突然の別れ。

朝に1〜2本。
昼に1〜2本。
夜に1〜2本の物、な〜んだ。

なんてなぞなぞができそうだが、
そんな可愛いものではなく、
私が1日で嗜むタバコの本数だ。

どの職場に行っても、
医療・福祉には喫煙者がいる。
多分他の業界よりも
多いのではないかと思う、喫煙率。

どこに行っても喫煙者がいるので、
そこでのコミュニケーションは
結構楽しかった。

タバコ以外共通点のない人たちと
話すのは案外楽しい。

娘さんの中学受験の話。
韓国旅行へ行った時の話。
「ホストになろうと思う」という突拍子のない話。
「見てください、頭から草生えました」と頭に草をさして遊んでいたり、
ストレスで目が痙攣するんだけどどうしよ？の話だったり、
ふるさと納税を始めようと思う話。

本当にバタバタで自分だけでは
なかなか出ない話題ばかりだった。

私には師匠がいた。
「いた」というのは、師匠は数年前に他界しているから。

師匠とタバコを吸いながら、
陰謀論じみた、タバコって実は体への害少ないのでは談義がとても面白かった。

タバコを介して私はいろんな人と色んな話をした。
人見知りが激しく、人と話すのが苦手なためこういった一種のコミュニティのような場所にいることは、非日常的で良かった。

いつも家の近くのコンビニでタバコを買っている。
今日も買おうと思い、コンビニへ行った。

「あれ？◯番ないですか？」
と聞くと、
「無いんです〜。」
と。

胸騒ぎがした。
私は基本的に一途な人間であるため、余程のことがない限りはタバコの銘柄を変えないし、変えたくない。

いつものがない...？
なぜ....？

すぐに調べた。
すると、2022年に廃盤になっていた。

なんてこったい。
今まで買えていたのは、残ったものを
売っていただけだったとは....

別れとは突然訪れる。
私は9mmを嗜んでいたため、
急に5mmに変えると、
かなり軽かった。

軽すぎて、笑った。

健康には良い...
健康には良い...

と己に言い聞かせながら、
タバコを思い切り吸っていた。

多分健康に全然良くない。
分かってる。

このタバコを吸い始めてから
色々なことがあった。

案外お付き合いが長い。
フジテレビの会見みたい。
思っていたより長くなっていた。

離れることがこんなに寂しいなんて。
何度も「体には良い」と言い聞かせながら、
今までよりもずいぶん軽くなったタバコをふかす。

やっぱり寂しい。
全ての物事、いずれは別れが来るが
思ってたよりも急で早かったな。

まだ少し残っているタバコを買い漁ろう。
買い漁って、ご褒美タバコにしよう。

いずれは無くなるから、
別れのカウントダウンをしていこう。

ゆっくり心の準備をしよう。
ありがよう、アメスピ。

どうか、会社は潰れないで欲しい。
買い続けるから、無くならないで。

いつか株でも買い占められるよう、
自分の会社を大きくしよう。

どうでも良い目標ができた。
明日の仕事に精が出る。

頑張ろ。
おやすみなさい。