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WANDERLUST

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2002年から04年、アジアに行って見て聞いて、嗅ぎ食べ感じて考えた。そして12年を経て、再びアジアを巡る日々。
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乳香のかほり

乳香のかほり

(オマーン旅行記2)

この時期のオマーンは暑いと聞いてはいたが想像以上で、高い湿度のせいで吹き出る汗が、背負っていた鞄にまで広がっていた。

予約もせず、行き当たりばったりで向かった宿は海沿いで、中心街からはやや外れた位置にあった。空港からタクシーは使わず乗り合いバスで中心地まで向かい、乗り換えて宿の近くまでやってきた。

土曜の夜、ラマダンも明け平穏を取り戻したマスカットの街は意外なほど静

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砂漠に降った雨

砂漠に降った雨

(オマーン旅行記1)  

灼熱42度、ニズワという観光地から首都マスカットへの帰り道には、乗り合いのタクシーを利用した。マスカットまで所要2時間、2.5リヤル(約750円)とのこと。  

乗客は既にもう2人いて、バングラデシュからの出稼ぎで役所に書類を出しに行った帰りという青年と、英語を話さないためか無口のパキスタン系の中年男性が車の傍らで待っていた。3人目の乗客としてその輪に加わった。  

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Cape Comorin, Kanyakumari, India 2004

Cape Comorin, Kanyakumari, India 2004

聞いた話、人は死ぬと少し体重が軽くなるらしい。つまり、想念には質量がある、ということ。

人並みなのか多いのか、いろいろ悩みごとがあって、そのせいで疲れてイライラすることがある。非日常であるはずの旅先でも似たようなもんで、腹の奥がカッカする感じが続いて本当に気分が悪い。確かこの時も、そうやって歩いていた。

突然のクラクションに驚いて顔をあげてこの笑顔を見た。何かが、背筋からふっと立ち去る感覚があ

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