【健康】腫瘍マーカーの罠|健康な人も知って欲しいこと
今回は私の検診ではなく、父の検診の話
父は92歳である。
92歳とはいえ足腰に衰えはあるものの体内年齢は若い。
そんな父に怪しい影?
3月の人間ドックでCA19-9の腫瘍マーカーの値が高かったのだ。
かかりつけ医より「膵臓がんの疑いがあるためCT検査を受けましょう」
と言われ、7月に検査を受けた。
結果「膵臓がんの疑いは無し」という診断。
ところが9月の終わり今になって「大腸や胃に異変があるかもしれないから消化器内科を受診してほしい」とかかりつけ医に言われたらしい。
父が通院するI病院には消化器内科は併設されていない。
人間ドッグを受けたN病院への紹介状を持って帰ってきた。
母や私が何のためにN病院に受診に行くのか聞いたが、父はうまく説明できない。父の説明が下手なのか、受診の目的を理解していないのか、、、
「なぜN病院へ行かなくてはならないのか」母や私も当然理解できるはずがない。
父はN病院へ受診する目的がわかってなかったのだ。
私たちに説明した次の日、再度I病院の主治医の所へ行き
「別に体調が悪く自覚症状があるわけではないのに、なぜN病院へ行かなくてはならないのか、わからない」と聞きに行ったようだ。
するとかかりつけ医は
「お願いだから、消化器内科を受診してほしい」と頭を下げて言ってきた
という。
父の話を聞いていて、二度もかかりつけ医に話を聞きに行ってもN病院へ行く目的が理解できない。そんな状態で受診しても、医師の説明も検査となった時の判断も父にはできないだろうと悟った。
母は骨折で入院中、私が付き添うしかないだろう。
父の疑問
膵臓に異変がないのに、なぜ大腸や胃に異変があると疑うのか
N病院消化器内科医の説明
CA19-9のマーカーは悪性を疑う。原因について詳しく調べる必要があり、大腸がんや胃がんといった膵臓がん以外にも反応する。CTの結果で膵臓がんでないことがわかったが、他の悪性腫瘍についても確認する必要がある。
マーカーが高いからといって、すべて悪性というわけでわなく胆管炎、肝硬変といった病気の場合にも高くなることがある。
先生の説明に対し、私が質問に質問を重ねた結果たどりついた答えだ。
診察を終えた父は「先生とお前(私)のやりとりを聞いていてもさっぱり理解できん」としょげていたので上記の説明をしてあげた。「患者も勉強せんと(しないと)いけんのー(いけないなあー)」と珍しく反省モードだった。
I病院の主治医と父との間でズレが生じた要因
私なりに分析してみると、医師と患者間の知識の認識の違いにあると考えられる。主治医はCA19-9のマーカーについて「膵臓以外でも高くなることがある」ことについて説明していたはずだ。膵臓がんの患者の80%はCA19-9が高くなるため、医師も「膵臓がんの疑いがある」膵臓がんの部分を強調して伝え、父は「CA19-9高=膵臓がん」と認識したに違いない。
そのため膵臓がんではないことがわかっているのに、なぜ消化器系の受診と関係あるのか、父は全く理解ができなかったのだと思う。
医師と患者間の知識の認識差を埋めるためには
<医師>
・専門用語をだきるだけ使わず、メリット・デメリットを正確に伝える。
・一般論を伝え、目の前の患者の場合はどのようなケースにあてはまるのかを伝える。
・一番大切なのは、患者の反応や本当に理解できているのかを確認することが必要であると思う。理解が追いつかない様子が見受けられるのならば、何度でも伝え方を変えて説明するべきであると思う。
<患者>
・医師の説明に対して、理解ができないのであれば、不明な部分を伝え再度説明を求める必要がある。
・医師から受けた説明を他人に説明してみる。他人が理解できれば、医師からの説明を自分の中に落とし込めたことになる。
・患者自らも勉強する。自分の身体のことである。全てを人任せず、勉強することで医師との知識の認識ギャップが埋まってくる。
<健康な人にむけて>人間ドッグで腫瘍マーカー検査を受けることについて
人間ドックで腫瘍マーカー検査を受けるかどうかは、個人の状況や目的によって判断する必要がある。個人的には腫瘍マーカーだけを単独で検査をしても、あまり意味がないように思う。
例えば
・自覚症状がある
・エコー検査などで、ある臓器に異変の可能性があると指摘された
・要精密検査となった場合
腫瘍マーカーだけで自分で勝手に判断するのではなく、必ず医師と相談の上、他の検査と併用し総合的に判断してもらうことを実施していただきたい。
今回の反省点
私自身、がんになり、自分なりに勉強してきたつもりである。「腫瘍マーカーだけを信じてはいけない。腫瘍マーカーは他の臓器の影響やその時の体調によって数値が上昇することがある」
私の主治医からも何度か聞かされ、わかっていたつもりだったのに、、、
今回私がいつも診てもらっている腫瘍マーカーとは違ったため、ピンとこなかったのだ。本質をわかっていないと反省。もっと勉強を重ねていきたい。
今回書いた内容は、個人的な意見も含まれているため、正しい情報を確認した上で皆さんの知識としていただければ幸いです。
https://ganjoho.jp/public/dia_tre/inspection/marker.html
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