カードゲーム苦手マンがスレスパにハマったワケ

はじめに


自分(本記事の作者=えびせん)はカードゲームが苦手である。
対戦はもちろん、PvEなどであっても理解が追いつかず、まともにプレイ出来たことがない。MTGアリーナはチュートリアルの途中で挫折した。

将棋やチェスといったボードゲームも苦手だ。
上記は常に負けるし、モノポリーも周囲に流され続けて自分は運だけの結果になる。

ついでに言えばパズルも苦手である。
2,3段階くらい手順を予想する段階になったら、もう分からなくなる。
ゼルダの伝説ブレワイやティアキンも、一部は攻略を見てプレイしていた。

そんな自分だが、スレイザスパイア(以下スレスパ)にはアホみたいにハマってしまった。

あれだけ遊んだFallout4(265時間)より長い

アイアンクラッド、ディフェクト、ウォッチャーについてはとうとうアセンション20(一番難しいモード)の心臓(真のラスボス)まで倒してしまったし、残りもサイレントもA19の通常ラスボス(彼方ボス)までは倒せたので、あとちょっとである。

なぜ、カードゲームやパズルが苦手な自分がここまでハマったのか、何故ここまで頑張れたのか。
他人に聞かれても自分ですら理由が分からなかったが、このほどなんとなく整理できてきたので、ここにまとめてみる。

概要と結論


まず結論を書くと、下記が理由と考えられる:
1.考えるべき要素が意外と少なく済んでいる
2.常に何かを動かしていたい気持ちを満たしてくれる

上記はともにスパイダーソリティアでも満たせる要素で、実際自分も暇な時や寝たいときはスパイダーソリティアをやって眠気を得ている。

ソリティアは頭を使わない多くの手作業の合間に、適宜判断が必要なタイミングが来る。
その割合が丁度良いと、アクションゲームと同等の爽快さとひねりを体感することが出来る。

具体的にどういうことか、次節から解説していく。
また、ついでにソリティアの面白さや、スレスパのA20Hをどういう状況でクリアしたかなども書いておく。

一応述べておくが、当然複雑さの程度が作品としての良さに影響してるとかいう話ではない。
あくまでえびせん個人が苦手な要素や得意な要素がどう、という話になる。

考えるべき要素の量

一般的な話

ゲームは瞬間的に考える事柄と、長期的に考えるべき事柄の2種類が存在する…と自分は考えている。

瞬間的:
アクションゲーム(以下ACT)であればどう弾を避けてどう攻撃を当てるか。ダークソウルなどはそれの最たるものと思われる。
ある程度戦術的なものもあるが、やはり重要なのはその場その場での判断といえよう。

アクション脳と言うと語弊があるだろうか。

長期的:
RPGにおいてどう準備をしてどう倒すか、パズルであればまず何をしてどういう順序でギミックを発動させていくか、SLGで最適な道筋へ寄せるにはどこからどんな行動をしていくか…。
そうした長期的な戦略/戦術は必要になる。

今回の主題であるカードゲームもそれ自体多種多様である。
リソースを溜めて強い攻撃を放っていく(MTG)であったり、強いフィニッシャーの用意に向けてプロセスを狙っていく(遊戯王)であるなど。

しかし、何らかの目的(中核となる戦術)があって、それに向けてカードを使っていくのはどれも重要だ。

さらに対戦ゲームであれば、相手の行動に対処し続ける必要もあるため、余計に複雑になっていく。(もちろんそういうプレイが楽しい人が多いことも理解している)

自分は完全にアクション脳のようで、長期的な思考はかなり苦手で、その結果答えも分からずモチベも湧きづらい。
最終的に思い付きの戦術を採っても負けやすく、そこで止まってしまう。

城ノ内くんだって最初はモンスターばっかりだったけどドンドン上手くなっていったから偉いよ。

スレスパの話

スレスパは各バトルにおいてその場その場の判断も必要だが、デッキビルドという長期的な思考も必要となってくる。

では、なぜ自分はそれを楽しめたのか…。

それは
「意外とゴールとなるビルドは種類が多くない」
こと。
さらに
「ある程度のビルドミスやプレイミスを運やランダム、カードパワーやポーションなどで補填/回避出来る」
ことがポイントだと個人的に思っている。

慣れればA0H(アセンション0+心臓撃破=真エンディングまで)ならどのキャラクターでも(もちろんセオリーを考えつつ)適当に選択してクリア可能になれる。
こんなにカードゲームやパズルが出来ない自分でも…!

