「教師の魅力」とは何か？①　　　　　～学校関係者以外からの目～

　数年前、教育学部の学生に「教員の魅力」を伝えてほしいと地元の大学から依頼がありました。

　昨今、教育学部の学生の中には、教員採用試験を受けない学生が増えてきているので、ぜひ、教員の魅力を伝えてもらい、教員志望の学生を増やしたいとのことです。

　そもそも「教員の魅力」って何だろう？　　　　
　この依頼を受けて、改めて「教員の魅力」を考えることになりました。

　学校関係者ではない友人3名に酒席で「教員の魅力」を聞いてみまると、以下のような答えが返ってきました。　

「まだ、終身雇用制度がきいている。（リストラ等の心配がない。）」
「給与の安定感がある。」　　　　　　　　　
「福利厚生が手厚い。」
「退職金がある。」
「居住地の都道府県外での勤務がない。」　
「大変そうだけど、休みが多いと思う。」

　ただし、これは魅力でもあり、魅力でもないとも言います。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　他社にヘッドハンティングされたA氏は、終身雇用の危うさを話しました。同じ会社に長く居続けることの精神的・経済的な弊害を感じているようでした。

　ビジネスが軌道にのってきた自営業のB氏は、確かに教員の給与は安定しているが、自分の成長や成果が給与につながるイメージがない。大きく所得を増やすことができないことがデメリットでもあると話しまた。

　中小企業に勤務するC氏は、今後も海外も含め、様々なところで仕事をしていきたいと話す。所得等より、やりがいに幸せを感じているようである。

　1つの事実に対して、A氏は魅力的といい、B氏は魅力的でないと言う。

　つまり、「魅力」と感じるかどうかは、その人次第なのです。　　　　　　　　　　　　　　　　そして、「魅力」は、その人の価値観、置かれている状況、時代背景等によって変わってきます。

　今回、友人たちが話してくれたのは、「教師の仕事の魅力」ではなく、どちらかというと「教師の職業の魅力」でした。

　これまで学校現場で「教師の魅力」を伝えるとき、「子どもの成長をともに喜ぶことができる」など「教師の仕事の魅力」は多く伝えられてきましたが、「教師の職業の魅力」については、あまり触れられていないと感じます。

　「やりがい」などの仕事の魅力だけではなく、様々な視点（待遇・福利厚生等）からの情報を発信し、「魅力かどうかを判断する情報」を増やしていくことが大切と感じたところです。

　友人の話から、そんなことを考えながら帰路につきました。