荒れた学級への支援
荒れた学級への支援に入る際、留意しなければならないことがある。
その1つが、外部や内部の不適切な支援によって、担任への信頼低下や荒れを一層助長しないようにすることだ。
荒れている学級の多くは、担任との信頼関係はできていない、または、くずれている。
そのような中、何の戦略もなく、いわゆる、子どもたちに人気で、いわゆるできる教師が授業等を行ったり、信頼関係を築こうとしたりすると、「やはり〇〇先生(人気でできる先生)の学級がよかった。」と思う子どもが出てくる。それに気をよくしている教員であれば、事態はなおさら悪化する。
これでは、子どもたちの担任に対する不信感等がますますつのることになり、担任自身は、ますます自信を喪失していくことになるだろう。
また、担任以外の教員が、子どもたちを管理しようと思い、叱るだけ、注意するだけの日々が続いたり、管理職が見張りのように張り付いたりすれば、子どもたちはますます荒れる。
「こんなに叱られるのは、〇〇先生(担任)のせいだ。」と思う子どももいるだろうし、そのストレスを学級内の弱い立場の子どもに向ける子どもも出てくる可能性がある。
荒れた学級への支援については、戦略的・組織的に行うべきであるが、なかなか難しい。荒れの状態により、支援内容や方法については、考えなければならない。
まず、子どもたちの学習機会の保障、人間関係の安定を第一に考えながら、担任の関わり方や学級の状況をどこまで回復させるかなどを関係者で十分に話し合うことが大切と考える。担任のメンタル面にも十分に配慮する必要がある。
そして、その目標を達成するための手立てを検討する。荒れの状態にもよるが、ただ、見張りのような手立てではなく、例えば、一部の授業、朝の会、給食や掃除の時間等の担任交代制などを行い、適切に指導し、子どもたちのよさ等を価値づけながら、組織的に情報収集を行う。
状況に応じた手立てをとることによって、担任を含めた学校との子どもたちとの信頼関係の回復を少しずつ回復させるようにしたい。