迷盤紹介[Noriaki(ノリアキ) This is da Music.]
概要
ノリアキはヒップホッパーでもシンガーでもなく唯一無二のリアルであり、音楽のジャンルでカテゴライズするのはあまりにも陳腐である。
とはいえ世の中の腐りきった商業音楽(いわゆる、フェイク)に疑問を呈し、音楽業界に一石を投じたアルバムには間違いないと思うので紹介。
と、さておき。
カリスマミュージシャン(という名目で仕立て上げられた)冴えない青年のノリアキが唯一遺したフルアルバム。
その斬新な歌詞(本人は作詞しておらず、プロデューサーの古屋氏が作詞)とお世辞にも巧いとは言えないボーカルで初見・初聴時には戸惑うことは間違いない。
収録曲
曲紹介
1 opening ★★
13 the golden songのインスト。まあなんてことのないインスト。
2 デビュー ★★★☆
とても爽やかな曲。PVもあり、初々しいノリアキが垣間見える。これから起こり得る悲劇も知らずに…。メロディもさながら、歌詞も共感性とメッセージ性のある曲になっている。
「みんな君を待っている 君のデビューを待っている」
3 きみはポイズン ★★★★
8 unstoppableで日本のHipHop界に一石を投じたノリアキが別の角度から切り込んできた曲。サーベルタイガーはいつ出てくるのか。
PVも強烈で、カネを払って取り巻きをしていただいた黒人の方々とヒップホッパーに扮したノリアキが闊歩するというもの。要はHipHop界を皮肉っているという解釈でいいんですかね?
歌詞が中々過激なのもあって2020の復活ライヴで披露されなかったのかな。ちなみに最後の語りは蛇足派です。
4 だれかおれをすきになれ ★★★★
unstoppableがノリアキの持つ名曲なら、この曲は彼の隠れた名曲。きみはポイズンからこの曲の流れは少々戸惑う。
「毛むくじゃらのコリーにサンダルもってかれちまった」と始まるこの曲は中々に歌詞も良く、考察されている方も多いと聞く。私は愛されたい、誰かに必要とされたいと思う人の心を歌ってるのかなあくらいにしか考えていませんが…。サウンド的にはどストレートで万人受けすると思う。
個人的にはボーカルに関しては味が出てくると思うので、シンセサイザーとドラムまわりを今一度リアレンジしたらさらに化けるのではないかと思う。これはこれでいい、と言われればそれまでです。
5 SU・BE・TE ★★☆
まず初見はイントロで脱落すること間違いない曲。そして2回目はアウトロのわちゃわちゃ英語で腹筋崩壊するはず。そして3回目のPV視聴時には何を見せられているのかよくわからないノリアキと白人女性のイチャイチャで何とも言えない気持ちになるはず。
歌詞はまあありふれたラブソングでいいとは思う。しかしどうしようもない英語は狙っているのかガチなのか。正直ピアノはちゃっちいですね。
6 カミキリムシ ★★
サクッと聴ける曲。たまに聴く分にはいいですがイマイチ押しに欠ける点は否めないかと。ベースラインはいいですね。だいたい飛ばしてるんで欠けることもあんまりないですごめんなさい。
7 曖昧な感情の詰まったブルース ★★
全曲に引き続き、クールダウン曲。3分半で終わるあたりちょうどいい塩梅か。これが5分とかなら正直かなりきつかった。
哀愁漂う2本のアコギをバックに歌うノリアキ。この曲ではわざとらしい低声を使っておりそれがまあ個人的には苦手です。デビューとかみたいな下手なりに真面目に歌うスタイルが好きなんでしょうね。
8 unstoppable ★★★★☆
ノリアキの代表曲(概要に貼った曲です)。本人はおろかその周囲でさえもこの曲によって呪縛されたであろう名曲。とんでもなくチープなシンセサイザーからとんでもない歌い方でノリアキラップを畳みかけてくる。
物議を醸した「エミネム・ゼブラも全部フェイク」はとりあえず大御所に喧嘩を売っておこうというガリガリノリアキの気概を感じる。
名刺代わりの曲なんだろうが、この曲も 「だれおれ」と同様演奏周りを整え、リマスタリングして再発してもらいたいが…。前衛的過ぎて時代が追い付かなかった名曲には間違いないです。TikTokあたりで流行っていいのにね。全然違うけど戸川純の好き好き大好きみたいに。
9 スカイフィッシュ ★★★★☆
迷DVD「スカイフィッシュの捕まえ方」の主題歌。私は一番この曲が好きです。PVしかりメロディしかり。
「新しく履くコンバース パス見過ごすゴーサイン」このメロディに一時中毒になり、ノリアキ復活ライヴではそこを聴いた瞬間に「ああ、やっぱり本物のノリアキは違うな…」ってなりました。スカイフィッシュやってくれてありがとうノリアキ。
https://www.youtube.com/watch?v=docqkEMKD70
10 generation ★★★
この手のジャンルはガレージロックであってるんでしょうか。似たようなフレーズを延々と叫び続けるノリアキ。本人には合ってます。まあ賛否分かれる曲かな。
11 father’s day ★★
低速のHipHop。この手の曲を聴くといつも思うんだが、自分が大してヒップホップが好きじゃないんだなあという要素がこれでもかというくらい詰まっている。だいたい飛ばします。
12 ふたつの太陽 ★★★
本当の本当に隠れた名曲。とんでもないことで歌い続けるノリアキを許容できるかどうかで決まると思います。いや、真面目に歌ってこれなのか…?しかしこの曲はしょうもないピアノ・迫力不足のドラム・チープなシンセが三拍子そろってこの評価なのでリアレンジ希望な次第です。
13 the golden song ★★★☆
メッセージ性があり、かつ合唱曲(校歌?)チックになり壮大さを残しつつノリアキのアルバムは終わりに向かう。ライブで再現するのは難しそうだなあと思っていたら案の定披露することはなかった。
総評
はっきり言うと捨て曲がある程度混在しているとはいえ、だからこそ光る曲・輝く曲があるとは思う。ノリアキはヒップホッパーではなく唯一無二のリアルなのでオールジャンルに対応できる。
ちなみにThe golden songでキレイに締めたかと思ったが、10年越しにノリアキの新曲[Know Real Key]でノリアキのプロジェクトは完全に締めくくられる。それも名曲なので是非聴いてみてほしい。