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【転職】1週間で退職した病院

私が医療現場で初めて働き、看護師を目指した病院が病棟閉鎖となり、解雇退職となった話しの続きです。

救急病院は脳外科の単科だったので、看護師としてのスキル向上を目指して転職先は中規模の総合病院を選びました。

中途採用だったからか、面接は総師長と2人だけでした。

総師長はいずれは手術室看護師を目指してほしいとの話しだったが、まずは比較的落ち着いている内科病棟から...ということに決まりました。

制服の採寸もして、総師長は内科疾患に関する本も貸してくれました。
初出勤まで、借りた本などで勉強をしていました。


そして、初出勤日。
総師長室に早めに伺うと、総師長から、今は内科病棟の看護師は足りていて、外科病棟が人が足りず、どのみち手術室看護師を目指すなら、初めから外科病棟のほうがいいと言われました。

私は、面接の時と話しが違う!それなら、先に連絡くらいしてほしかった...と心の中で思いましたが、実際には総師長に何も言えませんでした。

制服も採寸していたはずなのに、どなたかのお古のような制服を渡され、それもブカブカでした。


ブカブカの制服に着替えてから、総師長と共に、外科病棟へ...。
この急な予定変更に私の頭の中はもう真っ白...。

すでにバタバタと動いている病棟で、総師長と外科師長が何やら、コソコソ話をしていた。
そして、総師長は私に頑張ってと言い残し、その場を去って行きました。

外科師長の顔が明らかに何か困っている様子。
なんと私が今日入職することを、聞いていなかったと言うのです。

そして、私を薬品庫に連れて行き、今日はバタバタしているから、ここで薬の在庫確認をして下さいと指示されました。

私は、言われた通り、在庫の確認や扱っている薬をメモしたりしていました。


何時間たったことでしょう...。誰も、薬品庫には来ません。

そして、午後3時を過ぎた頃、やっと外科師長が現れ、
「もしかして、お昼食べてないよね...」と。

「ごめん!忙しくて...。食券あげるから1人で食べてきて...1時間休んでいいから」と。

私は、この病院の社員食堂がどこにあるのも分からないけど、歩いてすれ違う看護師さんに聞いたりして、やっと食堂に辿りつきました。

初出勤でこんな扱い?これが普通なの?
救急病院は初めから義姉がいたから比べられない。

1人で味気ない食事をとりながら、すでに、この病院で働く自信が1ミリもなくなっていた。

そして、再び病棟に戻り、外科師長に病棟など案内されて、1日がなんとか終わった。

玄関に行くと、下駄箱に入れた私の靴がなくなっていた。
総師長には、靴はあいている下駄箱に適当に入れてと言われていたが、
暗黙の了解で決まっていたのかもしれない...と思った。

探しても靴がなかったので、ナースシューズのまま帰ろうと、ドアを開けると、私の靴が放り投げてあった。

私はその靴を拾いながら、なんだか急に涙がでてきた。
帰りの車の中で、思いっきり泣きながら帰った。

アパートに帰ってから、これからのことを考えたけど、私には戻りたくても救急病院は閉鎖になり、もうないのだ。

息子もまだ中学生で2人で生きていくにはお金が必要だ。
やはり泣いてなんか入られない!!
まずは3日、そして1週間、1ヶ月と頑張って見よう...と思い直した。


次の日の朝礼時に改めて紹介されました。

その後は、検査などの患者さんの移動を指示され、検査室の場所が分からない私に患者さんのほうが、くわしくて色々教わったり、初めてつく検査等も、医師から指導して頂いたりと、自分でできることは頑張っていた。

でも、心はギリギリで帰りの車の中で毎日泣いていた。

そして、1週間たったころ、患者さんが入院してくるので、入院のアナムネ(患者さんの情報収集等)から入院準備を1人でやって...と先輩看護師に指示されました。

私は、この病院での入院の準備等を見たことがなかったので、私は1人ではまだできません...と言うと、大きな声で
「2年目だろうが、看護師なんだからできるでしょっ!」と皆の前で怒鳴られました。

私はまだ1人はできません、すみませんと謝ることしかできませんでした。

その光景を他の看護師もただ見てるだけ、師長さえも...。
皆の前で泣くことだけは、我慢しました。


その後私は、まだ退勤時間になっていなかったけど、外科師長の辞めると伝えました。

そして総師長に退職の意志を伝えに行くと、
今さら内科病棟にする?…と引き止められましたが、もう覚悟が決まったので、退職しました。


人手不足問題やパワハラなどのブラック病院...。私の自尊心も傷つき、看護師として働く自信もなくなりました。
結局は退職するしか選択はありません。
それなのに、病院側は人手不足で困っていると言う。

でも1番困るのは患者さんだと私は思います。
なぜ、そこに目がいかないのでしょう。

その患者さんとは、自分自身、家族、友人かもしれないのに...。























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