![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/128873562/rectangle_large_type_2_58162d1e54fc7a897c9afa07965217b1.jpeg?width=1200)
劇場版『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』感想
(令和6年7月6日 誤字修正)
最高でした…
最っ高でした!!!!!!!!!!!!!!!
あまりにもものすごい映画すぎて整った文章を書くことができないので殴り書きです。
〇発表から18年ぶりの公開
わざわざここに書かなくてもみなさん知ってると思いますが劇場版ガンダムSEEDの発表って2006年(18年前)なんですよね。(当時月刊ニュータイプの表紙にでかでかと書かれてたのが昨日のように思い出せる…)
元々は2007年公開予定だったそうな。
でもいつになっても公開されなかったわけです。(2011年頃にはメカデザインの大河原さんがツイッター等で「劇場版SEEDの新MSのメカデザインはほとんど完成していた」という発言をし一部で話題に上がったり、2014年のSEED DESTINY HDリマスターのBD-BOXにて脚本の両澤氏による書き下ろし後日談ドラマCDが収録されたり、2016年には脚本やシリーズ構成を担当していた両澤さんが病気で亡くなったりとこの間にいろいろありました)
ファンの間では劇場版ガンダムSEEDは幻の作品になっていました。
まぁ企画は立ち消えだろうとみんな思っていたと思います。
2019年に西川貴教さんがお漏らしをするまでは…
僕は今日映画館で観るまで「あの劇場版ガンダムSEEDが観れるなんてこれは現実か? 夢なんじゃないだろうか…」と本気で思ってました。
そりゃそうですよね発表から約20年経ってたんですから。
(どうでもいいことですが自分にとって『月姫リメイク』もほぼこれと同じ立ち位置でした。あっちは2008年に正式発表されて13年後の2021年に突然出ました。すばらしいゲームでした。後編待ってます)
〇キラ・ヤマトについて
僕はガンダムSEEDはリアルタイムで小5の時から見ていました。
同じく小5の時に見たエヴァンゲリオンの碇シンジくんと同じく自分の人生において多大な影響を与えている人物であることは間違いありません。
今回劇場版SEEDの復習で無印SEEDとDESTINYを久々に見返しましたがやっぱり僕はキラのことが好きなんだなと改めて思いました。
今回のキラ、本当に良かったです。
何が良かったって今まで心の中で抱え込んでため込んでいたものを周囲に当たり散らすようにぶちまけていたところです。
SEED DESTINYでのキラは無印SEEDで精神的にボロボロになっていたにも関わらず立ち上がり、「戦争を終わらすことができるがその代わりに「自由」というものがない」というデスティニープランに反対し、議長から「これ以外に戦争を終わらせる方法はないよ? どうすんの?」と聞かれたら「僕は戦う」と強い意志を見せた人物でした。
無印SEEDでフリーダムに乗り換えて以降、キラは泣き言など一つも言わない人物でした。
ですが今回の劇場版ではいつまでも愚かな戦いをする人類に失望や疲れの色を見せたり「戦いでめちゃくちゃ人が死んでるんだけどこれって議長の示したデスティニープランを自分たちが否定したせいだよな?」ということに苦しんだ末に敵の策略によりボコボコにされ、ラクスも誘拐され、ラクスからは裏切られたと感じた時に「もう無理だよ」「もう何をやっても無駄だよ」と今までに見せたことのない泣き言を仲間の前で見せました。シンやアスランやマリューさんなどの仲間に向かって「君らが弱いから!!!」と暴言も吐きました。
これ本当に良かったです。
18年ぶりにキラの新しい一面が見えましたが「自分は今までキラのことをこれっぽっっちも分かってなかったんじゃないのか!?」とマジで思いました。
今まで弱音や泣き言なんて一切言わなかったやつが、18年ぶりに見てみたらそんなことを言ったわけです。そりゃあ感動しますよね。
そしてそんなキラを救ったのは彼だったわけです。
〇アスラン・ザラについて
お前面白すぎるだろ!!!!!!!!!!!