細かいが、それぞれについて説明していく。

意外とゴールとなるビルドは種類が多くない
例えばアイアンクラッドは"筋力を上げつつブロックカードを使う"なり、"防壁でブロックを積み上げる"あたりが出来れば大体彼方ボス(第三層エリアボス)くらいならA19までクリア可能。

当然、ドロップキック(弱体化付きを殴るとカードを引く)などによる無限ループなどの難しいビルドも存在する。
しかしそうしたビルドは出来る人が狙えば良いし、そう言うカードばかり来て自分が上手く行かなかったら、負けてやり直せば良い。

なんなら堕落+古木の枝なんていうぶっ壊れセットもある(スキルを0コストで撃てる(スキルカードは消える)+カードが消えるとランダムなカードが出てくる)

サイレントは毒やナイフ、あるいはディスカ軸。ディフェクトはオーブや集中力増加。ウォッチャーは皆ダイスキ情緒不安定ループ。
細かいデッキビルドパターンは他にもあるものの、大体これを軸にすれば勝てるというものは意外と多くない。

じゃあそれを毎回狙えるかと言えばそうでもなく、大体は余計なカードがあったり、欲しいカードが無いままクリアしたりすることがほとんどである(高アセンションはもう全然クリア出来ないけど)
そのため、毎回お決まりの結果にはならず、なんなら毎回デッキ構成も異なる。(スケーリング方法は複数有る上に、拾えるレリックに応じても変わるため)

そういった懐の深さと、意外と思い通りに行かない部分のバランスが非常に丁度良いというのが、自分に刺さった理由だろう。
(ただ、ウォッチャーは憤怒冷静最小構成ループが強すぎるのでバランスが壊れているという説もある)

常に何かを動かしたい

これはACTやRTS、シューティングなどにも通じる要素である。

プレイヤーというキャラクターや、ユニットといった要素を適宜動かし、敵を倒しアイテムを集め、目的地へ向かう。

思い通りに動かす快感が、自分というアクション脳の持ち主に快感をもたらしてくれる。

ソリティアなどの一人遊びカードゲームは常にカードを動かすので、そういう所も楽しいと思うところだろう。

RTSもユニットをダラダラ動かしたり全選択して突っ込む快感とかもある。

ソリティアの魅力

スレスパに出会う前の中で、唯一楽しめたカードゲームであるソリティアについても、比較として記載していく。
ソリティアにもいくつか種類があり、判断すべき要素が複雑になるゲームも存在する。

難解さを簡単に記すと、下記のような感じだろうか:
クロンダイク(一般的に"ソリティア"と呼ばれているもの)
<スパイダーソリティア(12枚x8セットを整理)
<フリーセル(4つのフリーエリア+8列の山)
"<"の大きい方が、より考えるべき要素が多い。
あくまでえびせんがプレイして個人的に感じた差なので、実はクロンダイクも考えることが多いとかは十分ありうる。

クロンダイクは基本的に順番になるよう処理すれば良い。
時々、「組札(ゴール)に流す」べきか「組札に流さず場札に積む」べきか、「山札を一周させるか」悩むことがある。
また、場札(最初にカードが並んでいる場所)にも同じ色同じ数字が複数列有り、どちらを選ぶかの判断を迫られる。
そのときは長期的な判断が必要になるが、そこはある程度大体でも良い。(100%クリアするなら長考となるかも知れない)

一方でフリーセルは左上にある自由に使える"フリーセル"が超重要であり、どのようにそのエリアを使うかが非常に難しい。
いたずらに使い潰せば詰まるし、かといって使わないと動かしづらく、早く解けない。
正直考えることが多すぎて自分には難しいと思えるレベルだった(単純に1プレイが疲れる)

