不屈のワガハイ
著しい脳機能の低下に歯止めをかけるべく、知恵の輪を購入した。
ただの気まぐれである。
おもちゃ屋さんの見本をカチャカチャやっていたところ、レベル1が案外簡単に解けたので気分を良くして上記リンクのものを購入した。
寝る前のスマホいじりの時間を知恵の輪カチャカチャタイムに替えてやってみた。健全さに皆にびっくりして欲しい。ほらほら。
知恵の輪と言われて真っ先に思い描くのが、数字の「9」に似た形の二本の輪っかだと思う。
購入したものはそれと大きく異なりずっしりと重い金属製。お値段もそこそこ良い値がするが、その分見た目も映える。
こちらなんかはゲーム『ゼルダの伝説』とのコラボ商品だが、普通にインテリアとして飾っても良い気がする。(千年パズル?)
世界中のパズルデザイナーがデザインしているとのことなので、それも納得か。
で、件の知恵の輪なのだが、これがなかなか難しい。
ああでもないこうでもない。
ここが怪しい気がするけど、角度的にこりゃ無理。
ちょっと頑張れば……いやダメか。
ここ! ここが抜ければいけるんだけど!
くっそ、イライラするぜー!! ヒント! ヒントください!!
なんて言ってもヒントはどこにも載っていない。
公式HPにあるのは「どうしても駄目だったら解説書を紙で送ってあげるよ」というお言葉のみ。ヌガー!!!
分かってる。分かってはいる。
知恵の輪というものは一度答えを知ってしまったら意味がない。自分で工夫して解くことが本筋であり本質なのである。
だからどれだけ解答を見たくとも我慢しなければいけない。
しかしながら初心者かつイラチには厳しい。
いっそペンチでこじ開けてやろうか? 40才児ゴリラ舐めるな??
もう一生解けないのじゃないか……。
一生レベル2なのか? レベル1からやり直しすべき?
なんて絶望しながらカッチャカッチャやっていたのだが。
ふぁ。
抜けた。
え、嘘。なんで? ちょ、なんで??
再度カチャカチャさせて、「あ、そうか。ここの隙間がこうなって、こうで……こうかー! やったー!」
謎はすべて解けた!
貴様(レベル2)の思惑などすべてマルっとお見通しだ!!
グワッハッハ、恐るるに足らず!
その夜はめちゃめちゃいい気分で眠りについた。
のだが。
次の日には解けなくなった。
正しくは戻せない。
そうなのだ。
知恵の輪は一度解けば終わりだと思っていたのだが、そんな単純なものではないらしい。
一度や二度はただの偶然でも解ける。大事なのはその理屈を正しく理解し、時間が経っても何度でもスルリと解けることなのだ。
グワーッ!
おのれ、勇者(レベル2)め……、
今回は敗れたがワガハイはまた戻るぞ……、ワガハイは滅びぬ!
何度でも蘇るぞ、首洗って待ってろチクショー!!