いや~今回のアスランホントすごかった。こいつはホント何をやっても面白い。こんなに何をやっても面白い奴他にいるか? シャアぐらいだろ。
映画序盤、敵の姑息な罠によってキラたちの陣営壊滅、ライジングフリーダム、イモータルジャスティスも完膚なきまでにボコボコにされる。核ミサイルが発射され数万人の人間が死ぬ。22年間沈まなかったあのアークエンジェルでさえも轟沈。
絶対的な状況の中ついにキラにトドメが刺される…!
ここで満を持して登場するアスラン!!!!!!!
なのになぜか赤いズゴックに乗っている…!!
シャア専用ズゴック初登場時オマージュでゆっくりと立ち上がるズゴック…!!!!!!!
いやこんなん笑うだろ…
なんなんだよこいつ…
ここからは真面目な話ですが今回約20年ぶりにガンダムSEED DESTINYを見返してみて一番印象に残ったのがアスランのダメダメっぷりでした。彼は本当に生真面目な人物ですが本当に口下手だし選択(オーブやカガリを守るために焦ったことによりデュランダル議長に体よく使われて勝手にザフトに復帰)も空回りするしDESTINYでは後半にキラと和解するまでグダグダとしか言いようがなかった。(アスランのそういうところ好きですけどね)
今回劇場版の予習復習で関連書籍を読み漁ったのですがアスランの声を担当している石田さんからは「アスランは最後まで何一つ形にできないで終わってしまった。もがいてももがいても結局ものにならずに終わってしまったことがアスランの限界だったのか…。キラやラクスや議長みたいに世界を動かす人ではないということが結果としてつきつけられちゃった。最後に来てガーンと落ち込んだ」と失望に近いコメントを向けられていて非常に印象に残りました。(ロマンアルバム インタビューより)
ですが今回のアスランはキラが諦めの言葉を口にしたときに真っ先にキラをぶん殴って「お前は一人じゃないだろう!!!仲間がいるだろう!!!」 「ラクスはそんな子じゃないだろう!!!! お前がラクスを信じてやらなくてどうするんだ!!!」と彼を立ち直らせました。(ここでキラとアスランが殴り合いになるところが良かったし、止めに入ろうとするシンがキラに「邪魔だ!」とばかりに殴られるとことかホント面白かった)
これほんっっっっとうに良かったです。
SEED DESTINYはうだうだと悩むアスランをキラが救い立ち直らせる話でもあったわけですが今回はアスランがキラを救ったわけです。
確かにアスランは世界を動かすほどの人物ではなく現場で戦士として戦うほどの器しかない人物だったのかもしれません。
でもアスランはキラが諦め、挫けた時に立ち直らせることができる人物でした。そんなすごいことができるのは僕は世界でアスランただ一人だと思います。それはとても立派なことだと思います。
アスラン…お前は本当にかっこいい男になったよ…
そしてやっぱり本当に面白い男だよお前は…
最終決戦、アスランがストライクフリーダムに乗って敵を煽り散らしたり、ズゴックが撃墜されると中からインフィニットジャスティスが出てきたり、敵の思考を読むというコーディネイターを超えた反則的な能力を備えた敵と戦っているのに「実は地球にいるカガリが機体を遠隔操縦をしていて本人はカガリのエロい妄想をしていたり」と本当にすごかった。(やってることがクレヨンしんちゃんとかキングゲイナーとかクロスアンジュレベルだよ…)
本当に面白いやつだよお前は…
あとカガリと結ばれたみたいでやっぱりファンとしてはうれしかったですね。(カガリからもらったハウメアの護り石を大事に持っていたアスランとアスランからもらった指輪を大事に持っていたカガリ…! 本当に良かった…)
〇シン・アスカについて
いやホントお前かわいいやつだな!!!
