オンラインスナックやバーは成立するだろうか?を、地域の皆んなと考えてみた
先日、宮崎民なら誰もがザワついてしまうような驚くニュースが流れました。宮崎の繁華街「ニシタチ」で既に約120店舗が廃業を決めたというのです。これは全体の(出店数の)1割に相当する数で、営業自粛が本格化してからわずか1週間余りの出来事でした。そしてその晩、地元局のニュース番組では、この120店舗のうち50店舗が廃業届を提出済みだと伝えられました。
「経済への影響を懸念...」そんな言葉を何度も何度も聞いているけれど、懸念している場合ではありません。すでに影響が出て、町の風景は変わり始めています。そのことに改めて恐怖を感じたのでした。・・・でも、その恐怖が少しだけ希望に変わったのは、翌日、宮崎の多くの知人が「自分にできることはないか」って考えてすでに行動している事を知ったからです。気持ちは皆んな同じ。私は宮崎に移住してきたことについて改めて「我が生涯に一片の悔い無し...」と思ったのでした。
さて。ここからが本題です。
実は、知られていないことも多いのですが、宮崎は面積あたりのスナック出店数が日本一と言われています(らしいです!)。「ニシタチ」と呼ばれる繁華街には、スナックをはじめクラブやラウンジ、バー、酒場、バル、専門店などおよそ1200店舗の多様な店がひしめいています。ノスタルジックな雰囲気で、宮崎カルチャーを全身で感じられる場所と言えます。ゆえに、地元民ならずともこのカルチャーはなんとしても守りたいのです。
食事を主体とした飲食店と違い、スナックやバーはお酒が中心。通常営業分をテイクアウトやデリバリーに代替することも難しく、生き残るための術がほぼ残されていない状況とも言えます。そこで巷で話題になりつつある「オンラインバー・スナック」は、本当に実現できるのかを、バーのママとともに実際にやってみて判断しようということになりました。
はじめはママによるインスタライブから始めたのですが、これはママのトーク力と回す力次第。腕があるママであれば、コメント上でもお客さんを巻き込んだり、話題にあげたりと空気感&世界観が作れる!お客さんからしても、いつものバーの景色でママが話しているのをお酒片手に見て聞けるって、一人飲みの来店時に近い感覚が味わえる。願わくば「ママ〜、一杯飲んで〜♪」と投げ銭できるようなシステムがあるとよさそうだけど、色々調べた結果、現状ではすぐに出来なさそうということがわかりました。(著名人やアイドルなどのインフルエンサーであれば話は別)しかし、facebookが近々始める模様。
一方、ZOOMはどうか?常連さん限定で一度開催してみましたが、...結論「やはりZOOMは会議の域を出ない」ということ。個人的な感想ですが、最大の要因は、ホストとゲストの区別がつきずらいことかな。実店舗のスナックも雰囲気的には「もてなす・もてなされる」の境界がとても曖昧かもしれないけど、なぜ成立するかというと、あの「カウンター」があるからだと個人的には思います。でもオンラインだと物理的境界線が存在しない。そのため、ゲストも一時的にホスト的役割を果たさざるを得ないようになってきます。例えば、ほかのお客さんの話を聞くのに表情を作ったり、聞き逃さないよう耳を傾けたり。お店にいれば、他の人が話している間は自分の世界に浸っていてもなんら問題ないけど、ZOOM上ではそうはいかない。どうしても一つの話題で会話が展開されてしまうっていう窮屈さを感じました。最近は、おつまみとオンラインバーorスナックの参加チケットをセットで販売し、売上の補填をする店もちらほら出てきているようですが、一時的ではなく継続していくモデルにするには、いろいろと課題を整理しなければいけなさそうです。
結論、私たちはどうするか?
一つは、インスタライブと物販を組み合わせたライブコマース型を目指すこと。もう一つは、少人数でメンバー構成に配慮したZOOMバー営業を行うことです。前者については、地元の酒屋と協力しBASE上にママセレクションのオンラインショップを開設。ワインやおつまみのセットを販売します。この宣伝をインスタライブの中でも行う方法。後者は、ZOOM参加券+おつまみを販売してクローズドな営業をオンラインで実施する方法。ただし、これはまで有料テストまでは行っておらず、少人数ZOOM飲み会のよりよい運営について実験中です。
いずれにせよ、まだまだ実験が必要!とにかく継続する中で答えを生み出していくしかないと思います。とはいえ、動いてみると色々なことが分かるし、生き残る手段は、知恵を絞った分、湧いてくると感じました。諦めず、止まらず、悲観せず、前を向く。ニシタチよ、永遠に賑わっておくれ...。(つづく)