見出し画像

なくなる。

今がなくなっちゃうのが怖いのだろうか。
一人暮らしをしていたとき、自炊をしても食べたらなくなってしまうのが悲しかった。当たり前のことではあるけれど、悲しかった。

母は、食べている間にも「次何を食べよう」と考えてしまうと言っていた。食事だけじゃなくて、どこかへ行ったときも「次はまたここ行きたいな」と考えるらしい。
えびは一個一個丁寧に見てるからだよ、と言ってくれたけどもうちょっと長い目を持ちたいなと思った。
それが終わってしまう悲しみに暮れるより、次はどうしよう!とワクワクしたい。

今もそうだ。早く外に出なきゃ、世話をかけてはいけないから頑張らなきゃと思う頭の片隅に、この安心できる生活が終わることが怖くて辛い。
一歩踏み出すには何か犠牲にしなきゃいけないことも、自分が変わらなきゃいけないこともわかっている。でもどうしても怖い。
知り合いは何人かいるけれど、全く新しい環境で一人ぼっちでちゃんとできるんだろうか。学校みたいにすでに周りに誰かいる状況でもない。アルバイトも病院も美容室も、自分だけで探さなきゃいけない。
許可がほしい。自分一人で決めるのがずっと苦手で、何をするにも許可がないと怖い。少しずつできるようになってきたけれど、意志をもつことは心が痛くなる。責任から逃れたいのかな。怒られるのが怖いのかな。

どんな家に住みたいとか、どんなものが食べたいとか、どんな服が着たいとか…そういう自分を出すのがなかなかうまくできない。
というより、わからないのだ。何したいのか。したいより自分の能力に見合ってるかどうかで決めてしまう。大体見合ってないと判断して、何もできなくなる。
気持ちを伝えるのも怖い。メールやLINEで言葉を紡ぐのも、本当にこの言葉選びが合ってるのかずっと不安になる。できる限り角を丸くしたくて、どんどん長文になる。それはそれで気持ち悪いかもしれない…と思っている。申し訳ない。

こういった悲しみとか痛みとか、ちょっとずつ大丈夫にしていきたい。
どうしたらいいのかわからないけれど…
自分の気持ちにまっすぐいたい。伝える前の吟味には時間がかかるけれど、自分の気持ちを大事にできたらいいな。悲しくても、次もあるよって思えるように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?