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年末だから、ここまで1年半運営してきたコワーキングスペースのあり方について振り返ってみることにした

コワーキングスペースにとっての激動の今年も、とうとう大晦日を迎えることができました。というわけで突然、年末というか大晦日ではありますが…、石川県小松市という10万人地方都市で EATLAB というコワーキング機能を持つスペースをはじめて1年半、思った以上に苦戦してきたここまでの取り組みを振り返ってみようと思います。

2019年3月に「地域の食文化の拠点」として石川県小松市にオープンしたEATLAB。5m大の大きなキッチンとソファ席やテーブル席、なんならハンモックまで、全席フリーのコワーキングスペースとして平日は食に興味を持ちながらも様々な職業の方に利用いただける場所として運営してきました。

▼クラウドファンディングを経てオープンするにあたり書いた記事の詳細はこちら

もちろん、EATLABは地域の食のマーケティングの会社なので食に興味のある方に使ってもらいたいのはもとより、地域で面白いことをやっているフリーランスの方々、EATLABのマーケティング業としてのパートナーになってくれそうな方の顕在化も目的にはじめました。

オープンして最初の1年は特に予想以上に苦戦した運営ですが(笑)、その理由として上げられるのは

①予想以上のフリーランスの少なさ
②競合はいないけどだからこそのコワーキング文化砂漠
③スペースとしては家の広さが競合

など。

何より②のコワーキングスペースを気軽に利用するという文化が浸透していないのには、予想こそすれど、想像以上。結果として、③の家、広いし…という現状も後押しして利用の決め手に欠いていることが予想されました。

そもそも、この辺りに早めに気づいたからこそ、スペースの代替としてのシェアオフィスを提供するのは明らかに無謀だと感じ、そこに集うコミュニティや自分たちに求められる役割をより強く意識しだしたのです。

今回は、そんな中で1年目、2年目に取り組んできたことをご紹介できたらと思っています。地方都市でスペース運営をしようとするどなたかの役に立ったり、しますように。

とにかく、知ってもらうための一年目

何はともあれ、知ってもらわなければ始まらない…!ということで、とにかく知ってもらうための取り組みは半ば赤字覚悟でやっていたかもしれません(笑)。

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コンセプトを体現するイベント(2019.3〜)
シェアオフィスとして場所のシェアだけではダメだということも早いうちに気づいていたし、利用率が上がればなんでもいいというわけではない中で、EATLAB が実現したい世界を体現するようなイベントを通じて、このスペースを知っていただきたいという思いではじめた 『CRAFT FOOD MARKET』『おいしい学校』

年に2回のマーケットイベントは毎回のコンセプトに沿った出店者さん集めや集客のためのPRなど、少ない人数でできることには限界もあり本当に大変なのですが、それを通じて同じところを見ている共通の仲間が増えていくような楽しみがあります。

また、少人数で地域の方を先生に開催しているワークショップのおいしい学校は、少人数だからこそ参加者さんとも顔の見えるお付き合いができて、これも私たちの考えに共感してくれる方少しずつ集まってくる感覚。

どちらもコロナ禍で最近はなかなか開催できていませんが、少しずつ仲間が増えていくような大切なイベントたちです。


地域に場を開く試み(2019.8〜)
マーケットイベントもそうですが、もっともっと様々な角度から地域に場を開く試みが必要だと思う中ではじめた月に一回のオープンラボ。ゆるゆるとした準備と告知ではありますが、少しずつ毎月楽しみにしてくれている方が出てきています。

また、昨年、石川県庁とご一緒した取り組みの移住者交流会。今年はできないままに一年が終わろうとしていますが、このイベントをきっかけにその後も長く続く関係性を築けた方がたくさんいました。

価格を下げたこと(2020.1〜)
2年目を目前として、2020年1月よりコワーキングの利用料を下げました。その代わり、運営にたくさんの工数をかけられない中でドロップインの利用は予約制としました。1日利用1800円だったところをなんと500円でドリンク付きという下げっぷり(笑)。どう転ぶかなと思いつつ、これをきっかけに全ての対応を月間メンバーや年間メンバー向けとし、1日利用はお試し利用という位置づけにしました(とはいえドロップインの利用回数制限などはありません)。お問い合わせが増えたのはもちろん、お試し利用を通じて月間メンバーの利用が増えたことも大きな発見でした。

サイト改修(2020.1)
密かに、今年の1月にはWEBサイトも改修していました。見た目ももちろん変わりましたが、大きく変わったのはサイトの中の構造。これまでもやってなかったわけではありませんでしたが、構造化したことで検索などに当たりやすくなりお問い合わせ数の向上に貢献しています。