最後にスパイダーソリティアは山札からはバッと10枚配られるだけ(一周したり複雑な挙動をしない)だし、複数の選択肢があってもある程度雑に進めてなんとかなる場合が多いのも良い。(特に2スーツ=柄が♥と♠のみなどはかなり簡単)
かといって(4スーツ=全柄使用なら)簡単すぎず、毎回そこそこ選択を迫られるので退屈もしない。
自分にとってはかなり"丁度良い"ルールと思っている。

他に気に入ったカードゲームのジャンル

実はスレスパ以外にも気に入ったカードゲームの新ジャンルがある。

stacklandsである。

このゲーム、ソリティアのようなインターフェースをしているが、やっていることは完全にFactorioかつRTSである。
内政を整え、軍を編成し、探索を進めて魔王(など)を倒す。

それらのことを1つ1つ小さいことから積み重ねていくのは、まさにFactory系(FactorioやSatisfactoryなど)の要素でもある。
手作業で集めていた木を無限採集可能にし、採取でまかなっていた食料を自給自足出来るようにしていく…といった内政が充実しているのも良い。

自分はFactory系もダイスキなので、このゲームにもどっぷりハマった。

おまけ:スレスパA20H突破時の攻略

A20Hはアセンション(Ascension)20(一番難しい難易度)かつ心臓(Heart)撃破するという条件でのプレイ。
Ascensionは昇天(昇位)、つまりは天に昇り高位の存在になる、という意味で、スレスパでは1つずつ難易度が高まっていく周回の要素のこと。

どうやって撃破したかを記憶を頼りに軽く記載する。

・アイアンクラッド
堕落枝でごり押し

・サイレント
A20Hは未クリア

・ディフェクト
オレンジの丸薬+複数認知でガンガン集中力を上げて勝利(他にもレリックの上振れがあった)

・ウォッチャー
よくある圧縮ウォッチャー(憤怒冷静ループ)で勝利

おまけ:他のカードゲームが何故ダメだったか

ココまで書いてみて、「言うほどカードゲーム苦手じゃないのでは?」と思われる可能性もある。
しかし、他のカードゲーム(PvE)を遊んで毎度発生するのは…
「どういうビルドにすれば良いか分からない」
「どういう行動をどのタイミングですれば良いか分からない」
などの適切な行動が分からないことからくる倦厭感(飽きて嫌になる感じ)で、大体やめてしまう。

要するに、答えとなるビルドや最適行動を自分で組み立てて考えられないのだろう…というところか。

逆にFactory系は最初は単純な組合わせをすれば良く、その積み重ねで結果的に複雑なプロダクトを出しているので、実は要素要素は簡単だと思う。
自分は数学やプログラムがそこそこ好きなのだが、簡単な定理(プログラムならパッケージ化、モジュール化、ライブラリ化)の積み重ねで成り立っていると言う意味では通じるものがあるかもしれない。

スレスパは例えWikiなどがなくても、何が強いかは自然と分かるように出来ている。(アイクラの筋力やサイレントの毒、ディフェクトの集中力は適当に遊んでも強化を実感しやすい)

より細かいビルドや勝ち筋はWikiなり知識が重要となるが、独学でも正解がなんとなく見えるのは良く出来ていると思える。

おわりに

何度も書くが、あくまでえびせん個人の適正の話なので、複雑なルールだからどうという話ではない。

元々は「スレスパは、なぜカードゲーム嫌いな人にも楽しまれているのか!?」という話題&疑問が挙がって、その理由を整理したかったというのが、本記事作成の切っ掛けである。

結論にあるとおり
・常に何か動かしたい
・その場の判断で遊びたい
・長期的な戦略を立てなくてもなんとかなる
 →不要というわけではない
 →簡単な要素の積み重ねなら可
というのがポイントというのが(自分でも)分かったところで、本記事を締めたいと思う。

おわり

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