ミシュラン・ガイド 2025発表〜新たなる道標と未来の話
さる10/17に発表された、
ミシュランガイド東京2025
大きなサプライズが一つあった。
サービスマンにとって、新たな道標が生まれた。
遂にソムリエにもスポットライトが
それが、
ソムリエアワードである。
ソムリエアワード
初代受賞者は「エスキス/ESqUISSE」
総支配人 若林英司さんだった。
食事と飲料のペアリングという、
料理を活かした表現を行うには、並大抵の経験と知識では成し得ない。
そういった意味でも、当然存在して然るべき賞だと思う。
世界的にはソムリエコンクールもあるが、
一番顧客にとって意味があるのは、
そのお店での料理とのペアリングである以上、
なぜ今までなかったのか?と言いたくなる。
ミシュランはあくまでも【料理】の評価本なので、
料理人にフォーカスされるのは至極当然だが、
レストランの運営に携わってきた自分としては、
料理とサービスが両輪で、はじめて素晴しい時間を演出できることを知っているので、
繰り返すが、こうした賞が増えることは大変喜ばしいと感じている。
そして、ご存知かもしれないが、
サービスアワード
というカテゴリーも存在している。
2021年から新設されたジャンルで、
初代受賞者は荒井さんだった。
2022年受賞は、夫婦で営まれる「傳」の女将の長谷川さん。
受賞者の中で、唯一の和食。
2023年、初めて男性が受賞。尾﨑さん。
そして今年は、
「スィークル/CYCLE by Mauro Colagreco」
総支配人 安井理恵さんが受賞された。
しかし・・・4分の3でフレンチである。
ミシュランという媒体(国)の影響もあるのかもしれないが、偏りすぎな気もする・・・
しかし、こうした賞は、サービスに携わる人たちの、
一つの目標ともなり得るのではと思い、
もう少し受賞者が増えると良いなぁ。
という気持ちを含めつつ、喜んでいる。
やがてサービスに携わる人たちにも、
星が付くような未来があるかもしれない。
もちろん、料理がチームとして評価されているように、
お店のサービスを取りまとめるマネージャーや、
支配人が受ける、星である。という意味で。
料理もサービスも、両方三ツ星なんて快挙なお店が生まれる可能性もある。
世界に名だたる美食の街、東京
東京は、ミシュランガイドがある世界の街の中で、
最も多い星の数を誇る。
世界4大都市と言われる、
東京、NY、パリ、ロンドン。
(ちなみに上記の順が、人口の多い順)
そして何より、日本の都市がTOP5に3つも入っているという事実が、
食が日本の観光産業たる所以であり、文化だと言える。
文化が廃れていく?
その文化が、危機に瀕し始めている。
僕が好きなNoterさんの記事で、以下の内容があった。
これからの未来を考えさせられる内容が多く、
いつも勉強になります。(ペコリ)
と、感謝を述べておいて・・・
読者も多い方なのでご存知の方ばかりだと思うけれど、
もしご存知ない方は、是非読んでみて欲しい。
ものすごく頷いた内容であり、
体感としても感じていたことだが、
もし、お店を売却する方々が今後増えた場合
(多分増えるんじゃないかなと思うけれど)
どのようにして文化を育んでいくのか?
その事実と向き合わなければならない分岐点に立たされている。
料理人はアーティストである。
という前提で考えれば、
やはり自己表現するためには、
独立をすることになるのが自然の流れだろう。
とすると、
今後ミシュランの星は減ることはあっても、
増えることは厳しい時代に向かっていくか、
もしくは、規模の小さいお店が乱立するか。
ミシュランの新しい賞が生まれたことを喜びつつも、
前途を考えると憂う気持ちも生まれた。
観光資源がこれからも不可欠な国である以上、
前途有望な若者たちが、この文化を紡いで行く下支えが、
出来る様になっておかなければならないと感じている。
前述のミシュランには、もう一つアワード(賞)がある。
メンターシェフアワード
という賞だ。
今回は、
「鮨 かねさか/Sushi Kanesaka」金坂真次氏
が受賞された。
素晴しい賞だと思う。
僕も微力ながら、お世話になった飲食業界への恩返しを、
何かしらの形で行っていきたいと思う。