デイサービスの発表会に感動
近所のデイサービスで行われた忘年会に招かれ、利用者さんたちの発表会を拝見しました。お年寄りの方々が一生懸命に準備した成果を披露しており、そこには温かな空気と笑顔が満ちていました。
プログラムは多彩で、フラダンス、カラオケ、詩の朗読、英語の歌など、様々なジャンルの発表が続きました。それぞれの演目にはその人らしさがにじみ出ていて、会場全体が一体となって拍手を送るたびに、その場の空気がさらにあたたかくなるのを感じました。
特に印象に残ったのは、美空ひばりの「愛燦燦」を歌った女性の姿でした。その方は認知症と診断されている方で、二ヶ月前に初めてお会いしたときには、表情は硬く、ほとんど話さない状態でした。しかし、今日の舞台では満面の笑みを浮かべながら、力強く歌い上げるその姿に、胸が熱くなりました。彼女を見守るご主人は、目を潤ませながら心から嬉しそうに拍手を送り、同じサークルで活動していたという友人の方も、涙を流して喜んでおられました。その光景に、思わず私も胸がいっぱいになりました。
そこにいたるには、スタッフの方々が一人ひとりに丁寧に寄り添い、その人の可能性を信じて根気強く支えてきたので、このような奇跡のような瞬間が生み出されたのだと思います。歌を通して彼女の中にある記憶や感情が引き出され、周囲とのつながりが再び芽生えたのではないでしょうか。
今日の忘年会を通じて、歳を重ねるということについて改めて考えさせられました。人は誰しも、いつかは誰かの助けを借りる存在になります。それは避けられない現実です。しかし、そのときに周りにあたたかい人間関係が残っているかどうかが、人生の豊かさを大きく左右するのではないかと思います。誰かと手を取り合い、笑顔を分かち合える場所があることの大切さを、今日の時間が教えてくれました。
会場を後にする際、胸には幸せな思いがじんわりと広がっていました。誰かの成長や喜びに触れることは、自分の心も満たされます。これから先、自分が歳を重ねたときにも、こんなふうに誰かと笑顔を分かち合える日々があればいいと心から思いました。