小松市ワーケーションパンフレット制作協力(2020.1)
価格改定やサイトの改修、オープンラボのスタートなど、新たな取り組みをスタートした2020年1月ごろ、小松市の依頼でワーケーションのパンフレット制作を行いました。自分たちがしてきたことは、なんならこのスペースをスタートする前からワーケーションのような働き方だったのであまりそこに意識はありませんでしたが、この制作を通じてあらためてわたしたちの働き方や小松で働くことの魅力を振り返るきっかけに。小松市に他にコワーキングスペースがないこともあって、小松で働きたいと思う人にEATLABの存在がきちんと届くといいなとより強く感じはじめたのもこの頃でした。

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コロナ禍でも届くべき人に届き始めた二年目

今年の3月で2年目を迎えた EATLAB 。ちょうどその頃からじわじわとコロナの余波が小松にも近づいていました。そんな中でイベント中心にまずは知っていただくために行っていたわたしたちの取り組みも大きく方向転換を余儀なくされ、今年4月からは計画していたほとんどのイベントを中止にしました。それでも空いた時間を使って少しずつ行ってきたことや、1年目の取り組みがじわじわ効いてきたこともありました。

会員がじわじわ拡大(2020.3〜)
1年目の取り組みで今年はじめに行っていたWEB改修。2年目に入りじわじわと問い合わせに効いてきました。それではじめて入った法人利用や、フリーランスの固定メンバーの増加、コロナ禍特有ではありますが減便した航空便でできてしまう空き時間で利用したいという出張需要など、WEBからの検索性が上がったことで様々なニーズも見えてきたように思います。全体として利用いただいた方のリピート率は高い傾向にあり、ニューノーマルにおける新たな働き方の浸透とともに届いて欲しい方に届き始めたのかなとも感じられる出来事でした。

Eat KOMATSU 始動(2020.4〜)
コロナ禍で困る飲食店の方に相談されてはじめた Eat KOMATSU。細かくは以下の記事で書いたので割愛しますが、これも、昨年まで手がけてきた様々なイベントの中止を余儀なくされたからこそできた取り組みでもありました。おかげで様々な飲食店の方とも繋がり、食という共通のテーマを掲げるものとして地元の飲食の大先輩方と良い関係を築けるきっかけともなりました。

「いいオフィス」との提携(2020.6〜)
今年6月、日本全国のコワーキングスペースをネットワークする株式会社いいオフィスと提携しました。まだまだ拡大の途上ではありますが、この提携によりEATLABだけでなく全国200箇所を超えるコワーキングスペースを使えるプランも登場。多様な働き方を提案できる引き出しがひとつ、増えました。


コワーキング文化砂漠の地方都市で、わたしたちは何が可能か?

ご紹介してきたように、EATLABのある石川県小松市のようなその県第二第三の都市で人口もそこそこ、家も広いという地域ではまだまだコワーキングスペースにオフィスをシェアするという以上の価値を求める人はとても少ないのが現状です。また、小松市は県内でも様々な企業がひしめく企業城下町でもありますが、会社へは車で直行直帰が当たり前のスタイル。フリーランス以外の人が会社の帰り道にコワーキングスペースにちょっと寄って副業をしたり、ちょっとした打ち合わせをしたりという文化も全くありません。

そんなコワーキング文化砂漠のような地域で、わたしたちは何が可能か。

地方で立ち上げられた様々なコワーキングスペースが経営がうまくいかず撤退を余儀なくされているという話はよく耳に入ってきますが、わたしたちの仕事は、ただ単にオフィスをシェアする場所貸しのようなことではなく、コワーキング文化砂漠の地方都市における新しい働き方と向き合い続けることのような気がしています。

それは、コワーキングスペースにMacを開いてキーボードをカタカタさせるイメージのある人に、それ以外の活用の可能性を示すことかもしれないし、わたしたちがコワーキングスペースに感じている”他にはない刺激”を見える化して発信することかもしれない。コロナ禍でなかなか難しくはなっていますが、5mのキッチンをフル活用して同じ釜の飯を喰らう体験から価値観を共有することかもしれません。

コロナで影響ある?なんて、事業をしているとよく聞かれるワードではありますが、立ち上げからここまで激動すぎて真のコロナの影響が見えないというのが正直なところ。

今回あらためてこの1年半を振り返ることでより鮮明になったわたしたちの役割を、来年以降の取り組みや発信に役立てることを誓って、今年の無料noteはここまでとしたいと思います。

来年は年明け少しすると3年目に突入します。
3年目のEATLABも、どうぞ、よろしくお願いします。

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ちなみに、この続きはこちらでも書いていますのでぜひ併せてご覧ください。





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