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【今のうちに知っておきたい】新時代のハラスメント

「頑張りが足りないんじゃないの?」「もっと人と関わった方が良いよ」
このような発言をされ、傷ついた経験のある方もいるのではないでしょうか?
実はこのような発言は「エフォハラ」「イミュハラ」に当たると考えています。
この単語の意味やその背景も含めて私の考えを紹介していきます。

1.「エフォハラ」「イミュハラ」って何?

早速ですが用語の説明をします。

エフォハラ(effort harassment)
:頑張れない人に対して、頑張るように言うことです。
例:「もっと頑張ってよ」

イミュハラ(immunity harassment):免疫が悪化して本能的に人を避けてしまう人に対して、人に関わるように言うことです。
例:「人と関わった方が良いよ」「何で人と関わらないの?」

※これらの単語は一般的に使われているものではなく私が作成したものになります

「頑張れない人」「本能的に人を避けてしまう人」とはどのような人かを次の章で説明します。

2.「頑張れない人」って?

頑張れない人になってしまう背景は色々ありますが、今回はメジャーな要因を3つ紹介していきます。

 学習機能の低下

BDNF(brain-derived neurotrophic factor):脳由来神経栄養因子
ストレスによって、BDNFという「脳由来神経栄養因子」が少なくなります。
BDNFは以下の図のようなニューロンを成長・結合の再構成をするために必要な栄養のようなものです。

画像出典:ニューロン|

ストレスでBDNFが少なくなると、ニューロンとニューロンの結びつきが増えにくくなるため関連付け能力が低下し、学習効率が大幅に低くなります。
学習効率が低下すると頑張った分の成果が出なく、学習性無気力に陥りやすくなるため次の行動に結び付きにくくなります。

 脳内伝達物質の乱れ

脳内伝達物質の乱れにより、疲れを感じにくくする機能が低下します。
疲れを感じにくくする機能の分かりやすい例としては、「徹夜で仕事して疲れてたけど、途中から逆に元気になった」みたいな感じです。
このような機能が低下すると「貴重な体力を温存しよう」という本能が働き行動力が大幅に低下します。

また、脳内伝達物質であるドーパミンが少ないと行動に見合った刺激が得られず、次の行動に結び付きにくくなります。

 自律神経の乱れ

自律神経が乱れると「常に心が休まらない」「体が緊張し続ける」といった状態に陥ってしまいます。
そのような状態が長期化すると以下のような状況に陥ります。
・休んでも疲れが取れない
・些細なことでストレスを感じてしまう
このような状況が続くと、「行動してもストレスを感じるだけだから、何もしないでおこう」と考えて無気力な人間になってしまいます。

3.「人を避けてしまう人」って?

人間の本能として、病気になった際に仲間に移さないように人を避けるという本能があります。
本来なら良い機能なのですが、ストレスによって免疫が暴走すると、
「免疫が暴走しているのは病気になったせいだから、人と関わらないようにしよう」
と勘違いして働いてしまうこともあります。

そうすると、人が嫌いな訳ではないのに人を避けてしまうといったことが起こってしまうのです。

4.良くある失敗パターン

パターン① 「頑張れない人」ではない人と比較する

「頑張れない人」ではない先輩や同期の頑張りを見て、自分も同じように頑張ろうと思ってしまうと…
同じだけ頑張ることができず、「自分はなんてダメなんだ」と自己否定することになったりします。

パターン② できない仕事を引き受ける

単純作業はできるけど説明はどんなに頑張ってもできない人のケースで説明します。
この人が熱心に単純作業をしているのを見た上司が、「頑張ってるから成長に繋がるようなタスクをやってもらおう」と思い高難易度タスクを渡すと…



引き受けても能力的に頑張ってもできないため、「頑張っているけどイマイチ結果が出ない社員」というレッテルが貼られます。
そして、信頼も失い疲労だけが残るという悲しい状況に陥ってしまいます。

※補足
高難易度タスクを任される背景には「(価値を感じるものがあると)脳内伝達物質が一時的に改善されるので、それを見た人が勘違いしてしまう」というものがあります。
恒常的に脳内伝達物質が乱れていない人が理解するのは困難で、双方が悪い訳ではないという部分が難しい部分になります。

5.簡単な対処法紹介

重要なのが「他人と比較しない」「自分の体力に見合った仕事を選択する」の2つです。

 他人との比較を辞める

「あの人はこんなに頑張ってるんだから自分も頑張らないと」と思い、自分のキャパを超えたタスクを行うとかえって効率が下がります。

対策としては、
・他人と前提条件が違うことを意識する
・自分の中でタスクに対する基準を設定する
などがオススメです。

 自分の体力に見合った仕事の選択

仕事を選ぶ際に体力に見合うようなデスクワーク等を選択するのがオススメです。
また、自己紹介の際に「人付き合いが苦手」「マルチタスクが苦手」と予め伝えておき、予防線を張るとストレスが減らせます。

これらは対処療法なので、並行して充分な休息や散歩などの運動を継続的してベースの能力を高めていくことが重要です。

まとめ

 今日のポイント

1.「エフォハラ」「イミュハラ」の説明
・「エフォハラ」は頑張れない人に対して頑張るように言うハラスメント
・「イミュハラ」は人を避けてしまう人に対して人との関わりを要求するハラスメント

2.「頑張れない人」って?
頑張れない原因は3つある。
学習機能の低下・・・ストレスによって関連付ける能力が低下し、学習効率が大幅に下がる
脳内伝達物質の乱れ・・・疲れを感じにくくする機能が低下すると、貴重な体力を温存しよう」という本能が働くため行動力が大幅に下がる
自律神経の乱れ・・・自律神経が乱れると常に心が休まらない状態になり、休んでも疲れが取れなくなる

3.「人を避けてしまう人」って?
・免疫が暴走しているために、人を避けるという本能が働く
そうすると、人が嫌いな訳ではないのに人を避けてしまうといったことが起こる

4.良くある失敗パターン
パターン① 「頑張れない人」ではない人と比較する
パターン② できない仕事を引き受ける

5.簡単な対処法紹介
他人との比較を辞める・・・他人と前提条件が違うことを意識するのが重要
自分の体力に見合った仕事の選択・・・体力を一番の基準にして考える
長期的に解決するために・・・充分な休息や散歩などの運動を継続的する


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