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案外「色」って大事ね~という話。
昔々、私が20代前半の頃のお話。
私は職業柄、作業服を着て仕事している。工事現場で見かける人がよく着ているヤツ。
少しグリーンがかった、くすんだ色合いの…カタログではアースグリーンとか言う系の色。部署によってはネイビーだったりもするのだが。
その当時は、グリーン系の作業服の部署だった。
ある年のこと、化学系の女性陣から「今年はピンクにしたい!」という要望が上がった。
はぁ、ピンクですか。当時一番若かった私が、それに意義を唱えることは難しい。
驚くことに、ピンク色の作業服を作って居る会社もあったもんで、皆ノリノリで選んでいた。
ピンクの作業服、あなどるなかれ、結構色彩が違う。
アンミカさん、この世にピンクは何色あるのでしょう?200ですか?もしかして300?
その時の私は相当ひねくれていたのか、絶対誰も買わないであろう…そもそもこの色で作業服って、何すんの?誰が使うの?的なものをチョイス。
パウダーピンク。
本当に、ほんわか、優しいピンク。
毒なんか一切持っていません!といわんばかりの色。
これで作業服。
コレを着て、工事立会に行く。
薄汚い現場に、突如見慣れぬ色合いの人物がやってくる。見たこと無いだろうな~この色の作業服。浮きまくりですわ。
私を見たときの業者さんの不安そうな顔。(今でも忘れられない。)
その気持ち、分かります。私もこんな人見たら不安になります。
20代ちょいの、ちっこいお姉ちゃんがピンクの作業服着て現場に来たら
「何しに来てんの?この人で本当に大丈夫?」
とも思いたくなるわな。私ならそう思う。
しかし、これでも私は発注者側の工事監督なのだよ。
「パウダーピンクの毒は持っていません。私優しいです。」的なイメージとは真逆の厳しい指摘しまくりで…。毒も持ってるし。
困惑する業者さんに指示出して、確認が終わったらとっととその場を離れました。
やりにくかっただろうな~と思う。
私を知っているお付き合いのある業者さんは、
「その色なに?やめとき」
と、一言。
確かに。やめておいた方が無難。
相手を不安にさせるような作業服を着てはいけません。信頼大事です。
色で、相手の精神面にも影響を与えるな~と思った昔話です。