SEED DESTINYの時のシンは本当に悩んで、苦しんでいたというのが今回改めて分かりましたね。
今回DESTINYを見返してみて思ったのがシンって本当は優しい奴だよねってこと。これは終始一貫してたと。
大人になって種死を見返してみて、シンという人間は「仲間を守りたい。戦争をなくしたい」という優しい人間だったのは一貫してたなと思いましたね だからああいうことになってしまったんだなと
— あばばば (@ebebebe04) January 25, 2024
DESTINYの時のシンは「議長に駒として使われ、ある意味流されてしまった」人物だと思うのですがそれはやっぱりシンが持っている「戦いを終わらせたい」「仲間を守るためにはどんな敵とだって戦う」という優しさがあったからですよね。そんな人物だったからああいうことになってしまった。(シンのそういうところは昔から好きでした)
今回の劇場版、シンの良いところがいっぱいありましたね。
・キラを慕ってキラの真似をしてコクピットを狙わない戦い方をしている←良い
・みんながお辞儀をしたところで「えっここお辞儀するところなんだ!?」って遅れてお辞儀するところ ←シンっぽくて良い(ここ、PVの時点では「相手に不満があってシンだけ頭を下げていないのではないか」と言われてましたが違いましたね。シンはそういうところもあるしやっぱり面白い人物だよなぁって改めて思いました)
・ご飯の食べ方←子供っぽくて良い
・まさかのデスティニー登場。めちゃくちゃ喜ぶシン。 ←お前ホントそういうとこ…
・「この間はジャスティスだったから負けたんだ!デスティニーなら、お前らなんかにっ!」 ←良い…
今回マジで一番笑ったのが高速戦闘故か、機体のシステム故か分身してくる相手に対して
「分身は!こうやるんだァァァァ!!」
とか言ってデスティニーが何十体にも分身したところっすね。
ほんっとに笑った。
デスティニーのミラージュコロイドを使った高速戦闘って作中で言及がないから「本当に敵をかく乱しているのか」「分身しているような演出に見えているだけなんじゃないのか」がさっぱり分からず長年議論されてたじゃないですか。(特にキラやアスランはデスティニーがミラコロを使った残像ダッシュをしても難なく撃退していたので本当に効果があるのか全然分からなかった)
まさかの18年越しに「本当に分身してた」ことが明らかになって本人の口から「本当の分身っていうのはこうやるんだよ!!!!!」みたいなセリフが飛び出すとは思わなかった。マジで度肝を抜かれた。
〇今までのガンダムSEEDと比較して
今回の映画、今までのガンダムSEEDの戦闘力が『100』ぐらいだとしたら『5億』ぐらいありますよね。ほんっとうに度肝を抜かれた。
冗談抜きで僕はガンダムSEEDのことを今までこれっっっっっぽっちも分かってなかったんだなと痛感しました。顔面ぶん殴られた気分です。
この映画が公開されたことで今までのガンダムSEEDシリーズは過去になりました。見終わったときに本当にそう思いました。見てるときに口は半開きになり足がガタガタ震えていました。
本当にすごい映画でした。
この映画に備えて福田監督関連作品である
・『機甲戦記ドラグナー』(全48話)
・『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』シリーズ(全64話+ドラマCD十数時間)
・『GEAR戦士電童』(全38話+ドラマCD3つ)
を今回初見で見たんですが(クロスアンジュは数年前にもう履修済みだったので)そんなのこれっっっっっぽっちも役に立たなかったですね。そんなことで受け止めきれるものじゃなかったんですよ。
サッカーボールが飛んでくるからとゴールキーパーとしてめちゃくちゃ練習して備えていたら50メートルぐらいの鉄球が飛んできたみたいな感じでした。事前に備えてどうにかなるレベルの作品じゃなかったんですよ。
まぁでもドラグナーのキャバリアーが出てきたり、ところどころのノリがクロスアンジュを彷彿とさせたりと予習をしてて無駄にはならなかったかなって感じですね。 やっぱ福田監督がクロスアンジュでベールを脱ぎ捨てたからこそ今回の劇場版があったと思うんですよね。
