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陽射しを浴びた。

思春期の頃、おとなになるイメージがわかず「30代まで死ぬ気がする」と思っていた。色々なことを経て、やっぱり人生なので時々は死にたかったし死のうとしたし、自分の気持ちとは無関係に死にそうにもなった。我々はいつだって、命からがら今日を迎えている。
そんなあの頃を共にした友人や、地獄を見ながら出会った友人が、軒並み30歳になろうとしている。新しく出会った人々は既に30歳を超えていることもある。私のいちばんの共犯者は、私よりふたつも年上で先日31歳を迎えていた。みんなが誕生日を迎えるたびに「30歳って都市伝説じゃなかったんだ」と思う。

月並みの話をするけど、30歳の私って全然大人じゃなかった。(厳密に私は30歳ではないが、もう友達がたくさん30歳になりすぎて自分も30歳な気がしている)
私は今日、真昼間から“人生の地下アイドル”みたいな挫・人間というバンドのライブへ行った。それこそ私を死にたい気持ちから幾度となく救ってくれた命の恩人のようなバンド。今回は、特に個人的な思い入れを持っているメンバーの夏目くんが脱退するということでセンチメンタルな気持ちで参戦したものの、メンバーはそんなこと関係なく一曲終わるごとに「ティーダのちんぽが気持ちいい」を歌っていた。なんでだよ。全然彼らの曲じゃなくて、なんて言うかネットで流行ってるみたいなやつ。多分「ありがとう」「挫・人間」という言葉の次によく聞いたのが「ティーダのちんぽが気持ちいい」だった。なんでだよ。もっと言えば、ライブ終盤戦 会場もメンバーも熱くなればなるほど、自分たちの曲の歌詞を変えて「ティーダのちんぽが気持ちいい」と言っていた。なんでだよ。
10年前に好きで聞いていた、見ていたバンドを30歳間近でも変わらず聞いている。もっと渋いアーティストを聴いてると思ってた。
ライブ後には、ドライブしている友人との暇電に付き合い 架空の「イヌの肛門分泌腺を絞るイベント」について話して盛り上がった。
真っ白で真っ直ぐな陽射しを浴びながら、ゲラゲラ笑いながら地下鉄2駅分をゆっくり歩いた。途中たくさんの鳩とおっさんがいる公園に寄って、これでもかってほど架空の「イヌの肛門分泌腺を絞るイベント」の話で盛り上がった。
こんな大人になる予定じゃなかったんだけど、みんなのおかげですくすく育ってしまった。
ありがたいね。


仕事の話をします。
2年ほど前、取引先のお会いしたことはない電話だととても上品にゆ〜っくり話すマダムのような方と始めてメールでやり取りをした時、署名欄が

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
(株)コップいっぱいカジノ素(仮)
製造課 オクダミカコ(仮)
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

みたいに連立八分音符を区切り線にしている人がいて、「これ以上のギャップと圧を超えてくる署名欄のひとっていないだろうな」と思っていたのですが、
つい先日


高高高高高高高高高高高高高
ズンドコ交響曲(株)(仮)
営業 高橋(仮)
橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋

ってひとを見て、ギャップはともかく圧の記録は抜かれました。
人生なにが起こるのかわからないので油断できない。

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