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ホテルマン時代に出会えた、たくさんの著名人の方々の中で、忘れられない人

僕は昔ホテルマンだった。
ベルボーイという部署に配属になった。

ベルという役職は、数多の著名人と接することができる部署でもある。

当時一世を風靡したタレントの皆さん、
アーティスト、ミュージシャンの皆さん、
海外の俳優の方、スポーツ関係の方、
経済界の方、政治家の方、作家の方、音楽家の方。

本来は語ってはいけない事もあるけれど、
もう時効なので、大丈夫なものだけ書いてみたいと思う。

かれこれ30年ほど前のことなので、許してください。



当時メジャーリーグに野茂さんが行った直後だったか、
日米野球でサミー・ソーサが大阪に来たことがある。

40代以上なら知る人ぞ知る、
メジャーリーグのホームランバッターだ。

先日、大谷翔平が400塁打を達成した時に、
上位に入っていた416塁打のサミー・ソーサの名前を見て、
思い出したのがこの記事の切っ掛け。

彼は宿泊時に、出かける前にホテル内の中華で食事をした支払いを、
僕が専用運転するエレベーター内で会計係に支払おうと財布を出した。

漫画か!と言いたくなるような財布の厚み。
きっと中指縦一本分くらい札束が入っていた。
しかもそれが入る財布。(笑)

そして指という指にゴージャスな指輪たち。
バブリーだった。(笑)

クレジットカード持ってるやろ。
と思わず突っ込みたくなったが、
あらためてメジャーリーガーってすげえわ。
と思わされた一幕だった。



もう二人、嬉しかった人。
それが、
ハリソン・フォードと、通訳の戸田奈津子さんのコンビだ。

当時、ブラッド・ピットと共演した映画、
「DEVIL(邦題)」という映画で、日本に舞台挨拶に来ていた。

ハリソン・フォードが大阪で、
ブラッド・ピットが東京だった。

戸田奈津子さんは、当時ほとんどの米映画の翻訳をされていた方で、
とんねるずのTV番組で「戸棚津子・・・・」とパロディされていたほど有名な方だった。

スターウォーズファンの僕にとって、
【ハン・ソロ】が目の前にいることは、
信じられないくらい嬉しかった。

肌がとても赤かったことだけ鮮烈に印象に残っている。



僕は芸能界の方にはさほど興味がなかったが、
とてつもなくカッコいい!
と思わされた方が一人いる。

故 宇津井健さん

である。

はじめてお目にかかったその時、
テンガロンハットにウェスタンブーツ、
ウェスタンシャツと、ジーンズ。
まさにカウボーイのいで立ちで。

でも、それが不思議なくらいハマっていた。
後に調べれば、本当に筋金入りの馬乗りだったことが分かった。


しかし、宇津井さんが本当にカッコよかったのは恰好ではない。
僕が感銘を受けたのは、その姿勢だった。

たかだか20そこらの若造である僕に敬語で接し
そして「エトセトラ」としてではなく、
きちんと「サービスを行った僕」に対して、
敬意を示してくれた。

最後にしっかり「ありがとう」と言われた時の笑顔は、
生涯忘れられないくらい、まぶしかった。

「俳優が年齢に流されて年老いてゆくのは良くないことだ」

「自分を常に発展途上にしておきたい」

「役者は常に死ぬまで人に教わるもので、進歩しない役者は意味のない存在だ」

wikipediaより

そんなカッコいい言葉を紡がれた宇津井さん。
その言葉の裏打ちが、接してもらった際に見た、
姿勢と笑顔だった。

座右の銘は「才能の器は小さい、努力の器は大きい

歳を重ねて尚、首を垂れる。
僕にとってその象徴の様な方だった。

そのカッコよさに感銘を受け、
かく在りたいなと思わされた、
僕にとって今も尊敬する方だ。

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