ちゃまの昔話⑤父との別れ、父と母【2024.8.18】

父と母と僕の3人家族の僕は、韓国へ単身赴任中の父の元を訪れていた。
そんな中、母と僕の帰国の時が近づいていた。
もうすぐまた父の居ない生活に戻ってしまう。そう思うと心の中に寂しさが少しずつ大きくなってくのがわかった。
母と僕の韓国滞在最終日は、釜山港で父と3人でお土産を選んだ。韓国海苔や鉄製の箸を買った。乗船ゲートを通って父と別れる際、父にお別れをするため何度も手を振ったのを覚えている。父は僕らが見えなくなるところまで手を振っていた。僕はゲートを通って小さくなっていく父が涙を拭っているところを見て涙が溢れてしまった。母を見上げると目を真っ赤にして涙を堪えているのがわかった。堪えていても次第に溢れ出した母の涙を見てまだ父と母の中には愛があるのだと改めてわかった。それを見て僕は号泣してしまった。母の涙を見たのはこれが初めてだった。

父が見えなくなり涙を拭きながら『さぁ行こっか。』と振り絞って僕に言った母の言葉は、父が居ない日本で1人で子育てを行う決意と母と子2人で強く生こうという想いが詰まった一言に僕は感じた…続く

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