なぜ成長した娘と母親はうまくいかないのか
最近、母と二人暮らしになっていろいろと変化が起きてきました。
私の育った家庭は機能不全家庭で、私と母親は母子密着(母子カプセル)と言われる状態で共依存関係にありました。
そんな中で、12年続いた姪っ子たちとの同居が解消され母と二人きりになったことで、これまで見えてこなかった問題が浮き彫りになってきました。
母と娘については、過去に記事にも書いたことがあります。
ただ、また新たに母親と娘の関係で気づいたことがあるので、今回はそれをまとめます。
実母との関係がうまくいかない
母親との会話が楽しくない
最近、母親と会うのがおっくうになった
という方は、ぜひ参考にしていただければと思います。
さて、
今回記事を書こうと思ったのは、某掲示板で“実母との仲がうまくいかない”といったトピックを見かけたからです。
実際に母親から、
嫌味なことを言われる
揚げ足ばかり取られる
愚痴や不満ばかり話される
といった書き込みが多く、“これ私じゃん”と軽く衝撃を受けました。
母親と娘がなぜうまくいかないのか、私が思った母親側の背景として、
母親として今までずっと我慢してきた
娘にだけは本音を話せる
この2点があると感じます。
多くの母親は、孤独です。
もちろんすべての家庭に当てはまりませんし、個人差があるかとは思いますが、
多くの家庭は夫が仕事で忙しく、母親一人が家事育児を担ってきました。
特に昔の時代は、
良い妻
良い母
にとらわれ、核家族化が進む中で母親自身が孤立していました。
そんな中で、
“母親の存在価値は、夫や子ども(娘)にかかっている”
という依存的な構造が起きてしまい、
『母親とは寂しい存在である』
という観念が、多くの母親に浸透していったように感じます。
そのため、今までずっと、
良い妻
良い母
であろうと本音を抑えて夫や子どもに従ってきた結果、娘が成長するととたんに、嫌味なことを言ったり、愚痴や不平不満ばかりを話してくる。
その根底には
母親としての存在の虚しさ
もっと頑張ってきた自分を労わってほしい
といった、母親自身の心の叫びが背景にあると感じます。
また、なぜ成長した娘と母親はうまくいかないのか、それは、娘の方が同じ女性として母親からの投影を受けやすいからです。
一人で家事育児を担ってこなければならなかった孤独感や、子育てに対しての虚無感を同じ女性や母親である娘に投影し、
私の時代はもっと大変だった
あなた(娘)がいる環境は恵まれている
と一方的に決めつけ、
嫉妬する
張り合う
マウントを取る
小言を言う
といった態度を取ったり、
愚痴
不平不満
悪口や陰口
自分の体調不良
といったネガティブなことをぶつけてしまうのです。
そしてそこには、『娘だからこそ話せる』という母親の甘えがあります。
なぜなら、娘には気をつかわなくていいからです。
もしも夫や息子に弱音を吐いたとき(吐ける場合はですが)、否定されたり無視されれば、妻や女性としてのプライドが傷つきます。
その点、娘は同じ女性として痛みや苦しみやつらさをわかってくれる存在なので、オブラートに包まず言いたい放題言えるのです。
そもそも、
良い妻
良い母
の呪縛にとらわれる人ほど、自己肯定感が低く人からどう思われるかを過剰に気にする傾向があります。
こういった傾向の人は、完璧主義でプライドが高く、なんでもそつなくこなそうとする反面神経をすり減らしていることも多く、
積もり積もった孤独感や、やるせなさを抱え込んでいることが多いです。
そんな中で、自分の中のドロドロしたネガティブな感情を吐き出すことができる唯一の相手が、同じ“戦友”である娘なのです。
ここで、成長した娘と母親はうまく付き合っていけないのか?という疑問に対して私が思うのは、
母親に感謝する(無理のない範囲で)
一定の距離を取る
以上の2点が重要だと感じます。
まずは、母親に対して感謝の気持ちを持ち、
“いつもありがとう”
“今までありがとう”
と、可能な範囲でその気持ちを伝えること。
また、母親が家事育児以外で自分らしく生きられるように支援すること。
もう今さらね…
この年だから…
と気後れしていることがあったら、
“私を育ててくれたお母さんなら大丈夫”
“お母さんが充実した生活を送ってくれると私も嬉しい”
と、背中を押してあげる言葉をかけること。
ただし、母親に感謝しよう!と気負いすぎても、かえって仲がこじれてしまうことがあります(私のように)
そんなときは、一定の距離を取ることも重要です。
『母親の愚痴を聞くのは、娘の仕事』ではありません。
頑張って母親を悲しませないようにいい娘でいなければ…と、自分を縛る必要は全くありません。
実の母親でも限度があり、聞くに堪えないことはざらにあります。
実の母親だからこそ、お互い労わり合って尊重し合う距離感でいたいと思います。
そのためには、自分の心地いい距離感で母親とつきあっていくことを、きちんと自分に許可してあげること。
そもそも親孝行というものは、子どもが生まれた時点で成立しているものであり、必要以上に求めてくるのは毒親以外の何者でもありません。
実母と話をするとしんどい、と思ったら、遠慮なく距離を取ること。
その上で、もしも可能な場合は、母親にこれまでの感謝や労いの言葉をかけること。
昭和の時代にもまれた母親世代は、どうしたって今を生きる私たちとは価値観が合わないことがあります。
これは母親が悪いわけでも、娘であるあなたが悪いわけでもありません。
そんなときは、自分の心が穏やかになる方法を選択してください。
我慢をして親の愚痴を聞くことは、親孝行ではありません。
母親として抱えてきた孤独感や虚無感を解消することができるのは母親自身であり、娘のあなたではありません。
親の機嫌を取れないからといって、あなたが娘失格ということではないのです。
どうか、あなたの心が一番軽やかになる付き合い方を選択していってください。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました🍀
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