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Bloody Blues Night

(痛みを伴う過激な描写がありますのでご注意下さい。)


去年から今年にかけて左手首を骨折してかなり大変だったのだけど、また手を怪我してしまった。今度は右手中指。我々楽器や音楽を演る人間にとっては1番避けたい場所であるにもかかわらず何十分の一だか何百分の一の確率でストライクしてしまった。

ここからはブルースギタリストの写真を基にその時の状況を連想して頂きたい。仕事中特に何気なく作業をしていたところ右中指に強烈な痛みが走った。

刺さった時の表情

トラックの荷台は木製だったり盤木を使う事があるのだが時々棘が指に刺さってしまう事がある。多少ならそのまま抜いたりして大事に至る事など無いが何をどうしてそうなったのか、4、5本の棘が爪の間を貫通して奥深くまで入ってしまった。保護具である革手袋をしていたにも関わらず右中指には穴が空いていたのだった。

いでぇ…!!

何だよ……これは。
余りに突然の衝撃的な光景に訳が分からなくなる。これだけ奥深く刺さっているのに何故か血は全く出ていない。

何でこんな目に遭わなきゃならんのだ

親方がこれで掻き出せとカッターやら爪切りなど出してくれたが、これは何もせずに医者に直行だなと自らの直感に従う事にした。車庫に着くまで長かった。段々と患部がジンジンして来た。

痛ェよ

病院に着いて看護士さんに見せると軽く悲鳴を上げていた。少しづつ抜くと思います。こちらに寝て下さいと案内される。暫くして先生が来た。何やったんですかこれ?何と言われても…普通に仕事してたらこうなってしまったんです。彼は別室に道具を取りに行く。え?麻酔は無しですか?参ったなこりゃ。

痛ってえェエ!!

看護士さんは私の右手を上から体重をかけて押さえつけるが余りの痛みに雄叫びを上げてしまう。戦争映画の野戦病院的光景が展開された。

え…まだ抜くの?あと何本あんのよ
痛ェ…まだあんのかよ
これ以上抜いたら発狂するわよ

棘はあらかた抜けたが流石に抜く時は出血していた様だ。しかし奥に曲がって刺さった先端が残ってしまった。傷の処理と破傷風の注射を打たれてまた明日来てくださいと言われた。

やっぱり痛ェな

翌日の午前中は仕事を休んで朝一で昨日の病院に向かう。幸い痛みは昨日程では無く幾らか引いていた。棘の先端は爪に穴を開けて取る方法もあるみたいだが薬と包帯で経過観察となった。

また水に濡らしちゃいけないとかやってられんな。また楽器もお預けか?

木曜日にやらかして日曜日の今日だが、あれだけ酷い痛みがあったのにかなり回復して来ている。爪の中には先端が残ってはいるが化膿もしておらず何か奇妙な感じだ。これはこれでネイルアートみたいに見えなくもない。まだ多少力は入らない感じはあるが明日からは特に支障なく動けそうだ。

タトゥーとか舌とか乳首にピアスとか全く興味は無い。何故あんな事をするのか、それをする心理も動機も分からないしそれには関わりたくないなと思う。自ら痛い事せんでも怪我すりゃこれだけ痛い目を見れるのだから。新車にステッカーなんか貼りたくないし楽器にステッカーを貼るのも好きじゃない。
いかにもそうしている様に騙して見せるのは面白いと思うけど。



今朝モーニングページを書きながらふと半年前に思い描いた自分に思いを馳せてみた。一応思い描いた自分にはなれているじゃないか。まだまだ試練の日々が続くけど。久しぶりに死ぬほど痛い目に遭ったのに歩きながら口ずさむのは何故かこの歌だった。

あとはおぼろ


あとはおぼろ

嗚呼 今宵また

忍び寄る

恍惚のブルースよ

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