アナログカートリッジが物凄かった件、続報。(オーディオのお話)
ワタシがこの盤を出してきちゃったってことは、本気モードだということです。いや、いつも本気なんですよ。でも今回は本気の本気って具合です。
*弩級アナログカートリッジ、再び。
アイレックス株式会社と業務提携して、真っ先にデモ機を拝借してその高音質に驚いたAidasのアナログカートリッジ。あの時はマッチングさせる適切なヘッドシェルを持ち合わせていませんでした。
前々号で書きました通り、YMKの新型ヘッドシェルを入手して、あの時から『Aidasのカートリッジを組み合わせるんだ!』とワクワクしていました。
ディーラーさんに貸出していたAidas Auというモデルが戻ってきましたので、やってみましたよAidas & YMK。
*こんな感じ。
なんかすごく今風なビジュアル。乳白色と紫のコントラストもかっくいい。
だいぶ高額なカートリッジなのでシェルとの嵌合はドッキドキ。ま、本来このくらい緊張しながら慎重に執り行う作業。とにかく事故を起こさないよう。
無事装着完了。さてさて、音はどんな具合かな。
*試聴開始!
そもそもSL-1200 Mk7でこのカートリッジを試聴するのかい?というツッコミどころはありますよ。でもこのターンテーブルはこういう仕事で使うために用意しているのです。とにかくセッティングがラクで正確でカートリッジの差し替えも容易。そしてね、SL-1200でキチンとした音を出せるかっていうのは、プロとしてのひとつの技量指標でもあると思っています。
いやー聴くんじゃなかったよ、こんなの。スンゴイです。手元にあるけど私物じゃないんだもん、欲しくなるに決まってるじゃんね。
ドコがどんな風にスゴいとか言えないです。なんか圧倒されました。言えるのは『超超上質な普通な音』ということ。
後述しますけど、オジーさんのDiary Of A Madmanはワタシのリファレンスアルバム。もう何度聴いたか分からないくらい聴いています。隅から隅まで分かっているつもりです。
なのに『あれ?こんな音が入ってたの?』っていう新たな驚きがありました。特に低域の解像度たるや。たっぷり鳴るのにまったくボケなくて速い音。低域の質が向上すると、楽曲のグルーヴ感が変わります。聴き慣れた収録曲がグイグイ疾走する。
ぐー、すごいわ。
*高級品って、こういうコトか。
高額品ではなく高級品。高級ゆえ高額になってしまったという製品。
いやー、聴くんじゃなかったよ。
昔『おもちゃ屋ケンちゃん』というTV番組があって、この主題歌詞に『だけどちょっぴりつまらないよ、だってボクのじゃないんだものー』って、身近に溢れるおもちゃについて嘆くフレーズがあったかと記憶していますが、まったく同感です。コレは『所有したい逸品』だ。
こんなモノの例えでとってもアレなのですが、ワタシの愛車BMW R100R Mysticとほぼ同額なアナログカートリッジ。その価格をどう捉えるかは各々の価値観。車検がなくてガソリンも不要で維持費がかからないからカートリッジの方がオトク!という考え方もあります。
このカートリッジ、しばらくワタシが預かって持ち回り営業をする予定です。もし本気で『買いたい』と思っていただける方がいらっしゃいましたら販売店さんで一緒にレコードを聴きましょう。お声をかけて下さいまし。
*試聴盤について。
『ハードロックが聴けないオーディオシステムは、どこかにピークがある』
コレ、持論です。しかしこれは録音が上質であるという前提。かつて米国スピーカーメーカーに在籍していた時期も、音の判断でAC/DCやZepなどの音源を随分と使わせていただきました。
という前置きで、オジー・オズボーンさんのDiary Of A Madman。
録音が良いか?と問われたら、抜群に良いとは言えないかもしれません。なんというか、ギリギリなトコロを攻めている音源。ワタシはランディ・ローズさんが本当にとっても大好きなのですが、彼のギターは割と歪みが深くて高域もちょっと尖っています。要するにランディのギターが『痛く聴こえたら』それはオーディオシステムにピークがあるっていう判断基準でリファレンス音源として重用しているのです。
150万円もするカートリッジをSL-1200 Mk7に装着してオジーを聴くヤツ、それがワタシでございます。
機械の価格や性能ばかりに着目・執着するのはちょっと違うと思うんだな。
オーディオ機器っていうのは音楽再生装置だから、あくまでも音楽がメインキャスト。自分の好きな音楽を躊躇なく聴けばよいのです。
オジーさんのあと色々なレコードを取っ替え引っ替え聴きましたが、どれも素晴らしかった。こういうカートリッジの良さを分かってくれて、ご購入いただける財力のある方、素敵だよなぁ。。
*オマケ。
ということで、みなさまどこかでお会いしましょう。
話は変わりますが、今号(101号)から、巻末に自社のwebサイトURLを貼ってみようと思います。ちょっと試験的な意味合いもありましてね。そういえばしばらく更新していないなぁ。YMKと中電の販売コーナーも作らなきゃなぁ。
ではまた。
2024.10.9