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俳句(曼珠沙華)

海上にたま飛ぶ日々を秋の暮

まだ溺れ足らぬと月は彩雲に

曼珠沙華みずから滅ぶ話など

遮断機落ち足元までも秋の暮

ふみ込まれること厭ひけり曼珠沙華

芋の露死なば地球に臥すべしと

百鬼夜行脱落すれば曼珠沙華

百鬼夜行終へて曼珠沙華に還る

彼岸花百万人で手折りけり

一打ちにわが血を吐いて蚊の死ねり

おのが血を吐かぬ臨終モスキート

彼岸花りゅうと伸びゆく俳壇死ね

墓洗ふ挙動不審の旧友と

(通称「袴田事件」再審無罪判決)
五十八年経しこの空を秋の風

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