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私が転職を決める時
新卒で会社に入った時は、まさか自分が転職をするなんて考えてもいなかった。最初に転職を決めたのは、入社して2年目のこと。私の部署のプロジェクトで新規ビジネスを立ち上げ、子会社を作り、そこで仕事をしていたが、親会社の都合でその会社が売却されると決まった時、周りの人達が一斉に転職活動を始めたのを見て、入社2年目の私は、これからどうしたら良いのか分からず、誰にも相談できず、不安に駆られ、よくわからないまま転職活動をした。後々考えてみれば、元々いた親会社に残る事も出来たのだが、皆に遅れを取らないよう必死だった。
そこから6回程転職をしたが、最初の時のように、ある意味会社理由の時もあったが、それ以外は、『この先ここに居て自分がどうなるか』の未来が見えてしまったから。
どの会社でも、そこそこ皆と仲良くやって、会社にも貢献して、まさか私が転職するなんて皆は思っていないだろうタイミングでいつも転職を決めていたと思う。人は私を飽きっぽいとか我慢が出来ない奴だと言うが、自分の中では私にしかわからない理由があった。
①ここににて、自分は満足しているか②この先10年後、もしくは5年後もここで働いていられるか?③自分の向いたい道に向かえているか
この3つは常に頭にあった。
若い時はどんなに遅く迄働いていても、夜中に電話が来ようとお構いなしに仕事をした。でも、ある時から、こんなことをいつまで続けられるのだろうかと考えだす瞬間がある。自分の体調、休みや家族との時間。今の自分に何があるかを考える。会社に不満があれば尚の事、この先自分はその不満を無くすことが出来るのか、会社の体質、会社の方針、幹部の対応。
大会社だったり、それなりに知名度のある会社だと、このまま色んなことを押し込んで我慢して頑張って働き続ければ、安泰なのだから、そうするべきだと何度も自分に言い聞かせるが、一度、ダメだなと思うと、もうダメだ。
会社の体裁ばかり考える幹部、大して仕事も出来ないけれど必死にゴマをすって昇進していく人達。それはある意味すごいけれど、そんな人達が上に行けば行くほど、そんな人達を見抜けない会社や上司達に失望する。
こんな人達が会社の幹部になると思うと、ろくな会社にならないと思えてしまう。会社名に胡坐をかいていないか?社名と自分の力を誤解していないか?そんな若者達が増えてくる。
仕事の出来る人だけが毎日忙しく、夜中まで働く。
出来ない人は、とっとと飲みに繰り出して、帰宅していく。
勿論数字が上がらないと叱責をされるが、じっと耐えて、耐え抜いて良い事が起こるのを待っている。耐えてさえいれば、毎月の給与は入ってくるのだから。。。
そんな様子を見ていると、5年後、10年後の自分の未来が見えてくる。
叱責に耐え、仕事は出来ないがゴマをする人達が昇進しているのに、相変わらず自分は毎日夜中まで仕事をしている。
それは自分の望んだ未来なのか?
家族も自分をも犠牲にして何が残るのだろう。
安定した給与。勿論それが一番大事。
でも、毎日ストレスを抱え、必死に仕事をして体調を悪くしても誰も助けてはくれない。だからと言って、仕事の手が抜けるか?と言ったら、自分の性格上、そんな事はできないのだ。やらなければならないことは、やり抜くのが自分。良いか悪いかは別として、それが家族の為と思って頑張っていても、家族との時間を作れない自分は、気付いたら家族から愛想をつかされてしまうのだ。
どちらが大事かと聞かれたら、勿論家族だ。だから必死に働いているのも、結局理解されないものだ。
それに気づいたからこそ、転職時が読めるようになったと思う。ふとしたきっかけや、ふとした瞬間に「あ、この会社ダメだ。」と思ったら、やはりだめなのだ。無理して働いても、楽しくないし、幸せな未来なんてやってこない。
ある時、上司がこういったのを耳にした。「あいつは歳だから、会社は辞めないよ。」そんなことを言われたら、私は絶対我慢できない。
だから、どれだけ追い込んでも、大変な仕事をさせても良い事にはならないし、そんな風にしか部下を見れない上司の下になんて絶対にいたくないと思う。そんな人を役員に置いている会社、そんな人の本性を見抜けない会社に輝かしい未来があるとは思えないのだ。
不満のない会社なんて存在しないけれど、何をどうやっても自分の力で会社の根本が変わらないと思ったら、それを嫌だと思う人は辞めれば良いのだと思う。会社を正すのも大事だが、合わない自分が出て行けば良いのだ。
自分はどこでもやって行けると言う力を身に着ければ良いのだ。
転職を繰り返したが、後悔は一度もしていない。自分が辞めた事で何かが影響したとは思わないが、この会社ダメだ、と思って辞めた会社は、辞めた後、部署が解散したり、多くの人員が相次いで辞めたり、取引先が減ったりと必ずと言っても良い程、問題が起きたり、揉め事が起こっている。それを見抜いたから辞めたとは言わないが、問題が起こる会社は、何かそんな匂いがするのかもしれない。
転職を決める瞬間は、本当にふとしたきっかけや瞬間だ。でも、しっかり自分で考えて出した答えならば、後悔しない生き方が出来るのではないだろうか。