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店の新規オープンは60点でOK?物と情報の【整理整頓】がポイント

僕が最初に「整理整頓の定義」を教わったのが、
一番最初に働いた飲食店の店長からだった。

  1. 要らないものを捨てる

  2. 場所を決める

  3. 使ったら元に戻す

一番最初の「要らないものを捨てる
が、僕にとっては目から鱗だった。



僕は飲食店の新規開業を、
合計7店舗経験している。
全て責任者として。

飲食店のオープニングは毎回痩せる。
それほど激務だ。

お客様入っていないのに。
と思われるかもしれないが、
飲食店のオペレーションを一から作り、
周知徹底となると、かなりカロリーが高い。

既存の店舗なら、OJTの教育で徐々に慣れさせる事が出来るのも、
新規オープンではそういう訳にもいかない。
期間が定められた中で、全てのスタッフを、
一定のレベルまで揃えなくてはならない。

そして責任者である自分が、概ね独りで教育に当たる。
皆が定時で退社した後に、翌日の研修の準備や、
オペレーションやシステムを組みあげるなど、
諸々の業務が待っている。

僕は泊まるのだけは嫌だったので、
必ず終電で帰っていたが、
睡眠時間は毎回3時間未満だった。

チェーン店の新規オープンが諸々パッケージで、
マニュアルはもとより、厨房のレイアウトまで全て決められているのは、
すぐに運営を軌道に乗せたい背景がある。

最初の三店舗くらいまでは嬉々として
「よーし!イチから作るぞ!」
と、僕も意気込んだものだが、
段々と、またかー。と思う様になった。笑


整理整頓とは前述の通り、
先ずは「捨てる」ところから始まる。

それは捨てる「」が無いであろう、
お店の新規オープンでもそうだ。
言い方を変えれば「必要な情報のみ残す」だ。

同じ会社の店舗ならあるあるだが、
既存店のクオリティを新規オープンにも求める。
それは、お客様からの期待値もだ。

全てのスタッフが既存店からの移籍なら可能だ。
一度だけ移転での新規オープンがあったが、その時はスムーズだった。
物の場所さえ間違わず無意識に取れるなら、
スタッフ同士は阿吽の呼吸で、次の手がお互いに見えてる。

お互いのレベルをまだ知らない者同士かつ、
物の場所もおぼつかないなら、それはムリだ。

なので、オープンに漕ぎ着けられる様に、
責任者として「捨てるところ」を決める。

そう言うとイメージ悪いだろうけれど、
オープン時に100点なんてもっての外。
本音を言うと80点すら怪しい。

なので僕は60点を目指していた。
すなわち、

お客様を極力待たせる事なく物がちゃんと出て、
スタッフが次に何をやればいいのか分かっていて、
手持ち無沙汰でぼーっと立っていることのない状況

のみだ。


情報の整理整頓こそ、一番最初に行う

オープン日までそれぞれがなすべき事を明確にし、
それぞれのポジションにおけるタスクを覚えさせる。

前述の手持ち無沙汰は、リーダーが事前に教える、
情報の整理整頓ができていないから起こる。

なので、プラスアルファは一切行わずに、
・物の場所の周知と使ったら元に戻す躾
・オペレーションに必要なタスクの整理
だけ徹底して行う。

夢と希望に満ち溢れた新規スタッフは、
日々繰り返される同じことにウンザリしてる様子もあるが、
いざ始まってみると、予想外の事が次々に起こる。
余裕かましている人ほど、次に何をやるべきか分からなくなって、オープン当日にテンパっている事が多い。

商品知識や諸々の技術は、一応形だけ教えるが、
全てが新しい事をするにあたっては、
人はマルチタスクにはなれない。

中にはこなす、要領のいい人もいるが、
それはボーナスだと思っている。
シングルタスクで、必要なことのみフォーカスさせる。
これが一番大事だ。

しかし、60点を目指して当日60点満点でも、
当然赤点なので、お客様の満足度は低い。
なので二度と来ないレベルにはならない様にした。
責任者の役割は、お客様のフォローのみに徹する。

営業中に見えた課題は、落ち着いた後か翌日に持ち越す。


要らないものを決めるのはしんどい

情報の取捨選択は、経験値で培われる。
僕が前述のように何を捨てるか?が分かり始めたのは、
オープン当日に何度も失敗しているからだ。

僕が、新規オープンはもういい。
と言うのはそこにあって。
「60点で上出来」と気持ちを切り替えるのも、
実はなかなかしんどい。

店は立ち上がってから育てていくものだと思う。
そして終わりがない。

最初から100点を目指さずとも、
ずっと100点を目指し続ける日々が待っている。

だからオープン日の営業では、もう一度繰り返すが
二度と来ない。という結果だけがダメで、
何か物足りない。は、責任者の対応で何とかなる。

僕は全客見送りに行き(ガス抜きの意味合いもあって)
ご意見を聞きながらペコペコしまくっていた。

華々しいオープン日の営業の裏側は、
そんな泥臭さから成り立っている。

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old rookie (50歳無職|職業訓練でWEBマーケティングを学ぶ)
あざっす!コーヒー飲ませて頂きやっす! (揉み手)