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「多様」な意見を反映させる前に

多くの学校で行われる卒業式。        卒業式については、以下のような意見等も散見されます。

「礼法指導に偏りすぎて形骸化している。」
「指導の際、全体をそろえることを重視するあまり、叱ってばかりの指導がよく見られる。」
「先生のメンツを保つための卒業式になっている。」
「来賓の話は必要ない。」
「もっとラフな日常の延長上の会でもよいのではないか。」などなど多様な意見等がある。

学校現場の先生方の話を聞くと「なるほどそうだなあ。改善が必要だ。」と思う意見等もあります。それと同時に卒業式自体のとらえ方が少し多様になってきているとも感じています。

この「多様」が少しやっかいである。学習指導要領を無視した、またはその枠外にある「多様」な意見等を反映させた卒業式はよろしくありません。
卒業式は、特別活動の学校行事(儀式的行事)です。「儀式的行事」とは、学校生活に有意義な変化や折り目を付け、厳粛で清新な気分を味わい、新しい生活の展開への動機付けとなる行事になります。学習指導要領には、以下のことが書かれあります。
儀式的行事の意義や、その場にふさわしい参加の仕方について理解し、厳粛な場におけるマナー等の規律、気品のある行動の仕方などを身に付けるようにする。

○厳粛で清新な気分を味わい、行事を節目として希望や意欲をもってこれからの生活に臨もうとする態度を養う。 

② 実施上の留意点
            イ 儀式的行事の教育効果は、児童の参加意欲とその儀式から受ける感銘の
度合いによって大きく左右される。したがって、いたずらに形式に流れた
り、厳粛な雰囲気を損なったりすることなく、各行事のねらいを明確にし,絶えず内容に工夫を加えることが望ましい。

卒業式は、厳粛な場におけるマナーと等の規律、気品のある行動の仕方を身に付ける場。学校が社会に出る準備段階と考えると、厳粛な場を設定し、その場における振る舞いを指導しておく必要があると考えます。TPOに応じた行動ができると人生の選択肢も増えるでしょう。

問題は指導の仕方。実施上の留意点にもあるように、形式だけ指導するのはよくありません。それが叱ってばかりの指導につながっていると思われます。

全職員で卒業式の意義やねらいを共通理解する。その上でどのような指導をするのが望ましいかを考える。ねらいを踏まえたとき、必要ではない形式的なもの改善もくしくは廃止する。このようなプロセスを大切にすると、卒業式のアップデートができるのではないでしょうか。




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