見出し画像

特産のトマトで地域と人を元気にしたい。農家のお母さんのパワーが集結!-【愛媛・西予市】遊子川ザ・リコピンズ

2022年6月の「地元を愛す。」プレゼントの賞品にセレクトしたのは、西予市城川町の企業組合 遊子川ザ・リコピンズの「トマト加工品セット」。
2014年に遊子川(ゆすかわ)地区を盛り上げようと地元農家の女性たちが立ち上がり結成された「遊子川ザ・リコピンズ」。特産のトマトを使った加工品づくりや農家レストランの運営などに取り組む水口美鶴さんにお話を伺いました。

遊子川ザ・リコピンズは、現在50代~80代の女性お よそ20人で活動。農業の傍ら「食堂ゆすかわ」の運営 や加工品作り に取 リ組んでいる 。


食堂で人気のオムライスには、トマト酢を使ったまろやかな味わいの「 こどもケチャップ 」 がたっぷり


西予市城川町の遊子川地区では 、標高600メートルの高地でトマトの原産地であるアンデス高原に似た気候をいかして大玉トマトの栽培が盛んに行われている。その遊子川地区で地域を盛り上げようと元気に活動しているのが、「遊子川ザ・リコピンズ」のお母さんたちだ。

―まず、「遊子川ザ・リコピンズ」結成のきっかけを教えてください。

(水口美鶴さん)
リコピンズは現在、遊子川地区に住む50代から85歳までの女性、約20人のメンバーで活動しています。リコピンズを結成したのは2014年ですが、その数年前から地元の特産品開発に取り組もうという計画があったんです。そこで、この地区では50年くらい前から大玉の桃太郎トマトを栽培していて、農家数も生産量も多いので、農家のお母さんたちと一緒になってトマトを使った特産品づくりに取り組むことになりました。トマトの収穫の際には、1割ほど規格外のものが出てしまい、出荷することができません。それがたくさんになると、あげるところもなくなって廃棄することになる。味はかえっておいしいくらいなんです。やっぱり大きく育ったのは栄養がしっかりあるし、熟れているのは甘みも増しています。それらを捨ててしまうのはもったいないという思いがあり、規格外のトマトで付加価値をつけて何かできないかということが目的でした。

そこで私たちが最初に作ったのが、トマトの果汁を熟成させたトマト酢でした。トマト酢はできたものの、売り方がわからず、どうしたも のかと悩んでいた時にヒントになったのが、地元の人たちが作っている自家製のポン酢です。この地域ではゆずも特産なので、みなさん家庭でポン酢を作られているんです。普通は醸造酢とゆず果汁を合わせるんですが、醸造酢の代わりにトマト酢を入れてみたらどうかなということでやってみたら、おいしく出来たので商品化することになりました。トマト酢はリコピンズの商品すべてに使っています。ケチャップにはまろやかな酸味がプラスされ、入れただけで色も鮮やかになります。

―ケチャップはリコピンズの商品の中でも一番人気だそうですね。

ケチャップは添加物不使用で、お母さん方に手に取ってほしくて「こどもケチャップ」という名前にしました。安心安全にこだわり、トマト本来の味を大切に作っているので、老若男女皆さんに食べてもらいたいです。そして、「こどもケチャップ」があるなら大人向けも作ったら?と言われてできたのが「大人ケチャップ」です。柚子こしょうを加えて少しピリ辛に仕上げています。


地域おこしの熱心な取り組みが評価され、様々な賞を受賞している、


リコピンズの商品を使った 29品のメニューを紹介するオリジナルのレシピ本には、リコピンズのメンバ ーも登場する。


―加工品作りだけでなく、農家レストランの運営も皆さんが交替でされているんですか?

当初からメンバーは農業と並行した活動ですから、食堂は毎週水曜日と第4日曜日だけの営業です。食堂でランチのほか、リコピンズの商品を使ったオムライスやナポリタンを提供しています。地元の人くらいしか来ないだろうと思っていたのですが、よそからのお客さんの方が多いくらいです。また、毎週木曜日にはお弁当の宅配サービスも始めました。おそろいの赤いTシ
ャツの背中には「まちづくり・ ひとづくり・ わかづくり」と書かれています。「リコピンパワーで見た目も心も若作り」をモットーにみんな頑張っています。

―皆さん元気に頑張っていらっしゃいますね。水口さんは遊子川のどんなところに魅力を感じますか?

私はずっとここに住んでいて、地元愛は強いと思います。好きなところは、自然が豊かなことと人が優しいこと。遊子川地区は現在人口が270人ほどですが、移住してこられる方や定年退職して戻ってこられる方もいらっしゃいます。そういった方は新しい風を起こしてくれますね。

―今後、リコピンズではどんなことに取り組んでいきたいですか?

トマト農家も高齢化と後継者不足でだんだん減ってきているので、もっとトマト農家さんを元気づけていきたいですね。そして移住やⅠターンを含め、新規就農者を確保していきたいと考えています。また、リコピンズブランドのトマトを販売したいとも考えています。

そして、8年前から実施しているトマトのオーナー制度もどんどんアピールして、遊子川のファンを増やしたいですね。植え付けや収穫の体験が家族で楽しめますし、収穫時には「木なり完熟」といって、他では食べられないトマトを味わうことができます。コロナ禍以前にはリコピンズのメンバーが出向いてトマトを使った料理のレシピをオーナーさんに紹介したりもしていたので、また再開したいですね。


企業組合 遊子川ザ・リコピンズ  副理事長 水口美鶴さん



遊子川ザ・リコピンズのホームページはこちら