学校現場に「影響力の武器」をどのように取り入れるか？

　「影響力の武器」（ロバート・B・チャルディーニ著）は、言わずと知れた世界的ベストセラーです。返報性、コミットメントと一貫性、権威など、時代や人種を超えて影響力のあるものを、科学的根拠をもとに説明したものであり、現代社会においても、様々な分野でその影響力が活用されています。
　今回は、教育現場での影響力を高めるために、本書から得られるヒントを考えてみました。

1.「社会的証明」を利用する

　「社会的証明」とは、周りの人が何かをしていることを見たり、聞いたりすることで、自分たちもそれに従おうという心理現象です。教育現場でも、この心理現象を利用することができます。
　例えば、学校の先生や仲間が何かをしているのを見たら、その行動を自分たちも真似しようとする傾向があるのです。このため、先生方は、自分自身が望む行動を示すことで、子どもたちに影響力を持つことができます。もちろん、自分自身が望む行動は、独善的であってはなりません。

2.「相互依存」を意識する

　「相互依存」とは、互いに影響し合い、互いに依存し合っている状態を指します。教育現場でも、教師と子ども、子ども同士など、多くの人々が相互依存していることがあります。このため、先生方は、自分たちが子どもたちに依存していることを意識し、子どもたちが成長するために、自分たちがどのような役割を果たすことができるのかを考える必要があります。

3.「親近感」を高める

「親近感」とは、相手に親しみを感じる心理現象です。教育現場でも、先生方は、子どもたちとの関係をより良くするために、この親近感を高めることができます。
　例えば、子どもたちに興味を持ち、話に耳を傾けることで、生徒たちに対する親近感を高めることができます。子どもたちの持っている価値を理解しようとすることが大切になります。

　以上のように、「影響力の武器」から学ぶことは、教育現場での影響力を高めるためのヒントを提供してくれます。教育現場では、社会的証明や相互依存、親近感を意識することで、子どもたちの学習意欲や協調性を高めることができると考えます。

　また、教育現場での影響力を高めるためには、教師自身が持つスキルや資質の向上が必要となります。

　例えば、教師自身が明るく前向きな態度を持ち、子どもたちに自信を与えることができると、彼らの自尊心や自己肯定感を高めることができます。また、教育に対する情熱や熱意を持って、子どもたちに良い影響を与えることができるとともに、教育現場全体の発展にも貢献することができます。

　教育現場での影響力を高めるためには、社会的証明や相互依存、親近感を意識すること、自己スキルの向上、教育現場全体の協力が大切です。わたしたちは、これらの手法を活用しながら、子どもたちに良い影響を与え、より良い教育現場を作り上げることが求められると考えます。