アメリカADAツアー⑲
あと数日分。
がんばれ私。
2015年8月3日記録報告
今、全米でもっとも活発に活動しているという
自立生活センター、Access Living。
朝から夕方まで、みっちりアクセスリビング研修。
ホテルからは、歩いて10分もしないところでしたが、
着いてびっくり!
4階建てのでっかい自社ビル!
すべてのドアはボタンひとつで開く自動ドアだし、
エレベーターは車いすが4人乗れて、
ドアの前からも後ろからも出入りできる。
照明は、太陽光に反応して、
自動的に明るさを調整する省エネタイプ。
カーペットも、車いすの人にも歩く人にも優しいもの。
案内係りのリーダーのアンバーさんは聴覚障害があり、
自分で話すことはできるけど、
周りの人が話す言葉は2人体制で手話通訳していました。
最初に、アクセスリビング内のツアー。
いろんな部署を回って、
地域移行支援部、
地域生活支援部、
ファンドレイジング部、
社会資源開拓部、
医療保険ホットライン、
権利擁護部、
などなど、紹介してもらいました。
その後、会議室で、具体的な活動内容についてのお話。
障害があっても、
自分を女性として大切に扱いケアする大切さ、
母になる権利を守る大切さ、
などの活動を行う女性障害者支援、
若手障害者に、障害者運動の歴史を教えたり、
ネットワークを作ったり、
自立生活のことを伝える若手障害者支援、
連邦政府から予算補助をもらった場合に作成義務が生じる
「障害児の個別教育プラン」の質についてアプローチする教育活動、
他にも、就労支援や、地域でのADA活動についてなど、みっちり。
ADAを社会に効果的に浸透させていくための
相談窓口であるADAセンターの話もお聞きしました。
ADAセンターは
「Reasonable Accomodation(合理的配慮)」についての
相談窓口になっていて、
例えば、障害のある人を雇用するときに、
どういう配慮を整えなければいけないか、
建物を建設、改修するときにADAではどんな規定があるか、
設計図がその規定にあっているかどうかのチェック、
教育機関でADAに基づいた権利を守るための相談、
医療機関からの配慮についての相談、などなど。
それって、すごい大切な窓口だと思う。
全米で、ADAセンターは10ヶ所しかなくて、
私たちが話を聞かせてもらったセンターGreat Lakeは
6州カバーしてるんだとか。
でも、コアスタッフは5人!
えぇ!?5人で6州をカバー!?
連邦政府からの予算の中で、
自分の下にスタッフを雇えるらしいけど、
それにしても少なすぎないか!?
スタッフは、「ADAセンターやりたいでーす」
っていう応募者の中から、
それぞれが持っている経験や経歴を見て、
連邦政府が選出するんだとか。
興味深かったのは、
ADAセンターは、正しくADAを知るための相談窓口であって、
権利擁護団体ではない、ということ。
例え話として聞いたのは、
自力でドアを開けることが難しい車いすの人を雇用する際、
自動ドアを付けなければならないか?と相談された場合、
お金のある企業だったら、
当然自動ドアを付けた方が便利だということは分かっていても、
ADAには「自動ドアを付けなければいけない」とは書いていないので、
「自動ドアを付けるべきですよ!」とか言っちゃダメで、
「いいえ、付ける必要はないですよ。」と答えなければならない。
常にそういう葛藤はある、とのこと。
それから
「ADAでこうしなさいと書いてあるからこうしてください。」
というだけではなく、
ADAの背景、なぜADAができたのか、
という理由までちゃんと説明することで、
相談者の価値観を一気に変え、
自発的に、エレベーターのボタンの位置はどこがいいか、
廊下の幅はどれくらいがいいとか、
考えてくれるようになったりもする、という話も、印象的でした。
ADAセンターからいろいろな事例が届いて、
運動につなげていくのがCILっていう感じなのかなぁ。
地域生活の話では、PA(パーソナルアシスタント)を使いながら
生活している人たちについての話が少し聞けました。
ここでまずどーんとインパクトがあったのは、
24時間のPAサービスはほとんど出ないため、
介助が必要な人は、地域にはほとんどいない、
施設に入れられる、ということ。
え〜!シカゴでもダメなの〜!
呼吸器ユーザー、地域にいないんですか?と聞いたら、
いるけど、PAサービスは多くて1日10時間程度。
それ以上は親や家族がケアしている、ということ。
家族が面倒見られなくなって、自費で介助者を雇えなければ、
必然的に施設しかないんだねぇ。
もちろん州によって環境は違うだろうけど、
地域生活保障も、地域格差があるのは日本と一緒だ。
あと、アメリカのPAの仕事は、
家事のお手伝いさん、みたいなイメージがあるらしく、
簡単な仕事だと思われているみたい。
入浴介助とか、ややこしい大変な仕事が入ってくると、
辞めちゃう人も多いとか。
そんなこと言ったら、呼吸器の操作、とか、
絶対やってくれなそう。
NCILの会議であったサラが、
呼吸器の必要な時間は看護師が入ってる、って言ったのは、
そういう背景もあるのかも。
アクセスリビングを見学して思ったこと。
やっぱり、重度の障害者はいないなぁ、ということ。
みんなバリバリ仕事ができる人ばっかり。
アメリカでは、仕事につける障害者はqualified individualだから、
必然的にそうなるんだろうけど、
やっぱりアメリカは、重度障害者と、
バリバリ動けてがんばれる障害者との間の壁は
大きいような気がしました。
最後に、ビルの屋上テラスでレセプションがあり、
19時にプログラム終了。
その後、今回のADAツアーの参加者のとっしーと、
ADAツアーに台湾から参加しているリンちゃんと、
チャンユーと、リンちゃんの友達で、
アクセスリビングに出入りしているサンディとで、
近くのスペイン料理やさんに行きました!
パエリア美味しかった!
ホテルに戻ったら、問題のお風呂!
実はとっしーの部屋にはバスタブがあり、
でもとっしーはバスタブがいらない(むしろ邪魔)で
シャワーがいい、ということだったので、
お風呂を貸し合いっこすることに。
でも、シャワーチェア、ちゃんとリクエスト通ってるかなぁ?
フロントに聞くと、すぐに運びます!と。
良かった良かった。
部屋でシャワーチェアーを待っていると、
コンコン…。
ガチャ…。
Hi!シャワージェル!!
もう…誰かこの人をクビにしてください…。
シャワージェル限定担当なのかお前は…。
でも、実はもうお風呂場にシャワーチェアー
届いていたことが判明し、
無事、とっしーとお風呂交換して入浴コンプリート。
Facebook書き書きして就寝。