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電子立国ニッポン再生のカギはSiC技術だ(過去半導体ウォッチの検証)

2024年漸く、SiC市場は開花しました。
SiC未来市場予測は、SiC研究第一人者の京都大学名誉教授松波先生が経済産業省課長を同行し、2007年に私の事務所を来社頂いた際に、SiC普及拡大の戦略として提供したものです。
この資料は、松波先生やNEDOがパワーエレクトロニクス国家プロジェクト推進するための啓蒙資料として活用されたので、SiC業界の方はこの資料をご覧になられた方もいると思います。
松波先生からは「この資料は、私たちのバイブルです。ありがとうございました。」と例を言言われた事を覚えています。
当時の戦略は、単なるデバイスではなく、ターゲットアプリケーション適合+環境貢献型グローバルビジネスモデル(環境半導体カテゴリ)し、日本半導体企業を優位なポジショニングにする策でした。

アプリケーション別市場予測
SiCアプリケーションポートフォリオ

【筆者の半導体ウォッチ寄稿記事】
2007年10月1日
電子立国ニッポン再生のカギは“SiC技術”だ半導体ウォッチ(3/3 ページ)
今回は日本産業界にパラダイムシフトを引き起こすSiC(炭化シリコン)パワー素子について触れる。
[豊崎 禎久]
~引用~
何から新しい半導体市場を作りだすのか?
その答えは「エネルギーにかかわる分野は、地球温暖化とCO2排出削減量の視点で戦略策定すべき」となる。
例えば自動車業界は、脱Siを求める声が高まってきている。自動車の場合、車内のあちこちで発熱し、電磁雑音が発生する。半導体の温度保証としての定格は、耐熱性能で70度Cが標準であり、電磁干渉の低減も必要である。また、悪路を走行しても半導体が壊れない(当然、システムも)だけの耐振動性も要求される。これら条件を満たすために、SiCやダイヤモンド・ウェハなどの技術が次世代自動車で要望されている。この中でも実用化に一番近いのがSiC技術なのである。
SiCパワー素子を適用することで、さまざまな電力変換装置の電力損失を低減できる。しかし、電力変換装置が扱える電力量に応じて、SiCパワー素子にとって最適な構造が変わってくる。例えば、1KW以下の小電力であればパワーMOSFET構造で、1KW~1MWの中電力であればIGBTなどのバイポーラ構造といった具合である。素子の構造が違えば、異なる技術開発が必要になる。従って、ターゲットとするアプリケーション分野を明確に設定し、まずはそれに適した新しい構造のSiCパワー素子を開発すべきだろう。
筆者はまず、情報通信(IT)機器向け電源システムに向けたパワーMOSFET構造のSiCパワー素子にフォーカスすべきだと考えている。理由は2つある。
~省略(閲覧するには鍵が必要です)~

【筆者の週刊エコノミスト寄稿記事】
経済・企業まだまだ伸びる半導体
《まだまだ伸びる半導体》東芝+三菱電で始まるパワー半導体の世界戦略=豊崎禎久
2022年6月20日有料記事

【三菱電機のSiC動向】

【SiCメーカーシェア】
~引用~
TrendForceによると、2023年のSiCパワーデバイス市場は堅調な成長を果たしたが、上位5社の売り上だけで市場全体の91.9%を占めたという。
同年のシェアトップに立ったのはSTMicroelectronicsで32.6%、2位には前年の4位からonsemiがジャンプアップ。3位はInfineon Technologies、4位にWolfspeed、5位ロームという順になっているという。
STMicroelectronicsは車載向けSiC MOSFETサプライヤとして存在感を示しており、現在、イタリアのカターニアにフルプロセスSiC工場を建設中で、2026年までに稼働させる予定。また、中国では三安光電と合弁で8インチSiC製品の製造工場を2024年末までに稼働させる計画である。
2位のonsemiも車載向けElite SiCシリーズを中心に事業の拡大を図っている。韓国富川のSiCウェハ工場拡張工事は2023年に完了し、2025年には8インチでの生産に移行する予定としている。また、SiCの結晶技術を有するGT Advanced Technologies(GTAT)を買収して以降、SiC基板材料の自給率は50%を超えており、売上総利益率50%の達成に向けて内製の強化を推進している。
3位のInfineonは、SiC事業の売り上げのほぼ半分を産業分野が占めている。しかし、主要顧客であるSolarEdgeが困難に直面するなどの影響がでている。一方、自動車向けとしては、最近、Xiaomi SU7に製品を供給するなど、堅調な成長を果たしている。

【ウェハ供給企業の動向】

【海外企業のM&A動向】

【パワー半導体ウェハ市場規模】

【三菱電機の戦略】


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