは間違っていたかもしれないと感じ始めた。
(Ep.2に続く)