中電さんの新製品。(オーディオのお話)
中電(ちゅうでん)という、アナログレコード用カートリッジを作っている国内メーカーがあります。率直に申しまして『こんなに安くていいの?』って、ディーラーであるワタシが本気で心配するくらいに適価で良品を作っています。
いくつかの新規な製品開発を行なっていることは知っていましたが、この度、満を持してリリースする新製品のサンプル機をメーカーさんが送ってきてくれまして、早々に試聴してみたらコレがとんでもないポテンシャルをもっていることに驚いてしまった!というレポート投稿であります。
*中電とは。
実は以前にも紹介しています。
社長をはじめ、スタッフさんがみんな良いヒト。こういう方々が丁寧にモノづくりをしているのだから、そりゃちゃんとした製品が出来上がってくるワケですよ。
*さて、新製品。
コレです、針ね。
新製品(針単体)の型番はCN-36BPHだそうです。
MM型カートリッジなので、今までお使いの中電ボディから針を引き抜いて、差し替えて使えます。
*CN-36BPH、仕様の紹介
・オグラ宝石のPH針、ダイヤモンド無垢、ラインコンタクト。
・ボロンカンチレバー。
・針圧は2〜3gとのこと。
・2024年の9月後半に発売予定。
・価格は税込で¥40,000を切るくらい。(針単体)
・ボディ付やヘッドシェル付も順次リリースする予定。
*音色は?
ワタシとっても中電さんが好きなので、一応フルラインナップでカートリッジを所有しています。勿論販売もしていますよ。
全部のカートリッジを聴き込んでいる自負がある上でのCN-36BPH所感。
・レコード盤からピックアップする音の情報量が、とんでもなく多い。
・とっても澄んだ音色で、かつ痛い帯域がなく、エネルギー感も適正。
・なんというか『自分が馴染み親しんできた音』を聴かせてくれる。
・不得手な音楽ジャンル、無いねコレは。
そんなです。
一応、中電以外の比較対象カートリッジも掲示しておきます。
コレら銘機たちと対等に渡りあってしまうポテンシャルを持っている。
っていうか、おそらく20個くらい所有している手持ちカートリッジの中で、『最も自分が聴き馴染んできた音』を出力してくるような気がします。
言い換えると『おー、スゲー!』といった未知との遭遇的な驚愕ではなく、自分がよく知っている音なのに『あー、実はこんなに深かったのか!』みたいな、改めて感動を覚えてしまうカンジ。
素直に驚きました。実に素晴らしいカートリッジです。
ワタシが好んで聴く音楽においては、ELACとCN-36BPHが2大勢力になってしまったような。2者はキャラが違うからドッチのタイプも大好き!という一夫多妻制が成立。違うタイプを好きになっても全然揺れない男ゴコロ。
にゃは。
*試聴で使った音源紹介。
前号に引き続き、試聴で使ったレコードを紹介します。
このレコード、冒頭から結構ゴツい低域がボカーンと鳴る。1曲目のパンチ力は中電で、2曲目の『MOON』は細かい音を探ってしまうのからELACで聴くのが楽しかった。
前にも一度紹介した気がするけど、ワタシにとって最も理想的かつ憧れなロックギターサウンドを聴かせてくれるアルバム。Fence Of Defenseというバンドはアナログとデジタルが絶妙な塩梅で融合しておりまして、そのバランス感が使用カートリッジによって違って聴こえるのよ。
中電だと『嗚呼とっても知ってる音色』で、バンド全体にフォーカスが合う。ELACだと『バンドメンバーが芸達者だなぁ』と、各プレイヤーの技を探ってしまう、みたいな。
アナログ感とデジタル感の比率というか対比も、中電の方がアナログ強めに聴こえる。面白いね。
これだからレコード趣味はやめられないとまらない、なのよ。
*まとめ。
中電の新製品、正式なリリース日が決まったらまたお知らせします。
このメーカー製品にしては『あれ?価格がちょっと高くね?』と感じるかもしれませんが、いやいや今までが安すぎたんですって。それにね、ご多分にもれず原材料価格高騰の煽りですよ。
このクオリオティで4万円(予価)なんていうアナログカートリッジ、ワタシは他に知りません。超絶にオススメします。
ということで、ご予約受付中であります(笑)
ではまた。
2024.8.21