QSCA構築において必要なことは Vol.1

僕が好きなnoterのahiragaさんは、毎日更新されている。
なんと連続投稿1700日を超える(!)。
とてつもない継続力&創作力だ。

かつ、毎日勉強になる。というとてもお得なnote。凄いの一言である。
その記事中で、懐かしの言葉に出会った。

「QSCA」とは、

Quality(品質)

Service(サービス)

Cleanliness(清潔)

Atmosphere(雰囲気)

の英語の頭文字を取ったもの。

外食産業で大事なのはQSCAより

飲食店で管理職をしている人は、
このQSCAを基準に色々査定をする事もあれば、
やるべきことの見える化として活用もする。

僕が一番最初に飲食店のホールに携わったのが、
東京某所にあるカジュアルレストラン。
200席を超えた大箱店舗だった。

この会社で僕は飲食のイロハを学んだのだが、
特に思い出深いのは、キッチンにもホールにも、
行動に関わる標語集があった事だ。

キッチンの料理品質の基準って何?
ホールのサービスクオリティの基準って何?
この二つに限って、言葉にされていた。

そして、キッチンホールそれぞれで、
朝礼、昼礼、終礼それぞれで、唱和が行われていた。

例えばホールだと、18大行動と言われた、

絶対Noと言わない
お客様の気持ちを汲み取る
お客様とすれ違う時は立ち止まって道を譲る
お客様に絶対背を向けない
・・・etc

のような文字通り18からなる行動指針だった。
毎日唱和することにより、行動レベルまで落とし込む教育になっていた。

同じ様にキッチンのクオリティを保つための行動指針として、

絶対美味いものを作る
素材が命、悪いものはつき返す
・・・etc

のように、具体的でないものと、具体的なものが混在していたが、心構えを良く説いた内容だったと記憶している。
(僕はホールだったのでイマイチ思い出せない)

要は、毎日言葉にする事によって、
在り方を教育」していた。

全員で唱和するという事は、お店のルール(法律)になる。
その行動指針から外れた行動は、皆から見られているので、指摘される。

その緊張感こそが、いい仕事に繋がる。

僕はこれが品質とサービスの向上において、
行動指針を現場で浸透させるために、
最も重要だと今も思っている。



かつその会社では、面白い試みで成功を収めていた。
それは、アルバイトにとっての給料、
すなわち自分の時給は自己申告制」によって、
賛成多数で勝ち取る仕組み」だったことだ。

毎月、店舗全員での会議が行われて、
その会議の中でアルバイトが自分の時給を、

〇〇が出来る様になったから、
時給を〇〇円上げさせてください。

と申告し、そこで仕事ぶりが見えていない時間帯の人達 (*) のために、後援者のコメントがある。
それを踏まえて、賛否を問い、賛成多数だったら時給が上がるという仕組みだった。
(*=当時営業時間は11:30~翌朝5:00までだった)

その背景には、社長が言った言葉が最も理に適っている。

人が人を評価することはできない。
人が納得するのは、全員からの評価が一番公平だと思う。

と言っていた。
なので、前述のアルバイトの時給も、
例えばアルバイトが社員になる時も、
その社員がアシスタントマネージャーになる時も、
アシスタントマネージャーが店長に立候補するときも、
まずは店舗の全員の評価ありきだった。

上記の全てを僕は通過して、アルバイトから店長候補になった。
そして、店長になれるかどうかは、最終的に店長会議へ出席し、
全店店長の決を取り、賛成多数なら店長になれる。

そのどの評価の場所でも、前述の行動指針に則って、それぞれが評価を下す。

なので、行動指針がルールとして浸透する一つの要因になっていた。



僕が店長になる採決の時も、店長会議で質問されたのは、
行動指針についての内容だった。
その回答で、当時の店長たちからの信任を得れた。

行動指針についての解釈を、
全店の店長に回答するように、
本社から問いかけがあったこともある。
全員の店長の解釈を見ることが出来て、
かつ、共有することが狙いだった。

余談だが僕はその回答をしたとき店長ではなく、
アシスタントマネージャーだった。
店長が、お前回答してみろ。と機会を与えてくれた。

その時の回答が店長の皆の印象に残ったからこそ、
店長会議で僕の「決」はスムーズに賛成多数になったと思っている。



QS=品質とサービスは、
上記のように全体がルールを共有し、
しっかりとした認識で成り立っているときに、
保たれると思っている。

お店の品質とサービスのクオリティで悩んでいる方は、
店(会社)にとって大事にする「行動指針」を決めることが、最も重要だと思う。

そしてそれを、実際の行動レベルまで落とし込んでいくこと。
この行程が最も大変だと思うが、文化として根付けば、
しばらくは自動で働き続ける教育システムとなりうる。

時給の自己申告制はともかく、
行動基準の選定と唱和は、続ける覚悟さえあれば、
是非試してみる価値がある。


C=清掃と、A=雰囲気のおはなしに続く。

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old rookie (50歳無職|職業訓練でWEBマーケティングを学ぶ)
あざっす!コーヒー飲ませて頂きやっす! (揉み手)