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人間覚悟さえ決めればなんだってできる
いまさっき、TVをなにげなく観ていたら、88歳のおじいさんがリヤカーの屋台を引きながらラーメンを届けているシーンが映っていた。
父親と同じ年齢だなと気に留まり、しばらく見ていたのだが、
若い時、東京で椅子を作る職人を目指していたが、大量生産の製品などでやってゆけなくなり、神戸で屋台を始めたそうだ。
震災の際に自宅は全壊したが、屋台を置いていた倉庫は無事だったそうで、自分の家の事よりラーメンを準備して被災した人たちに向けてラーメンを無償で届けて回ったそうである。
椅子制作の職人の道を諦め、全くノウハウのないラーメン屋をやると決めたとき、やってゆけるか不安はありませんでしたか?と問われ、
「人間、覚悟さえ決めればなんだって出来るよ」とぼそぼそと話す言葉に強く心を打たれた。
知らないうちに涙が流れていた。
このような言葉を発することが出来る人はそんなにはいない。
ドラマのような感動シーンって、そのシーンに向けて様々な展開を見せるけど、この方は数分の普段の様子と、質問に答えてぼそぼそと答えただけなのに、その言葉の背後にあるこの方の人生が見えたようなきがして、その一言で完全にノックアウトされてしまった。
この文を書いている今も涙と鼻水が流れ続けている。
町の人から「ラーメン屋のおっちゃん!」と愛され続けるこの方は、ただものではない。
なんでこんなに感動を覚えたのか、、、ちょっとNOTEにアップすることで冷静になって、涙を拭いて、鼻をかんで考えてみた。
思い浮かんだのが、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」だ。
雨ニモマケズ
宮澤賢治
雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ ノ
小サナ萓ブキノ小屋ニヰテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ朿ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ
北ニケンクヮヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒドリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ
南無無辺行菩薩
南無上行菩薩
南無多宝如来
南無妙法蓮華経
南無釈迦牟尼仏
南無浄行菩薩
南無安立行菩薩
人生の勝利者って、このような方のことだのだと思った。
「サウイフモノニ
ワタシハナリタイ」