セリフ調でさらっと読める日本史通史
【荘園の寄進】
国衙の受領(元国司)「国に集めろって言われてる税以外にも農民から色々搾取して私腹満たそうwwww」
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有力農民「受領たち強欲すぎふざけんな。特に藤原元命。太政官に手紙で訴えよう(尾張国郡司百姓等解)」
受領「成功(より高い官職に就かせてもらう)や重任(現在の良い官職を継続)してもらうために、自腹で朝廷の儀式や寺の造営をするぞ~」
受領の一部「直接任地行かずに、部下の目代に治めさせて給料だけ貰うわw遙任)」
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目代「承知しました。部下の在庁官人(地元で優秀だったから国に雇われた地方公務員みたいなもの)たちともに、この国を代わりに治めましょう。」
10世紀後半~
「地方豪族ども。新田を開発していってくれたら臨時雑徭とかある程度免除したり優遇するぞ」
国司の子孫や地方豪族たち「やったー!これからは開発領主として沢山開発するぞ!」
開発領主たち「でも国司に取られる税や雑徭がまだまだあるから完全に無くしたいな…せや!国も無視できない強い貴族や大寺社さんたちと話して、建前上は彼らの土地ってことにしてお礼も払って、国に口利きしてもらおw」(国司の子孫とはいえ税金取ってくる国司のことは疎ましく思ってる)
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領家(土地の名目上の主になった貴族や大寺院)「お国さん。実はあの開発領主くんたちの土地はうちがプレゼントしてもらってね。分かるよね?我々は朝廷や国家への奉仕と引き換えに普段から税を免除してもらっているし、これらの土地についても同様に頼むよ」
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国の本部の官職たち「ははは…まあなんかグレー匂いがしますが…とりあえず良い感じにしておきます…」
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開発領主たち「やったー土地にかけられている官物や臨時雑徭などの税が免除(不輸)されて、税のかからない荘園(|官省符荘《かんしょうふしょう》)と認められたぞ!」
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開発領主たち「名目上は大手貴族や大寺社さんたちに渡したけど、実態は自分たちのものだし、これまで通り預所や下司などの荘官として荘園を運営していくぞ~」
領家「この名義上貰ってる荘園、さらに俺らの上の摂関家や天皇家とかに寄進したら、自分たちのパイプにもなるし他の貴族からちょっかいとかもされなくなるな!」
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さらに寄進された摂関家や天皇家「あざす。我々のことを本家と呼び、これらの荘園を寄進地形荘園と呼ぼう」
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後三条天皇「ライバルの藤原氏が荘園の本家になりまくって金稼いでる…まずい止めさせなければ!国司が徴収して我々天皇に入るちゃんとした制度に戻すぞ!」→延久の荘園整理令(1069年)
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天皇家の貴族たち「寄進を止めて税収を取り戻そうとしたがもう手遅れだ…てか国司の徴税力も最近微妙だったし、農民相手に好きかってやってたからこうなってるわけだし、我らも直接利益を得られる寄進を積極的に受けまくるようにしよう。乗るしかないこの荘園ウェーブに!」
【武士の誕生】
地方豪族「武装して勢力拡大しようwwww東国(関東)は良い馬も多いし機動力もある武士団作れるぜ」
桓武平氏の平将門「これまで散々徴税してくれやがった国司たちともバトってやるわ。どんどん国府を攻め落としてきたし俺最強。俺は新皇なり!」
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従兄弟の平貞盛「お前は調子に乗りすぎた…死んでくれ(ザシュ)」(平将門の乱)
一方、西国(愛媛)では...
藤原純友「大宰府を襲って荘園の年貢横取りしようぜ!」
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源経基「朝廷からのご命令でお前を殺す(ザシュ)」(藤原純友の乱)
貴族「ふむ。武士とやら、なかなか見どころあるな。身辺警護と荘園の警備を任せよう。」
【院政の始まり】
武士(開発領主や豪族)「貴族や大寺院とどんどん結びついてどんどん私領を拡大するぜえええええ」
国司「最近天皇家も俺らを通さず直接利益を受け取れる荘園を拡大していて、好き放題農民から搾取しづらくなってきたな…天皇も武士どももむかつくぜ」
後三条天皇「関白の藤原頼道がずっと邪魔してきてたけどやっと即位できた。摂関政治の良くないところいっぱい知ってるし、本来の律令、徴税の仕組みを取り戻すぞ!ただまあ、国司は使わない方がいいかもだから記録荘園券契所を作って、基準外の荘園とか全部廃止にするわ」延久の荘園整理令(1069年)→めっちゃ成功