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天使と音楽の話③/シナリオ担当の「なんか違うな」で振り回されるイラストレーターの姿

エベレスト食肉センターです。

二番の話をしようしようと思っている間に時間が経ってしまいました。
ちょっと忙殺されていて……何もできない――間にも、たくさんの方がプレイしてくれたり、実況を見てくれたりして、二番を愛してくれました。
ありがとうございます。

というわけで今日は二番の話をしようと思います。
今回はネタバレを含みます。

またどうしても僕の解釈が入ってしまうので、読まずに楽しみたい人は読まなくて大丈夫です。
あくまで僕が書いているときに考えてたことにすぎないので、あなたの正解はあなたの中だけにあるということで宜しくお願いします。
著者の解釈なんかどうでもいいからね、本当に。


そういえば音楽の話をしていなかった

二番の天使が出たら話します、と言っていたのにすっかり抜けていました……しばらく別の制作にかかりきりになりそうなので、聞いて楽しみにしていただけたら嬉しいです。

前回に引き続きですが
※XほかSNSやYouTubeなどで「この曲がイメソンらしい」等は絶対に言わないように注意してください!あくまで個人のお気に入り曲!くらいの感じでお願いします!何卒よろしくお願いいたします!
迷惑をかけたくないのでこれだけは……よろしくお願いいたします。

二番の天使登場前のちょい出しはこちら

一番の天使について追記した記事はこちら

以下、二番の天使を作るときにインスピレーションを得た曲です。

痛みを束ねて、光りがつらぬいた果てまで
連れて行ってくれ、エウレカ
君がすべてなんだよ、エウレカ
その最後の最後の最期に 見えた世界が美しく在るように
そう、願っている

なとり「エウレカ」

一番のときはいろいろと聞いていましたが、二番はほぼこの曲のリピートで書いていました。公開前には言えることがなかったんですが、公開後もとくに言えることがないな……
『君がすべてなんだよ』という気持ちで書きました。すべてを。

アタシは孤独じゃない
全く孤独じゃないと 分かっても決して消えない愛の飢えを
アナタに騙されたい 全く騙されたいの

syudo「孤独の宗教」

二番を書くときに重視したことが『一番よりもちょっとだけ男らしい感じがすること』なんで、syudoさんの男らしさに若干頼っていました。笑
これは新情報でもなんでもなく絵の話なのですが、二番は一番よりちょっとだけ大きく、ちょっとだけ体格もいいです。
そして多分ちょっとだけ男らしい、と思います。

ろくでもないのさ、ユーエンミー
気づけば、毎日アンハッピー
見つかっちゃったら、バッドエンディング
今でも、僕らスリープウォーキング

なとり「Sleep walk」

一番が『選ばれるために』生きていたのとは違い、二番は自分が二番であるということに諦めがあるように思います。それなのにあなたに見つかってしまったことで、欲が生まれてしまって、それがBADENDに繋がってしまう。
見つからなければ何も思わず死ねたのにね、そういうことを考えていた。

……まあでもめっちゃエウレカ聞いてたな。
作品の雰囲気はやはり一番が作っていると思うので、一番の曲が天使の匣庭の曲ではあると思います。だから引き続きよく聞いてた。

正直言って二番は大迷走していた

設定資料集に書こうかなと思っていたのですが、設定資料のページを割くにはくだらない話なのでここでさせてください……
僕がやらかした話よりもみんな今の二番の話が読みたいと思うんで……

ゆけ!大迷走の歴史!

初期ビジュアルです
タイトル画面もなんか……こう……こんな感じ……(製品版でこういうの使う予定)

最初は綺麗な感じにしようと思っていました!
一番よりもっと女性的なイメージです!
服もアオザイみたいにしようかなみたいな!(没)

でもなんか違うなってなりました!


第2ビジュアルです

次はちょっと三枚目みたいにしよっかなって思いました!
近所の関西弁でしゃべるお兄さんみたいな!

驚いたことにスチルもあります(製品版はこういうスチルがたくさん増える予定)

僕は『うーんなんかやっぱ違うかも』で一枚絵を完全にお蔵入りさせて黙っていられるイラストレーターと組ませていただいていてヤバいなと思います。

でもやっぱ~なんか違うんだよね……!


第3ビジュアルです。

やっぱほら天才ってちょっと少年かなって!
可愛い感じかなって!無邪気かなって!


なんか……天才ってちょっとそういう感じしませんか?
天才、ということだけが僕の中で決まってて……一番天才っぽいのってちょっとおバカな感じかなって。

これでいいなって思った。
だって天才ってこういう感じだし。
これで完成だと。

だからこのビジュアルで、実はシナリオも全部ありました。





……でもやっぱなんか違わない?

ちょっとしっくりこないんだよね……。







うーん、やっぱこれだな。



ビジュアル決定、なんと4月13日でした。


体験版の頒布日は
5月4日なのに!!!!!!!!!!!!!!


……というわけで
「公開まであと3週間ない」という状態から
Live2Dを作り、シナリオをすべて書き直し、プログラミングしました。

喉元をすぎて忘れていましたが、普通に死ぬかと思いました
しかも本当にきわまっていたので、自分が何を思って最終的に二番をこのビジュアルにしたのか忘れました。ごめんなさい。

でもなんか……一番しっくりくるかなって!

荻野月さん(イラストレーター)、
本当にお疲れ様でした。


やっぱりこの二番でよかった!

天狼という名前も、わかりやすくシリウスにしちゃおっかなとかいろいろ考えた


実はキャラクターもかなりぶれていて、初期案のメモには「仮に金魚を飼ったとしたら一日一回撫でてやることが優しさだと本気で思うタイプ」と書かれていました。一番に嫉妬、執着しているとかも。
実は天狼がそう!というわけではなくて、全部過去の話なんですけどね。

話作りとは不思議なもので、正解はわからなくてもボタンの掛け違いは絶対にわかるものだと思う。それを見て見ぬふりすると、リアリティとか味わいが下がると僕は思っています。

だから違ったらシナリオも書き直すし絵も変える。頒布の3週間前でもね!!!!!!!


あんまりこういうこと言いたくないんですが、僕が荻野を雇っていたらものすごい依頼料金がかかったと思うし、荻野が僕を雇っていたら匙を投げたと思います。

「やっぱ変えていい?今のもいいけど、なんか違うんだよね」
「了解」

……で「やっぱ変更」できるのは、クオリティとか、作家性とか、そういう曖昧なものを抜いた爆爆赤青の確固たる強みだと思います。

ここまでの変更ラッシュは本当にもう二度とやりたくない!
――でも「なんか違うな」は、いつでも言えるようにしたいな。

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