今回「劇場版SEED観る前にSEEDとDESTINY以外でどれか一つだけ予習するなら何がいい?」って聞かれたら僕は迷わず「クロスアンジュ」って答えますね。というかみんなそうなんじゃないかな。
〇劇場版SEEDのテーマについて
愛でしたね…
いやぁすごかったですよ…
だってあのキラが「ラクスに会いたい…!」とか「愛している!!!!」とか敵に「(僕の武器は)ラクスへの愛だ!!!!」とか言ってたんですよ。
本当にすごいことですよこれは…
もしラクスの片目が潰されて醜いことになっても、喉を切られて一生声が出せなくなっても「そんなのは関係ない!! 僕はラクスを愛しているんだ!!!」と言い放ったんですよキラは。
そしてラクスも遺伝子レベルで運命の相手として定められた男に対しても「私が愛しているのはキラだけです」と貫き通したんですよね。
そしてストライクフリーダムの新型装備を操縦してキラのピンチに駆けつけ、新型ストライクフリーダムが『Meteor -ミーティア -』が流れる中で無双。(これまたビジュアルがすげぇんだ…)
戦いが終わった後すぐに勝手に大気圏に突入しパイロットスーツを脱ぎ捨て二人で全裸で砂浜でキスをして終了。
マジで完敗ですよ… 福田…お前がナンバー1だ…
真面目な話をするとやっぱり愛の素晴らしさを直球に描いてますよね。
アスランとカガリの愛(まさかの事前にキャンペーンでビジュアルが公開されていた発情カガリがガチバレだったという…)、シンとルナマリアの愛(まるでキスをするかのようなデスティニーからインパルスへのデュートリオンビーム照射)、シンを操るための敵の精神攻撃も幽霊となったステラの愛が守ってくれました。
ギャグやコメディとして面白おかしく描いているところもありましたがやっぱりテーマは直球の愛だったなぁと。
〇そのほか印象に残ったところ
・やっぱりドムのパイロット2人死んじゃった…けっこう好きだったから悲しかったな…
・アカツキお前レクイエムすら跳ね返せるのかよ!!!! それでコストがM1アストレイ20機分とかマジすか…
・新キャラのルルーシュの説得力が段違い。こいつがいるから今回のめちゃくちゃなノリが通ったところもあると思う。福山さんの声の説得力ってすごい。
・敵を煽り散らしてレクイエムの照準をこちらに向けさせてオーブの危機を救うキラ。こういう今までに見たことのないキラが見れたのもよかった。
・「思考を読む」という反則的な能力を持つ相手がシンの心を読むと…「戦ってるときに何も考えてなかった!」
DESTINYの時の悲壮感をまとっていたシンはいったいどこへ…(でもたぶんシンって本来こういうやつなんだろうな)
・ストライクフリーダム、インフィニットジャスティス、デスティニーの復活。やっぱりぶち上がる…!(無粋なことを言うとストフリとインジャの新形態はリークされててふたばちゃんねるのスレとかで数か月前から語られてたね)
・『出撃!インパルス』のアレンジ曲が流れながらのデスティニー、インパルスの出撃、『覚醒シン・アスカ』のアレンジが流れながらのラストバトルはぶち上りましたね。映画館の音響で見れてよかった…
・ちょっとファンサービスがすぎるかな?とも個人的には思うんだけどデュエル&バスター改修型がミーティアを使って大暴れは良かったですね。今回ファンサービスがすごい。
・「トダカ一佐直伝の百発百外し」だとか敵がシールドを解除した際にミラージュコロイドを使って突入することを「ニコルの戦法だな」と言うアスランだとかミサイルを先に停滞させておいて時間差で発射する戦法に「戦術バジルール」という名前を付けていたマリューさんとか本当に今までSEEDを追ってきた人へのファンサービスがすごかった。SEEDシリーズを直近で見直して良かったなと心底思えた。(戦術バジルールとか見直してなかったら絶対分からなかった)
〇終わりに
とにかくすごい映画でした。
語りたいことはたくさんあるんですがキリがないのでひとまずこんな感じで。
SEEDやDESTINYが好きだった人は絶対に観に行った方が良いです。
ではでは。