〔事例3-後編〕 関わるみんなの、顔が見えているから!(音楽ライブ&即興料理イベント「ギブミーベジタブル」参加報告③)
入場料は野菜、誰でも気兼ねなく参加できる
音楽&料理イベント「ギブミーベジタブル」
その模様と魅力を、ここまで2回にわたり
紹介させて頂きました。
〔前編〕
https://note.com/easy55/n/n2e460e9b2d04
〔中編〕
https://note.com/easy55/n/n4cb56c4e531c
お金や何かを、持ってない人も 歓迎!
持ってなければ 「たかればいい」(笑)
大胆で的を得た提案が、トーク中で出た
〔中編〕の記事に続き、
この〔後編〕でも、さらに
御三方のトークの続きを
紹介していきたいと思います。
〔皆のために 提供する〕
〔たかる〕
〔ありがたく おこぼれを頂く〕
そういう仕組みが うまく機能する為に
どんな工夫が なされているのか?
この〔後編〕では そのあたりを、
御三方のトークから さらに突っ込んで
拾っていきたいと思います―――
(藤) このイベントが面白いのは・・・
参加者の人たちが持ってきた食材を
料理人さん達が その場で 捌いてくれて
参加者(お客さん)や 出演ミュージシャンも
お手伝いスタッフになったり、
その場で 料理人になったりする(笑)
そんな
〔みんなでの手づくり感〕にある
と思うんですけど。
この発想はいったい何処から―――?
(池) みんなで食べる、というところに
こだわってきたので・・・
〔顔が見えること〕を大事にしてます。
持ってきてくれた人、料理する人、
手伝う人、食べる人、演奏する人、
そして場を貸してくれた人・・・
いろんな人が 関わってますよね、
だから、みなさんの顔が見えるように
やっています。
(池) 関わってる〔すべての人の顔〕が
見えるからいいんだ、と
ボクは 思っています。
今の世の中に、
無関心が原因の問題はたくさんある
と思いますが―――
それらは、
関わってる人たちの顔が見えてないから
起きてる気がしますね。
(藤) 確かに、そうですねえ。
東大教授の小野塚知二さんという方が
「イギリスの食はなぜ まずいのか?」という
ちょっと物議をかもしそうなテーマで
論文を書いてるのですが(笑)、
(「産業革命がイギリス料理をまずくした」)
誤解しないでください、
家庭料理は美味しいと思いますよ(笑)、
彼が言ってるのは、
もともと 各地の村には
共有地としての〔森〕があったが、
近代になって工業化が進んだ事で、
分割され、それぞれ私有地になってしまった
森がなくなった事で〔祭り〕がすたれ、
村人同士が協力しあう事が少なくなり、
長年伝わっていた〔ジビエ〕などの
〔即興料理の技術〕が すたれてしまった
というんですね。
一方、
〔都会〕では 競争があるので
皆がノウハウを隠すから、
技術が伝わりづらいみたいで。
それで
イギリスの料理は まずくなった
と、彼は考えているようです。
(池) ノウハウを隠さずに 技術を伝え合うのは
大事な事だと思います。
ギブミーベジタブルのイベントには、
いろんなジャンルの料理人の方が集まる事が多くて
今日も、
カレー、家庭料理、エスニック、日本料理の方々が
来て下さってます。
料理の世界って、
意外に技術交流がないらしくて、例えば
中華料理の人は中華の技術しか知らなかったりする
ようなことが多いみたいですが。
このギブミーベジタブルは、
いろんなジャンルの料理人が集まるので、
「技術を学びあえる」と
料理人の人たちにも喜ばれるんですよ。
(藤) 現代社会は、〔のれん〕の名のもとに
技術を隠す事が多いんですね。
もっと他流試合すればいいのに (笑)。
(池) ギブミーベジタブルは
〔オープンソース〕ですので
誰でも、どこでも、
勝手に やって頂いて結構です。
やり方は ホームページに書いてありますので
興味を持たれた方は
どうぞ 勝手にやってください(笑)
https://www.givemevegetable.com/post/56217328665/how-to-%E3%82%AE%E3%83%96%E3%83%9F%E3%83%BC%E3%83%99%E3%82%B8%E3%82%BF%E3%83%96%E3%83%AB
そして開催されたら、どんな感じだったか
私に報告してもらえたら、
考案者として大変うれしいです。
今回が 第92回目ですが、これを機に
広まっていったら嬉しいですね―――
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実に内容の濃いトークでした、
池田さん、梶田さん、藤原さん、
ありがとうございました。
この後の〔質問コーナー〕では、
「裏方でがんばってくれた学生さんたちの
声を聴いてみたい」と リクエストがあり
一人の女子学生さんが 答えてくれました。
「感想としては、
こんなにたくさんの人に来て頂いて
本当にビックリしています。
始めはスタッフも少人数で
イベントもそんなに人は来ないだろうと
思っていたので・・・
こんなに多くの方々を前に
十分なスペース確保や誘導ができなかった
反省はあるけど
多くの人を動かせた達成感は凄くあります。
私自身の今後については、
食や農の研究者になりたいと思います。
今回学んだ事は―――
社会を変えるには個人の力では無理で、
研究者の〔言葉〕だけで動いてもらえる訳ではなく、
社会のいろいろ方々と一緒に活動しながら
考えていこうと思いました。
人に集まってもらえて、動いてもらえたこと。
イベントで出来て 本当に嬉しかったです。
ありがとうございました―――」
学生さん、立派すぎです・・・ !!!
これを聴いた 藤原先生、
「私は、教員になってから
学生たちに失望した事は一度もありません。
いつも、
私の思うよりずっと すごい頑張りを
彼ら 彼女らは 見せてくれます。
今回やってくれた学生たちは、
今後、どんな場所に行っても、
即興料理のように その場 その場で
面白い事をやっていくだろうと
私は 信じています―――」
さらに 池田さんも、
「ボクは今回の学生さんたちの頑張りを
最初から見てきたので・・・
会場を、
いくつもいくつも 断られ続けて、
それでも 諦めず回り続けて。
ホント大変だったと思います。
こっちが勉強になりましたよ、
本当にありがとうございました―――」
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御三方による、内容の濃すぎるトーク。
私イジリが まとめるのも
おこがましいのですが、
最後に ひとつ、
書かせて頂くとすれば これです。
イジリの眼〔9〕
↓
リアルの場では、みんなの顔が見えるように
シェアする工夫を。
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3回に わたり、長文お読みいただき
ありがとうございました。
あなたの周りに、みんなの居場所を。
語らいのある世の中づくりをめざして、
イジリは 発信を続けて参ります。